2022年8月に登場した10系シエンタのベッドキットは、約2万円の折りたたみ式から約60万円の木製キットまで、6社の品で30倍の価格差があります。
5人乗りで泊まるのが年に数回なら厚手のマットから始め、7人乗りで足を伸ばして寝たい人や、毎月のように泊まる人はベッドキットを選ぶ、という分け方が寸法と価格から見て筋が通ります。
7人乗りに対応するキットは4社に限られ、納期が1年を超える品もあるため、定員と使い始めたい時期を先に決めてから比べてください。
記事のポイント
- 10系用は約2万円のGIMUYAから約60万円のYURTまで6社。価格は2026年10月時点で確かめた範囲
- 7人乗りに対応するのはillumista・MGR Customs・工房リンクス・トヨタモビリティパーツの4社
- 工房リンクスは納期約14か月、illumistaは発送目安1週間以内と、届くまでの差が大きい
- トヨタの純正用品にベッドキットはなく、荷室のアッパーボードは耐荷重5kgの棚
シエンタ10系用ベッドキット6社の価格と対応
まず、10系(2022年8月〜)に対応するベッドキットを、対応する定員と価格で並べます。
見るポイントは、自分の車が5人乗りか7人乗りかと、価格がどこで確かめた数字かの2つです。
| キット | 対応する10系 | 価格 | 価格の出どころ |
|---|---|---|---|
| GIMUYA ベッドキット | 5人乗り | 19,800円 | Amazonの掲載(2026年9月) |
| illumista TNキット(ソロフラットキット) | 5人乗り専用と7人乗り専用を別に用意 | 66,000〜74,600円(税込・送料3,960円別) | メーカーの販売ページ |
| MGR Customs | 5人乗り用・7人乗り用 | 5人乗り用82,800〜156,300円、7人乗り用94,800〜126,180円 | 楽天の店舗の掲載 |
| 工房リンクス | 7人乗りだけ | 93,000〜133,000円(税別・送料3,500円別) | メーカーの販売ページ |
| トヨタモビリティパーツ | 5人乗り・7人乗り | 257,400円(税込) | 2026年7月の報道 |
| YURT VANLIFE ROOMKIT | 5人乗り(7人乗り用は開発中と発表) | 599,500円(税込) | 2026年5月の報道 |
GIMUYA以外は2026年10月時点で各社の販売ページを確かめた価格で、トヨタモビリティパーツとYURTは報道で伝えられた価格です。
価格の幅は、生地の種類、クッションの厚さ、テーブルの有無などの選び方で変わります。
表から、定員ごとの候補は次のように絞れます。
- 5人乗りは6社のうち工房リンクスを除く5社が候補
- 7人乗りはillumista・MGR Customs・工房リンクス・トヨタモビリティパーツの4社
- 予算3万円以内ならGIMUYA、10万円前後ならillumistaかMGR Customs、20万円を超えるならトヨタモビリティパーツかYURT
価格が4段階に分かれるのは、置くだけの板か、専用の金属フレームか、内装まで木で作るかという作りの違いが大きいためです。
ただし、値段が高いほど寝心地がよいと示す比較の資料はないため、価格だけで選ばず、次の寸法と納期の表と合わせて見てください。
ベッドの長さ・耐荷重・届くまでの期間を比べる
同じ「大人が寝られる」という説明でも、各社が公表している数字はそろっていません。
次の表は、販売ページと報道で確かめられた数字だけを並べ、書かれていない項目は「記載なし」としています。
| キット | ベッドの大きさ | 耐荷重 | 届くまで |
|---|---|---|---|
| GIMUYA | 未確認 | 未確認 | 未確認 |
| illumista TNキット | 長さ約180cm、幅は前側約63cm・後ろ側約52cm(1人分) | 分散耐荷重100kg(メーカー調べ) | 発送目安1週間以内 |
| MGR Customs | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 工房リンクス(7人乗り) | 179×126cm | マット1枚あたり500kg | 約14か月 |
