シエンタで車中泊ができるかどうかは、乗車定員で答えが変わります。
同じ車名でも、5人乗りと7人乗りでは後ろの床の作りがまったく違うためです。
5人乗りと7人乗りのどちらも、シートを倒しただけでは完全な平らになりません。
ただし5人乗りなら倒すだけで寝床に近い形になり、7人乗りは荷室の長さが足りない分を寝方で補う形になります。
夜の車内ではエンジンをかけたまま寝ず、電気は給電機能かポータブル電源で用意します。
記事のポイント
- 5人乗りは倒すだけで2m前後の床ができ、大人2人が横になれる
- 7人乗りは公式の畳み方で荷室長が最大約1,525mm。大人が足を伸ばすには短い
- どちらの仕様でもマットで傾斜を吸収する前提で考える
- エンジンをかけたまま寝ない。電気は給電機能かポータブル電源で用意する
シエンタで車中泊はできますが完全な平らにはなりません
シートは走行中に身体を支えるための形をしているため、倒しただけでは平面になりません。
どの程度の凹凸が残るかが、5人乗りと7人乗りで大きく違います。
大人2人で寝られるのは5人乗り
5人乗りの2列目は、背もたれを倒すと座面が足元へ沈み込みます。
この動きのおかげで、前席の裏からバックドアまで2m前後の連続した床ができます。
幅も1,265mmほどあるため、大人2人が並んでも肩がぶつかりにくくなっています。
2つの仕様の違いは、シエンタ5人乗りと7人乗りの違いで比べています。
7人乗りは荷室の長さが足りない
7人乗りの2列目は、3列目へ乗り込む通路を作るために前方へ跳ね上がります。
説明書どおりに畳むと、荷室の長さは1,525mmほどで止まります。
この長さでは、大人が足を伸ばして寝るには足りません。
7人乗りで車中泊をするなら、この長さに収まる使い方を前提に考えます。
5人乗りは倒すだけで寝床に近い形になります
5人乗りは、車中泊を想定した畳み方がそのまま使えます。
準備にかかる時間も短く、思い立ったその日に使えるのが利点です。
2列目の倒れ方が違う
肩のあたりにあるレバーを引き、背もたれを前へ倒します。
座面が連動して下がるため、荷室の床とほぼ地続きになります。
残る傾斜はマットで吸収する
地続きにはなりますが、シートの背面には緩やかな傾斜と隙間が残ります。
ここを放っておくと、腰や肩の一点に体重がかかって目が覚めます。
厚みのあるマットを1枚敷けば、面全体で受け止める形になり気にならなくなります。
空気で膨らむタイプなら、使わないときは巻いて収納できます。
厚さで凹凸を埋めるなら、オンリースタイルの車中泊専用マット(標準サイズ)は広げると長さ198cm×幅63cm×厚さ10cmで、中身は高弾性ウレタンフォームです。
収納時は直径22cm×長さ70cmにまとまり、側面のマジックテープで2枚をつなげて使えます。
シエンタに合うかどうかは販売ページに書かれていないため、荷室の長さと幅を測ってからオンリースタイルの車中泊専用マットのページ
で寸法を見比べてください(PR)。
年に数回の車中泊だけに使うには高いと感じるなら、停電や避難のときの寝具を兼ねる考え方もあります。
このマットは防災グッズとしても販売されています。
\ 5人乗りの傾斜をならす /
※サイズは荷室の実寸で確認を
7人乗りは荷室長1,525mmで寝方を考えます
7人乗りは、大人2人が足を伸ばして並ぶ使い方には向きません。
寝る人数と身長を先に決めてから道具をそろえると、無駄がありません。
公式の畳み方で荷室を広げる
7人乗りは、3列目を2列目の足元へ格納し、2列目を前方へ跳ね上げる(タンブル)と荷室が最も長くなります。
この形の荷室長は最大で約1,525mmで、手順は取扱説明書のシートアレンジで確認できます。
2列目の背もたれだけを倒して床を延ばすなど、取扱説明書にない畳み方も見かけますが、段差の高さや強度をトヨタは公表していないため、この記事では勧めません。
1,525mmで足りないときの考え方
長さが足りないときの考え方は、大きく2つです。
