シエンタのジャッキアップポイントは、車に積んでおくジャッキを使うときと、整備用のガレージジャッキを使うときで場所が違います。
車載ジャッキは車体の下側にあるジャッキセット位置に、ガレージジャッキは車体の前と後ろに1点ずつ決められたジャッキポイントにかけます。
2022年8月に登場した10系はタイヤパンク応急修理キットが標準のためジャッキもホイールナットレンチも積まれておらず、自分で交換するなら道具から用意します。
ホイールナットの締め付けトルクは、80系・170系・10系のどれも103N・m(1050kgf・cm)です。
記事のポイント
- 車載ジャッキは車体の下側のジャッキセット位置、ガレージジャッキは前後1点ずつのジャッキポイントにかける
- 10系にはジャッキ・ホイールナットレンチ・輪止めが積まれておらず、トヨタ販売店で買える
- 締め付けトルクは3世代とも103N・mで、車を下ろしてから対角の順に2、3度に分けて締める
- ホイール付きの履き替えは店なら税込3,300円〜で、10系は道具代と比べて決める
シエンタのジャッキアップポイントは2種類ある
シエンタの取扱説明書は、車に積むジャッキを使うときの「ジャッキセット位置」と、ガレージジャッキを使うときの「ジャッキポイント」を別のページで示しています。
2つは場所も使う道具も違うため、先に自分がどちらのジャッキを使うのかを決めてから位置を探します。
表は、世代ごとに車載ジャッキが積まれているかと、それぞれのジャッキをかける場所をまとめたものです。
| 世代(販売時期) | 車載ジャッキ | 車載ジャッキをかける場所 | ガレージジャッキをかける場所 |
|---|---|---|---|
| 10系(2022年8月〜) | 積まれていない(販売店で購入できる) | 前輪のすぐ後ろと後輪のすぐ前の、車体の下側のジャッキセット位置 | 前側1点・後ろ側1点(ハイブリッド車はFFとE-Fourで後ろ側の図が別) |
| 170系(2015年7月〜2022年) | 応急用タイヤ装着車などに搭載 | 取扱説明書の図のジャッキセット位置 | 前側1点・後ろ側1点(FFと4WDで後ろ側の図が別) |
| 80系(2003年〜2015年) | 応急用タイヤ装着車に搭載 | 取扱説明書の図のジャッキセット位置 | 前側の図がFFと4WDで別(後ろ側は取扱説明書の図で確認) |
表の場所は取扱説明書の図をもとにした大まかな位置なので、作業の前に自分の車の年式に合う版の図で確かめてください。
80系の取扱説明書は、ガレージジャッキで上げる位置に、車に積まれているジャッキを使わないよう注意しています。
どちらのジャッキも、取扱説明書が示す位置以外にはかけないようにします。
車載ジャッキは車体の下側のジャッキセット位置にかける
車載ジャッキをかける場所は、取扱説明書で「ジャッキセット位置」と呼ばれています。
10系の取扱説明書の図では、前輪のすぐ後ろと後輪のすぐ前の、車体の下側のふち(サイドシル)に示されています。
上げるタイヤに近いジャッキセット位置を使い、ジャッキの頭のくぼみが位置の中央あたりに軽く当たるまで、ジャッキを手で回して高さを合わせます。
170系と80系の取扱説明書では、ジャッキの溝をジャッキセット位置にしっかりかけるよう書かれています。
車載ジャッキはタイヤ交換とタイヤチェーンの着脱のための道具で、ほかの車のジャッキを使うことも禁止されています。
ガレージジャッキは前と後ろに1点ずつ
ガレージジャッキ用のジャッキポイントは、フロント側に1点、リヤ側に1点です。
10系の取扱説明書の図では、フロントは車体の前寄りの中央付近の下、リヤは車体の後ろ寄りの中央付近の下に示されています。
どの部品にかけるのかは文章では説明されておらず図だけなので、部品の名前ではなく図の位置で見当を付けます。
10系のハイブリッド車はFFとE-Fourでリヤ側の図が分かれていて、170系もFFと4WDでリヤ側の図が別です。

トヨタは、正しい位置にセットしないと車両の損傷やけがのおそれがあるとし、ガレージジャッキに付いている説明書に従って作業するよう案内しています。
個人の整備記録やタイヤ店のブログには、フロントのポイントが車体の奥にあって見つけにくいという声が多く見られます。
図はWeb版でも見られるので、Web版の取扱説明書で自分の年式の版を開く方法を見ながら、作業の前にスマートフォンで開いておくと探しやすくなります。