| トヨタモビリティパーツ | 183×124cm | 200kg | 記載なし |
| YURT(5人乗り) | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
工房リンクスの約14か月は、2026年7月28日付のお知らせで案内された、注文から届くまでの期間です。
同じお知らせでは、接着剤などの資材の供給が不安定なため、納期がさらに延びる場合や、注文をキャンセルして返金する場合があるとも書かれています。
キット全体の重さは、6社とも販売ページや報道で確かめられませんでした。
外したキットを家に持ち帰って置く予定の人は、重さと分解したときの大きさを注文前に販売元へ聞いておきます。
ベッドキットを入れると、寝る面が車の床より高くなります。
10系の室内高はトヨタの公表で1,300mmですが、工房リンクスの7人乗り用では、ベッドの上からルームランプまでが775mm(クッション30mmのとき)と案内されています。
座って着替える程度の高さは残りますが、クッションを厚くするほど頭上は狭くなる点も、生地と厚さを選ぶときの材料になります。
前席の位置にも条件があります。
工房リンクスは運転席・助手席を一番うしろから30mm前に、illumistaは一番うしろから2段前に出した位置で使う前提です。
キットを使わずに純正の畳み方だけで寝た場合の荷室の長さは、5人乗り・7人乗りのフラット化と寝られる寸法で比べています。
5人乗りと7人乗りで選び方が変わる
同じ10系でも、5人乗りと7人乗りでは2列目の畳み方が違うため、キットに求める役割が変わります。
5人乗りは段差をならす目的で選ぶ
トヨタは、2列シート車(5人乗り)の荷室を平らにするフラットラゲージモードについて、車中泊の際にも活躍すると案内しています。
5人乗りは2列目を倒すだけで寝床に近い形になるため、キットは長さを稼ぐより、段差やすき間をならす道具として選ぶことになります。
注意したいのは、助手席にターンチルトシートを付けた車です。
トヨタの案内では、ターンチルトシートを付けた車は助手席側をフラットモードにできません。
この装備がある5人乗りでは、キットやマットが助手席側に使えるかを、買う前に販売元へ確かめてください。
1人で寝られればよい人には、片側だけに組むillumistaのソロ用キットという選び方もあります。
低い予算で段差を減らしたい5人乗りの人には、運転席側と助手席側の2枚に分かれた折りたたみ式のGIMUYAのキットが、表の中で最も安い選択肢です。
寸法の記載を確かめられなかったため、購入前に、商品ページで対応する型式と年式を確認してください。
\ 5人乗りの2分割ベッド /
7人乗りは足を伸ばせる長さを作る目的で選ぶ
7人乗りの2列目は、3列目へ乗り込む通路を作るために前へ跳ね上げる作りで、純正の畳み方だけでは大人が足を伸ばす長さに届きにくくなります。
7人乗りでキットを入れる一番の理由は、この長さを約1.8mまで延ばせることです。
工房リンクスは179cm、トヨタモビリティパーツは183cm、illumistaは約180cmと案内されています。

4社の違いは、家族で乗るときに2列目をどう使えるかに表れます。
- 工房リンクスは片側だけベッドにでき、土台を付けたまま2列目は前側5段の範囲でスライドできる
- illumistaは1人分の幅のキットで、2台並べると全体が平らになる
- トヨタモビリティパーツは2列目と3列目を倒してフレームを組む方式で、組み立ては5分ほどと報じられている
- MGR Customsは販売ページに2列目の扱いの記載がない
工房リンクスでは、2列目のリクライニングを全段使えるのはスライドが一番前のときで、一番うしろでは半分ほどになるとも案内されています。
普段は家族5人で乗り、ときどき1人で釣りや遠出に出かける7人乗りの使い方なら、片側だけベッドにできるかどうかが選ぶ決め手になります。
ベッドキットかマットかは4つの条件で決める
ベッドキットとマットのどちらを買うかは、定員、寝る人数、泊まる頻度、普段の荷室の使い方の4つで分かれます。
寝心地を客観的に比べた資料はないため、ここでは寸法・手間・費用だけで比べます。