- 7人乗り対応と明記された車中泊用のキットを使う
- 大人2人で寝る予定が多いなら、5人乗りを選ぶ
キットを使う場合は、7人乗りに対応しているか、どの畳み方を前提にしているかを商品ページで確かめてください。
床をかさ上げする台やキットを使う場合は、乗る人の体重を支えられる強度があるかを先に確かめてください。
寝られる寸法の目安を先に確かめる
荷室の数値を知っておくと、マットを買ってから入らないという失敗を避けられます。
後席を外した2人乗りの特装仕様もあり、そこまで本格的に使う選択肢もあります。
特装仕様の中身は、シエンタJUNOの価格と2人乗りの使い方で解説しています。
| 仕様 | 畳んだときの荷室長 | 寝るときの扱い |
|---|---|---|
| 現行10系 5人乗り | 約2,045mm | 大人2人が並んで横になれる |
| 現行10系 7人乗り | 約1,525mm | 大人が足を伸ばすには短い |
| 旧型170系 FUNBASE | 約2,065mm | 段差が少なく手間がかからない |
数値は公表値で、測り方によって変わるため目安として見てください。
長さと幅の見方
身長180cm前後の人でも、2m前後の長さがあれば足を伸ばせます。
幅は1,265mmほどあり、大人2人が並んだときに寝返りの余地が残ります。
7人乗りで1人だけ寝る場合は、斜めに体を置いて長さを稼ぐ方法もあります。
2人で寝る場合は、7人乗りのままでは足りないと考えたほうが確かです。
起き上がれる高さがあるか
床から天井までの余裕があると、車内での過ごし方が変わります。
シエンタは荷室の高さが1m前後あり、10cmのマットを敷いてもあぐらをかいて座れます。
着替えや食事を車内で済ませられるため、寝るだけの場所になりません。
荷室の壁のネジ穴を使えば、荷物を吊って床を空けられます(使い方はユーティリティホールの使い方と耐荷重で確認できます)。
夜の車内は換気と結露と光で決まります
寝床ができても、車内の環境を整えないと眠れません。
整えるのは換気、結露、光の3つです。
対角の窓を少し開ける
人が寝ていると、呼吸と汗で一晩にコップ数杯分の水分が車内に出ます。
窓をすべて閉め切ると、その水分が行き場を失います。
対角にある2枚の窓を数cmずつ開けると、車内に空気の流れができます。

虫が入るのを防ぐため、窓に掛ける網は用意しておいてください。
結露は水蒸気を外に出す
結露は、暖まった空気が冷えたガラスに触れることで起きます。
拭き取るより、水分を外へ出すほうが根本的な対処になります。
小さな送風機を回して空気を動かすと、窓のまわりに湿気がたまりにくくなります。
寝袋や毛布を窓に密着させないことも、地味ですが効きます。
目隠しは光と視線の両方を切る
道の駅やサービスエリアでは、夜も外灯が点いたままです。
車内で明かりを使うと、外から中が見えてしまう点にも注意が必要です。
すべての窓を覆っておくと、光と視線の両方を同時に遮れます。
窓の実寸は、シエンタの窓まわりのサイズで世代ごとに比べています。
泊まる場所は仮眠と宿泊を分けて選びます
道の駅は、国土交通省が24時間使える休憩施設と位置づけている場所です。
国土交通省は、運転の途中で疲れを取るための車内の仮眠はかまわないとしたうえで、駐車場など公共の場所での宿泊利用は基本的に遠慮するよう案内しています。
宿泊用の駐車スペースを別に設けている道の駅もあるため、使う前に各駅のホームページなどで確かめるよう求めています。
一晩をシエンタで過ごす計画なら、宿泊を受け付けている駐車スペースやキャンプ場を目的地の近くで先に押さえておくと、夜中に場所を探して移動しなくて済みます。
エンジンをかけたまま寝ないでください
冷暖房のためにエンジンをかけたまま眠るのは避けてください。
周囲への配慮という以前に、命に関わる危険があります。
雪の日はとくに危ない
排気口が雪でふさがると、排気ガスが車内へ戻ってきます。