世代で違う車載ジャッキの有無
ジャッキアップポイントを探す前に、自分の車にジャッキが積まれているかを確かめます。
シエンタは世代や仕様によって、ジャッキやホイールナットレンチを積んでいる車と積んでいない車があります。
10系はジャッキ・レンチ・輪止めを積んでいない
10系の取扱説明書には、タイヤパンク応急修理キットが標準装着のため、タイヤ交換に使う工具は搭載されていないと書かれています。
積まれていないのは次の4つです。
- 輪止め
- ホイールナットレンチ
- ジャッキ
- ジャッキハンドル
これらはトヨタ販売店で購入でき、買った場合のジャッキの置き場所は、ラゲージの右側の内張りの中として図で示されています。
2026年8月の改良後の版の取扱説明書でも、同じ記載です。
10系で冬用タイヤへの履き替えを自分でするなら、ジャッキアップポイントを調べる前に、道具がそろっているかを先に確かめます。
170系と80系は応急用タイヤ装着車にジャッキがある
170系の取扱説明書では、応急用タイヤ装着車に、ジャッキ、ジャッキハンドル、ホイールナットレンチ、けん引フックが積まれています。
170系はタイヤパンク応急修理キット装着車の工具の図にもジャッキなどが描かれていますが、注記の付いた仕様もあるため、荷室を開けて実物を確かめてください。
ジャッキの置き場所は、7人乗りと6人乗りがラゲージの右側のカバーの中、5人乗りがデッキボードの下です。
80系も、応急用タイヤ装着車にはジャッキとホイールナットレンチが積まれています。
中古で買った車は工具がそろっていないこともあるため、世代だけで判断せず荷室で確かめます。
10系で自分で交換するときにそろえる道具
10系で自分でタイヤを替えるなら、取扱説明書が交換に使う工具としている4つに加えて、締め付けの強さを確かめる道具も用意します。
そろえる道具は次のとおりです。
- 輪止め
- ジャッキとジャッキハンドル(販売店で買う車載用か、ガレージジャッキ)
- ホイールナットレンチ
- トルクレンチ
- 車の下に体を入れる作業をする場合はジャッキスタンド
取扱説明書は、ナットを2、3度しっかり締めたあと速やかに締め付けトルクを確かめ、自分で確かめられない場合は販売店で点検を受けるよう書いています。
トルクレンチがあれば、この確認を自宅で済ませられます。
トルクレンチは103N・mが測れる範囲に入るものを選ぶ
トルクレンチは、決めた強さまで締まったことが分かる工具です。
選ぶときは、測れる範囲に103N・mが入っていることと、ホイールナットに合うソケットが付くかを見ます。
大自工業のF-92は、測れる範囲が28〜210N・mで、19mmと21mmの薄型ロングソケットとエクステンションバーが付き、アルミホイールに対応するとされています。
シエンタのナットの二面幅(ソケットを当てる六角の幅)は取扱説明書に書かれていないため、手持ちのナットに合うサイズかを先に確かめてください。
購入前に、商品ページで対応する型式と年式を確認してください。
\ 103N・mを自宅で確かめる /
ガレージジャッキは差し込める低さと上がる高さで選ぶ
販売店で車載用のジャッキを買う方法のほかに、前後のジャッキポイントで上げるガレージジャッキを使う方法もあります。
フロントのジャッキポイントは車体の奥にあるため、低い位置から差し込めて、タイヤが浮くまで持ち上がるものが向いています。
選ぶときは、次の3つを見ます。
- 最低地上高(車の下に差し込めるか)
- 最高地上高とストローク(タイヤが浮くまで上がるか)
- 最大耐荷重とサドル(受け皿)の大きさ
大自工業のMP-20Tは、最低地上高が約75mm、最高地上高が約615mm、最大耐荷重が2,000kgのガレージジャッキです。
サドルは直径約120mmで、ハンドルを付けた全長は約2,450mm、重さは約46.5kgあるため、置き場所と運ぶ距離も考えておきます。
サドルの形がシエンタのジャッキポイントに合うかはメーカーの資料で確かめられないため、使う前に取扱説明書の図と見比べてください。
購入前に、商品ページで対応する型式と年式を確認してください。
\ 約75mmの低さから差し込む /
シエンタのタイヤ交換の手順
手順は、10系の取扱説明書のタイヤ交換の流れに沿って、持ち上げる前、外す、付けるの3つに分けました。
170系と80系も大きな流れは同じですが、細かい点は自分の車の取扱説明書で確かめてください。