| 条件 | 向くもの | 理由 |
|---|---|---|
| 5人乗り・1〜2人・年に数回 | 厚手の車中泊マット | 倒すだけで寝床に近く、マットを外せば普段の荷室に戻る |
| 5人乗り・毎月泊まる・荷物も積む | 5人乗り用ベッドキット | 毎回の段差合わせがいらず、ベッドの下を収納にできる |
| 7人乗りで足を伸ばしたい | 7人乗り用ベッドキット | キットで寝る面の長さを約1.8mにできる |
| 犬と一緒に寝る | トヨタモビリティパーツのキット | マットの生地がペットの爪のひっかき傷に強いと報じられている |
| 次の連休までに使いたい | 在庫品や発送の早い品 | 工房リンクスは納期約14か月、illumistaは発送目安1週間以内 |
たとえば、5人乗りに夫婦で乗り、月に1回ほど道の駅の近くのキャンプ場で泊まる使い方なら、まずマット2枚で始め、段差や片付けの手間に不満が出てからキットを考えても遅くありません。
ベッドキットの欠点は、値段のほかに、天井が近くなることと、組んでいる間はその分の荷室が使えないことです。
マットの欠点は、泊まるたびに出し入れする手間と、7人乗りでは長さが足りない問題を解決できないことです。
犬を乗せる人は、寝床とは別に、シートを守る用品と犬の安全な乗せ方もあわせて決めておくと用品の買い直しを防げます。
マットで始める場合、薄いマットではシートの背面の段差が背中に当たりやすいため、厚さのあるものが向きます。
オンリースタイルの車中泊専用マットは、販売ページの表記で広げると約198×66cm、厚さ10cmの空気を入れて使うマットで、収納時は直径20cm×長さ70cmに収まります。
シエンタ専用ではない汎用品のため、2枚並べる場合は、荷室の幅を測ってから枚数を決めてください。
\ 厚さ10cmで段差を吸収 /
トヨタ純正のベッドキットはない
2026年10月時点のトヨタ公式のシエンタ用アクセサリーの案内には、ベッドキットや車中泊用マットはありません。
純正で荷室を上下に分ける「ラゲージアッパーボード」はありますが、耐荷重は5kgの荷物用の棚で、人が寝る板ではありません。
アッパーボードの仕組みと載せてよい物は、純正・社外・自作のラゲッジボードの耐荷重で整理しています。
トヨタ系の部品・用品の会社であるトヨタモビリティパーツは、愛犬家向けの「ワン!PiNG ACE」シリーズとして、シエンタ用のベッドキットを出しています。
2026年6月の東京アウトドアショー2026で展示され、次の内容が報じられています。
- 価格はフレームとマットのセットで257,400円(税込)
- 対象は2022年8月以降の10系で、ハイブリッド車は5人乗り・7人乗り(2WD・E-Four)、ガソリン車は5人乗り・7人乗り(2WD)
- ベッドは奥行1,830mm×幅1,240mm、マットの厚さ50〜65mm、耐荷重200kg
- 車体への穴あけや加工は不要で、ベッドの下に荷物を置ける
前年の2025年の報道では、取り扱う地域のトヨタ販売店で注文する形と伝えられていました。
トヨタの販売店で用品を相談したい人や、トヨタ系の会社の品を選びたい人にとっては、買い方が分かりやすい選択肢です。
ただし、メーカー自身の商品ページは見つからなかったため、注文できる地域と納期は近くのトヨタ販売店で確かめてください。
ベッドキットを買う前に販売元へ確かめること
各社の販売ページには、重さや走行中の扱いなど、使い始めてから困りやすい点が書かれていないことがあります。
注文する前に、次の点を販売元に聞いておくと、届いてから使えないという事態を避けられます。
- 自分の車の型式・定員・ハイブリッドかガソリンか・2WDかE-Fourかに合うか
- ターンチルトシートなど、付いている装備で使えなくなる条件がないか
- キット全体の重さと、分解したときの大きさ
- 組んだまま2列目に何人座れるか
- 走行中にキットをどう固定するか
- 注文から届くまでの期間と、キャンセルの条件
ベッドの上はシートベルトのない場所なので、走行中は人を乗せず、決められた座席に座ってシートベルトを締めてください。
組み立てや取り付けに不安がある場合は、無理に自分で作業せず、販売元や販売店に相談してください。