一酸化炭素は色もにおいもないため、異変に気づかないまま進行します。
国土交通省も、マフラー付近を定期的に除雪し、窓を少し開けて換気するよう案内しています(出典:国土交通省 北陸地方整備局)。
雪が降る場所で車中泊をする予定なら、この1点だけは覚えておいてください。
電気は給電機能かポータブル電源で
ハイブリッド車には、車内でAC100Vが使えるコンセントをオプションで選べます。
走行機能を止めた状態で、合計1500W以下の電気製品を使える仕組みです。
コンセントはインパネと荷室右側の2か所で、ハイブリッド車のメーカーオプション(45,100円)のため、注文のときにしか付けられません。
ただしトヨタは、ハイブリッド車の非常時給電システムでは駆動用電池の残量が減るとエンジンが自動でかかることがあり、アイドリングストップ条例への配慮が必要だと案内しています(参考:トヨタの給電)。
雪で排気口がふさがるおそれがある夜は、給電を使う場合も、上で触れたマフラー付近の除雪と換気を続けてください。
ガソリン車を選ぶ場合や、後から必要になった場合はポータブル電源で補います。
シガーソケットから充電できるので、走っている間に減った分を足せます。
機種によっては別売りのケーブルが要ります。
ポータブル電源を選ぶなら、Jackery(ジャクリ)の公式サイトで容量ごとのモデルを比べられます。
給電の仕組みは、シエンタの非常時給電システムの解説が参考になります。
旧型170系を中古で探す場合
予算を抑えたい場合は、旧型も候補に入ります。
ただし、旧型は仕様によって向き不向きがはっきり分かれます。
5人乗りのFUNBASEを選ぶ
旧型で車中泊に向くのは、2列シート専用の仕様です。
畳んだときの長さが2,065mmほどあり、現行の5人乗りと同等以上でした。
床の段差も少なく、マットを敷けばそのまま使えます。
中古で探すときは、この仕様かどうかを車両の情報で確かめてください。
3列シート車は寝床にしにくい
旧型の6人乗りと7人乗りは、FUNBASEのような2列シート専用の荷室ではありません。
荷室の長さはシートの畳み方で変わるため、中古で見るときは実車の荷室を測ってください。
この仕様を車中泊のために選ぶ理由は、あまり見当たりません。
乗車定員を優先する事情がないなら、5人乗りを探すほうが近道です。
シエンタの車中泊に関するよくある質問
マットは車種専用でないと駄目ですか?
5人乗りなら汎用のマットでも足ります。
7人乗りは荷室の形が違うため、7人乗り対応と書かれた商品を選んでください。
子ども2人と大人2人で寝られますか?
4人が同時に横になるのは難しい広さです。
大人が前席を倒して休み、後ろを子どもに使ってもらう分け方が現実的です。
夏場はエアコンなしでも眠れますか?
標高や場所の条件しだいです。
平地の真夏は厳しいため、送風機と網戸を用意するか、涼しい時期に計画してください。
寝るときに荷物はどこへ置きますか?
小物は、荷室の床下にあるデッキアンダートレイに入れられます(5人乗り・7人乗りとも。ハイブリッドの5人乗りはFF車のみ)。
大きな荷物は運転席や助手席の足元に寄せると、寝る場所を広く使えます。
前席を倒して寝る方法もありますか?
ヘッドレストを外して後ろへ倒す形が用意されています。
仮眠には使えますが、一晩を過ごすなら後ろを寝床にしたほうが楽です。
シエンタの車中泊のまとめ
シエンタでの車中泊は、5人乗りか7人乗りかで手間がまったく変わります。
5人乗りは倒すだけで2m前後の床ができ、マットを1枚敷けば寝床になります。
7人乗りは公式の畳み方で荷室長が最大約1,525mmのため、1人で斜めに寝るか、7人乗り対応のキットを使う前提になります。
寸法は公表値を目安にして、買う前に荷室の実寸を測ってください。
夜は対角の窓を少し開け、光と視線を遮ると休みやすくなります。
エンジンをかけたまま眠らず、電気は給電機能かポータブル電源で用意します。