持ち上げる前に車を止めて輪止めをする
作業の前に、次の順で車を止めます。
- 地面が固く平らで安全な場所に移動する
- パーキングブレーキをかける
- シフトをPにする
- エンジン(ハイブリッド車はハイブリッドシステム)を止める
- 非常点滅灯をつける
- パワースライドドアの機能を止める
車いす仕様車のスロープタイプは、車高調整機能も止めます。
輪止めは、上げるタイヤと対角にあるタイヤに置きます。
左の前輪を上げるなら右の後輪のうしろ、左の後輪を上げるなら右の前輪の前です。
走った直後はホイールやブレーキのまわりが熱くなっていてやけどのおそれがあるため、冷めてから触ります。
ナットをゆるめてからジャッキで上げる
タイヤを外すときは、次の順で進めます。
- スチールホイールはホイールキャップを外す(レンチの先に布を巻いて傷を防ぐ)
- タイヤが地面に着いたまま、ナットを約1回転ゆるめる
- ジャッキをジャッキセット位置にかける
- タイヤが地面から少し離れるまで上げる
- ナットをすべて外し、タイヤを外す
外したタイヤは、表面を上にして置きます。
上げるのはタイヤを交換できる高さまでで、人を乗せたまま上げることや、ジャッキだけで支えた車の下に体を入れることは禁止されています。
付けたら車を下ろしてから103N・mで締める
タイヤを付けるときは、次の順で進めます。
- ホイールの接触面の汚れをふき取る
- タイヤががたつかない程度まで、手でナットを仮締めする
- 車体を下ろす
- 対角の順に、ナットを2、3度に分けてしっかり締める
- 締め付けトルクが103N・mになっているかを確かめる
仮締めは、スチールホイールならナットのテーパー部がホイールに軽く当たるまで、アルミホイールならナットの座金がホイールに当たるまで回します。
本締めは、車を下ろしてタイヤが地面に着いた状態で行います。

車を下ろすときは、周りに人がいないかを確かめ、人がいれば声をかけてから下ろします。
締め付けトルク103N・mとホイールナットの扱い
シエンタのホイールナットの締め付けトルクは、80系、170系、10系の取扱説明書のどれでも103N・m(1050kgf・cm)です。
10系は2022年8月からの版と2026年8月からの版で同じ値で、ガソリン車とハイブリッド車の違いもありません。
タイヤ店のブログには108N・mで締めると書いたものもありますが、自分で締める場合は取扱説明書の103N・mに合わせます。
ナットとねじ部の扱いで守ること
10系の取扱説明書は、ナットの扱いについて次のように注意しています。
- ねじ部にオイルやグリースを塗らず、付いていたらふき取る
- 使っているホイール専用のナットを使う
- ナットはテーパー部を内側にして付ける
- ボルトやナットのねじ部、ホイールのボルト穴につぶれやひびがあれば販売店で点検を受ける
ねじ部に油が付いていると、必要以上に締まってボルトやホイールを傷めるおそれがあるとされています。
締め付けトルクは決まった値まで締めれば終わりではなく、交換したあと速やかに確かめることも取扱説明書に書かれています。
純正のスチールとアルミでナットが違う
トヨタの公式FAQでは、10系の純正ホイールのナットを通す穴の径は、スチールが約14mm、メーカーオプションのアルミが約19mmとされています。
同じ表で、10系のホイールは全グレードでPCD100の5穴、ハブ穴の径は54です。
冬用にスチールホイールのセットを付けるときなどは、ホイールに合うナットを用意してから作業します。
ナットのねじの太さやピッチ、二面幅は取扱説明書に書かれていないため、ナットを買い足すときは販売店で確かめてください。
ナットの座面の形の違いは、純正アルミとスチールで変わるナットの座面で整理しています。
冬前の履き替えは自分でやるか店に頼むか
ホイール付きのタイヤに付け替える作業は、道具と場所があれば自分でもできますが、店に頼んだ場合の費用と比べてから決めます。
ホイールからタイヤを外して付け替える組み替えは機械が要るため、店に頼む作業です。
店に頼んだときの費用と道具代を比べる
イエローハットの店舗サービスの案内では、ホイール付きタイヤの履き替えは税込3,300円〜で、作業時間は20分〜とされています(2026年10月時点)。
料金は車種と店舗で変わるため、実際の金額は店で確かめます。
春と冬の2回頼むと、1年で6,600円〜になります。
