シエンタのメーターに「駆動用電池の冷却部品のメンテナンス必要」と表示されて、故障なのか、走り続けてよいのか迷っていませんか。
この表示は、駆動用電池を冷やす空気の吸入口やフィルターがほこりなどでふさがれ、冷却の空気がうまく流れていないことを知らせるものです。
取扱説明書の手順どおりに助手席の下の吸入口を掃除すれば対処できる場合があり、清掃しても消えなければ販売店で点検を受けます。
この記事では、吸入口の場所、清掃の手順とやってはいけないこと、表示の消し方、販売店に頼むときの費用の考え方を整理します。
記事のポイント
- 表示の主な原因はフィルターの目詰まりと吸入口のふさがり
- 吸入口は助手席の下にあり、掃除機で軽く吸って清掃する
- 水洗いとエアブローは駆動用電池の故障につながるおそれがある
- 消えないときは約20分走行し、それでも残れば販売店で点検する
表示が出たときの意味と走行への影響
まずは、この表示が何を知らせているのかと、そのまま走ってよいのかを確認します。
表示が出たからといって、駆動用電池そのものが故障したと決まるわけではありません。
原因はフィルターの目詰まりや吸入口のふさがり
シエンタのハイブリッド車は、車内の空気をブロワーで取り込み、駆動用電池へ送って冷やしています。
取扱説明書では、この表示の原因として次の3つが挙げられています。
- フィルターにほこりや砂がたまっている
- 吸入口を荷物などがふさいでいる
- 冷却用のダクトにすき間や外れがある
吸入口がふさがれると、駆動用電池の入出力が制限され、モーターで走れる距離が短くなって燃費が悪くなると案内されています。
トヨタは使用条件によって25,000kmごとを清掃の目安にしていますが、この表示は走行距離で自動的に出るものではなく、冷却の状態を知らせる表示と考えられます(参考:トヨタ シエンタ 取扱説明書)。
走り続けると出力低下や故障のおそれがある
トヨタは、表示が出たまま走り続けると駆動用電池の出力低下や故障の原因になるおそれがあるとして、速やかに清掃するよう案内しています。
表示が出たら、安全な場所に止めてから吸入口の周りを確認し、できるだけ早く清掃してください。
ほかの警告も同時に出ている、ハイブリッドシステムが始動しない、加速が明らかに弱いといった場合は、清掃で済むと考えず販売店に連絡します。
12Vの補機バッテリーに関する表示とは別の系統で、バッテリー上がりの表示ごとの対処はシエンタのバッテリー上がりの対処を解説した記事でまとめています。
吸入口の場所は10系も170系も助手席の下
駆動用電池の冷却用吸入口は、10系でも170系でも助手席の下にあります。
ただし、カバーの形や外し方は世代で違う場合があります。
10系(2022年8月〜)は助手席の下部
トヨタの取扱説明書では、10系シエンタのハイブリッド車の吸入口は助手席の下部と案内されています。
助手席をいちばん前までスライドさせると、床に近い位置のカバーに手が届きます。

インターネット上には「10系は後席の足元の側面にある」という説明もありますが、取扱説明書の位置とは違うので注意してください。
170系(2015年〜2022年)も助手席の下
170系のハイブリッド車(NHP170G)も、トヨタの取扱説明書で吸入口は助手席の下部と案内されています。
清掃の手順も、助手席をいちばん前にしてから作業する流れです。
ただし、カバーの形やツメの位置は10系と違う場合があるため、10系の外し方をそのまま当てはめず、車に付属する取扱説明書で確認してから作業してください。
駆動用電池と12Vの補機バッテリーの位置の違いは、シエンタのバッテリーの位置を世代別に解説した記事で紹介しています。
吸入口とフィルターを清掃する手順
取扱説明書に載っている清掃は、カバーを外してフィルターのほこりを掃除機で吸う作業です。
ここでは10系の手順を基準に、使う道具とやってはいけないことを整理します。
用意するのは家庭用の掃除機
公式の手順で使うのは家庭用の掃除機で、特別な工具は指定されていません。
フィルターのほこりが取れにくいときは、樹脂製のブラシが付いた掃除機を使うよう案内されています。
懐中電灯があると、フィルターを光に透かして詰まりを確かめやすくなります。
10系の清掃手順
取扱説明書の手順は、次の順番です。
- パワースイッチをOFFにする
- 助手席をいちばん前まで動かす
- カバーを矢印の方向にスライドさせて外す
- 吸入口ベゼルのツメを押しながら持ち上げて外す
- ツメを外して、吸入口ベゼルからフィルターを取り出す
- フィルターの折り目に沿って、掃除機で軽くなぞるように吸う
- フィルターを光にかざし、目詰まりがないか確かめる
- フィルターを吸入口ベゼルに戻し、ずれや変形がないか確かめる
- 吸入口ベゼルとカバーを元どおりに付ける
- ハイブリッドシステムを始動し、表示が消えたか確かめる
カバーにたまったほこりも掃除機で吸い取りますが、吸入口の中へ手やノズル、工具を入れないでください。
ほこりや砂を取り切れないときは販売店に相談し、フィルターが破れている場合は新しいものに交換します。
水洗いとエアブローはしない
フィルターを水や洗剤などの液体で清掃すると、故障や車両火災のおそれがあると取扱説明書で警告されています。
圧縮空気を吹き付けるエアブローも、ほこりが奥へ押し込まれて駆動用電池の出力低下や故障につながるおそれがあるため使いません。