夜に車内で過ごすなら、ベッドと同時に窓の目隠しもそろえておくと、外灯の光と外からの視線を防げます。
窓の形は世代で違うため、世代別の窓まわりと目隠しの選び方で対応品を確かめてから買ってください。
泊まる回数が増えたら電気をどう用意するか
ベッドキットを入れて泊まる回数が増えると、スマートフォンの充電や照明、季節によっては扇風機や電気毛布の電気が要るようになります。
電気の用意のしかたは、ハイブリッド車でコンセントのオプションを付けているかどうかで分かれます。
10系のハイブリッド車には、AC100V・1500Wのコンセントをインパネとラゲージデッキの右側の2か所に付けるメーカーオプションがあります。
非常時給電システムを使うと、走行機能を止めた状態で、消費電力の合計が1500W以下の電気製品を使えます。
一方でトヨタは、暖房器具などを使って車中に泊まるときは、給電システムの自動停止などで電気製品が意図せず止まるおそれがあると注意しています。
(参考:トヨタ シエンタ 室内空間・使い勝手)
メーカーオプションは車を注文するときにしか付けられないため、これからハイブリッド車を買う人は、見積もりの段階で付けるかどうかを決めておく必要があります。
オプションを含めた総額の出し方は、公式シミュレーションでの見積もりと総額の見方を参考にしてください。
ガソリン車の人や、コンセントを付けていないハイブリッド車の人は、車とは別に電気をためておく道具が要ります。

ベッドキットを入れて季節を問わず泊まるようになると、エンジンを止めたまま夜通し使える電気の量が、寝る場所の快適さを左右します。
コンセントのある車でも、電気製品が意図せず止まるのを避けたい夜や、車から離れたテントの横で電気を使いたい場面では、持ち運べる電源のほうが扱いやすくなります。
この条件に合うのが、車から下ろして持ち運べるJackeryのポータブル電源です。
\ エンジンを止めて電気を使う /
※リンク先はJackeryの公式サイトです
シエンタのベッドキットに関するよくある質問
シエンタのベッドキットは7人乗りにも付けられますか?
10系の7人乗りには、illumista・MGR Customs・工房リンクス・トヨタモビリティパーツの4社が対応するキットを出しています。
5人乗り用と7人乗り用は別の商品なので、注文するときは定員を間違えないようにしてください。
シエンタのベッドキットを付けたまま2列目に座れますか?
キットによって違い、販売ページに記載がない品もあるため、注文前に販売元へ確かめる必要があります。
工房リンクスの7人乗り用は、土台を付けたまま2列目を前側5段の範囲でスライドでき、片側だけをベッドにする使い方も案内されています。
170系のシエンタのベッドキットはありますか?
2026年10月時点で、工房リンクスが170系の6人乗り・7人乗り用(税別93,000〜133,000円、179×126cm)を販売しています。
illumistaにも170系7人乗りの2WD用のソロ用キット(長さ約170cm)があります。
シエンタのベッドキットはどこで買えますか?
GIMUYAはAmazonなどの通販、MGR Customsは楽天の店舗、illumistaと工房リンクスはメーカーの販売ページから注文できます。
トヨタモビリティパーツのキットは、2025年の報道では取り扱う地域のトヨタ販売店で注文する形と伝えられていました。
シエンタのベッドキット選びのまとめ
10系シエンタのベッドキットは6社あり、約2万円から約60万円まで価格に30倍の差があります。
7人乗りに対応するのはillumista・MGR Customs・工房リンクス・トヨタモビリティパーツの4社で、キットを入れる一番の理由は寝る面を約1.8mに延ばせることです。
5人乗りで泊まるのが年に数回なら厚手のマットから始め、毎月泊まる人や荷物をベッドの下に積みたい人はキットを選びます。
工房リンクスの納期は約14か月と長く、キット全体の重さはどの会社も公表していないため、注文前に販売元へ確かめてください。
トヨタの純正用品にベッドキットはなく、ラゲージアッパーボードは耐荷重5kgの棚です。
価格や対応車種は変わることがあるため、正確な仕様は各社とトヨタの公式サイトで確認してください。