10系は道具を一からそろえることになるため、道具の代金を年6,600円〜の工賃と比べると、何年で元が取れるかの目安になります。

私は、固く平らな作業場所も道具の置き場所もない場合は、店に任せたほうが費用と手間の両方で負担が少ないと考えます。
自分でやらないほうがよいのは、次のような場合です。
- 固く平らで安全な作業場所がない
- トルクレンチがなく、締め付けの強さを確かめられない
- ボルトやナットのねじ部に傷みがある
- 車いす仕様車で、別冊の取扱説明書を確かめていない
- 自分での作業に少しでも不安がある
タイヤそのものを替えるときの費用は、10系・170系のタイヤサイズと交換費用で確かめられます。
冬用をホイールセットで買えば付け替えを自宅でできる
冬用タイヤをタイヤだけで買うと、毎シーズンの組み替えを店に頼むことになり、ジャッキアップポイントを覚えても自分で済ませられる作業は増えません。
ホイールセットで買えば、春と冬はホイールごと付け替えるだけになり、この記事の手順と103N・mの締め付けで自宅でも作業できます。
10系は全グレードが185/65R15で、冬用の銘柄と値段は10系・170系のスタッドレスの適合サイズと値段で比べています。
セットを選ぶときは、10系か170系か、ガソリン車かハイブリッド車かで合う商品が変わるため、年式と型式から絞り込める売り場で探すと間違えにくくなります。
購入前に、商品ページで対応する型式と年式を確認してください。
\ 冬用をホイールごと用意する /
※ページを開いても購入にはなりません
出先でパンクしたときは修理キットか応急用タイヤ
出先でのパンクは、自宅での履き替えと違い、世代によってジャッキを使うかどうかから変わります。
10系はタイヤパンク応急修理キットで直すのが前提で、直せるのは接地面に釘やネジが刺さった程度の軽いパンクです。
刺さった釘やネジは抜かずに修理キットを使うよう案内されています。
170系の応急用タイヤ装着車はジャッキでタイヤを交換できますが、応急用タイヤでは80km/h以上で走らないよう取扱説明書に書かれています。
修理キットの使い方と直せないパンクへの備えは、修理キットで直せるパンクと直せないパンクの違いにまとめています。
シエンタのジャッキアップポイントに関するよくある質問
シエンタのジャッキアップポイントは170系と10系で同じですか?
同じとは限らないため、世代ごとの取扱説明書の図で確かめてください。
どちらも車載ジャッキ用とガレージジャッキ用の位置が別に示されていて、ガレージジャッキのリヤ側は駆動方式でも図が分かれています。
シエンタのジャッキアップポイントで上げたあと、ホイールナットは何N・mで締めますか?
103N・m(1050kgf・cm)です。
80系・170系・10系とも同じ値で、車を下ろしてから対角の順に2、3度に分けて締めます。
10系のシエンタのジャッキアップポイントに使う車載ジャッキはどこで買えますか?
トヨタ販売店で購入できると取扱説明書に書かれています。
ジャッキのほか、ジャッキハンドル、ホイールナットレンチ、輪止めも積まれていないため、あわせてそろえるかを決めておきます。
シエンタのジャッキアップポイントにかけたジャッキだけで、車の下にもぐってもいいですか?
もぐらないでください。
取扱説明書はジャッキで支えた車の下に体を入れないよう警告していて、車の下にもぐる作業ではジャッキスタンドを使うよう書いています。
シエンタのジャッキアップポイントのまとめ
シエンタのジャッキアップポイントは、車載ジャッキなら車体の下側のジャッキセット位置、ガレージジャッキなら前後1点ずつのジャッキポイントで、使うジャッキによって場所が違います。
作業の前に、次の順で確かめておくと迷いにくくなります。
- 車検証の型式で、10系・170系・80系のどれかを確かめる
- ジャッキとレンチが積まれているかを荷室で見る
- 使うジャッキに合う位置を、自分の版の取扱説明書の図で確かめる
- 車を下ろしてから対角の順に締め、103N・mになっているかを確かめる
10系は工具が積まれていないため、道具代と店の工賃を比べて、自分でやるか店に頼むかを決めます。
取扱説明書の内容は年式や仕様で変わることがあるため、作業の前に自分の車の取扱説明書で最新の内容を確認してください。
ジャッキアップや締め付けに少しでも不安があれば、販売店やタイヤ店に任せてください。