ほかにも、次のことは避けてください。
- 吸入口に手を入れたり、水や異物を入れたりする
- 金属製など硬いブラシを使ったり、掃除機を強く押し付けたりする
- フィルターを外したまま車を使う
- この車両用以外のフィルターを取り付ける
- シートカバーや荷物で吸入口をふさぐ
吸入口に手を入れると、冷却ファンに巻き込まれたり、高電圧の部分に触れて感電したりするおそれがあると警告されています。
取扱説明書に載っているのはカバーとフィルターの清掃までで、奥のブロワーや駆動用電池を分解する作業は販売店に任せる範囲です。
表示の消し方と消えないときの確認
この表示には、ボタン操作で消すリセットの手順は用意されていません。
清掃して冷却の空気が流れるようになると、表示が消える仕組みです。
清掃後に始動し、必要なら約20分走行する
清掃して元どおりに組み付けたら、ハイブリッドシステムを始動して表示が消えたかを確認します。
再び表示された場合でも、消えるまで約20分の走行が必要なことがあると案内されています。

しばらく走っても消えないときは、販売店で点検を受けてください。
12Vの補機バッテリーを外して表示を消す方法はメーカーの手順ではなく、冷却不足そのものは解消しないため避けます。
消えないときに見直すこと
販売店へ行く前に、次の点を見直します。
- フィルターに目詰まりが残っていないか
- フィルターがずれたり変形したりしていないか
- 吸入口ベゼルとカバーが正しく付いているか
- 吸入口を荷物やシートカバーがふさいでいないか
これらに問題がないのに消えない場合は、冷却用のダクトのすき間やブロワーの不具合など、自分では確かめられない部分が原因の可能性があります。
販売店に頼むときの費用と清掃の目安
自分で作業するのが不安な場合は、販売店でも清掃やフィルター交換を頼めます。
費用を比べるときの見方と、清掃の目安を確認します。
料金は清掃・部品・診断に分けて見積もる
トヨタや販売会社の公式サイトには、この清掃やフィルター交換の料金は掲載されていません。
料金は店舗や地域によって変わるため、依頼する店舗で確認します。
依頼するときは、清掃の工賃、フィルターの部品代、表示が消えない場合の診断料を分けて見積もってもらうと比べやすくなります。
純正フィルターの品番は、170系のNHP170G用がG92DH-52010、10系のMXPL系用がG92DH-52060と部品カタログに掲載されています。
品番は製造時期で変わる場合があるため、部品を自分で買う場合は車台番号で適合を確かめてください。
粉じんの多い使い方は25,000kmごとが目安
取扱説明書では、使用頻度が高い車や、大都市・寒冷地など交通量や粉じんの多い地域で使う車は、25,000kmごとを目安にフィルターを清掃するよう案内されています。
決まった距離での交換時期は示されておらず、ほこりが取れないときやフィルターが傷んだときに販売店で新品へ交換します。
ペットを乗せる、泥の付いた靴で乗る機会が多いといった車は、車内のほこりが多く再びたまりやすいため、表示が出る前に吸入口をのぞいておくと早めに気づけます。
駆動用バッテリーの寿命と10万km前後の点検は、シエンタの走行距離と寿命を解説した記事で扱っています。
シエンタの駆動用電池の冷却部品のメンテナンスに関するよくある質問
シエンタで駆動用電池の冷却部品のメンテナンスの表示が出たら、すぐに販売店へ行くべきですか?
表示だけであれば、まず取扱説明書の手順で助手席の下の吸入口とフィルターを清掃して様子を見られます。
清掃しても消えない場合や、ほかの警告も表示されている場合は、販売店で点検を受けてください。
シエンタの冷却部品のメンテナンスでは、フィルターの交換が必要ですか?
汚れを取り除ければ、清掃したフィルターをそのまま使えます。
ほこりや砂を取り切れない場合や、フィルターが傷んでいる場合は、販売店で新品に交換します。
シエンタの冷却部品のメンテナンスの表示は、25,000kmを走っていなくても出ますか?
出ることがあります。
表示の原因はフィルターの目詰まりや吸入口のふさがりなどで、荷物で吸入口をふさいだだけでも空気が流れにくくなります。
シエンタのガソリン車にも、駆動用電池の冷却部品のメンテナンスの表示は出ますか?
ガソリン車には駆動用電池がないため、この表示はハイブリッド車に関するものです。
ガソリン車でメーターに警告が出た場合は、表示された内容を取扱説明書で確認してください。
シエンタの駆動用電池の冷却部品のメンテナンスのまとめ
シエンタの「駆動用電池の冷却部品のメンテナンス必要」の表示は、フィルターの目詰まりや吸入口のふさがりなどで、駆動用電池を冷やす空気が流れにくくなっていることを知らせるものです。
吸入口は10系も170系も助手席の下にあり、パワースイッチを切ってから、取扱説明書の手順でカバーを外し、フィルターを掃除機で軽く吸います。
水や洗剤での清掃とエアブローは、駆動用電池の出力低下や故障につながるおそれがあるため行いません。
清掃後に始動しても表示が残る場合は約20分走行して確認し、それでも消えなければ販売店で点検を受けてください。
販売店の料金は公式サイトに掲載されていないため、清掃・部品・診断に分けて見積もりを取り、最新の手順は車両の取扱説明書で確認してください。




