シエンタでバッテリー上がりが起きて困っていませんか?突然エンジンがかからない、スマートキーが反応しないといった症状が出ると、出先や急いでいる時ほど焦ってしまいますよね。
シエンタはバッテリー上がりやすい構造なのか、あるいはシエンタのバッテリーの寿命が近いのか、さまざまな疑問が頭をよぎるかもしれません。
この記事では、シエンタのバッテリー上がりの主な原因と、その前兆となるメーターの警告表示について、深く掘り下げて解説します。
また、シエンタハイブリッドのバッテリー上がりの原因はガソリン車とどう違うのか、その仕組みにも触れていきます。
バッテリーが上がるとバックドアが開かなくなる問題についても、緊急時のトランク開け方を含めて紹介します。
さらに、シエンタのバッテリーの場所(位置)の具体的な確認方法から、救援を呼ぶべき状況の判断、そしてバッテリー上がりを自分で直す方法はどのようなものがあるか、安全で具体的なシエンタのバッテリーのつなぎ方、最後に復旧後の正しい充電方法まで、ステップバイステップで詳しくガイドします。
この記事を読めば、万が一の時も冷静に対処できるようになるはずです。
記事のポイント
- シエンタのバッテリー上がりの主な症状と原因
- ハイブリッド車とガソリン車のバッテリー場所
- 自分でできるバッテリー上がりの対処法とつなぎ方
- バッテリー上がりを防ぐための予防策と寿命の目安
シエンタのバッテリー上がりの主な症状と原因

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- バッテリー上がりの代表的な症状
- メーターに表示される警告灯の意味
- バッテリー上がりの一般的な原因
- シエンタハイブリッドのバッテリー上がりの原因は?
- シエンタはバッテリー上がりやすい?寿命は?
バッテリー上がりの代表的な症状
バッテリー上がりの最も一般的で分かりやすい症状は、エンジンがかからないことです。
これは、ガソリン車であればエンジンを始動させるスターターモーター(セルモーター)を回すための電力が、ハイブリッド車であればハイブリッドシステムを起動するための電力が、バッテリーから十分に供給されなくなるために起こります。
具体的には、エンジンスイッチ(パワースイッチ)を押したり、キースイッチを回したりしても、以下のような状態になります。
- 初期症状(弱っている):エンジンの始動音がいつもより弱々しい。「キュルキュルキュル…」という音が長く続く、または重々しくなる。
- 中期症状(上がりかけ):「カチカチ」「ジジジ」というリレー(継電器)の作動音だけが聞こえ、セルモーターが回らない。
- 末期症状(完全な上がり):エンジンスイッチを押してもメーターパネル(ディスプレイ)さえ点灯せず、完全に無反応になる。
エンジン始動以外にも、バッテリーの電力が弱ってくると車全体にさまざまな兆候が現れます。これらは、バッテリーが限界に近いことを示す重要なサインです。
- 灯火類の異常:ヘッドライトや室内灯(ルームランプ)がいつもより明らかに暗い。または、点滅するようにちらつく。
- 電装品の動作不良:パワーウィンドウの開閉速度が極端に遅くなる。
- スマートキーの不具合:スマートキー(ワイヤレスリモコン)でのドアロック解錠・施錠が反応しなくなる、または反応が著しく鈍くなる。(この場合、キー側の電池切れの可能性もあります)
- 電子機器の不安定化:カーナビゲーションやオーディオシステムが突然再起動したり、電源が落ちたりする。
これらの症状は、バッテリーの蓄電量が低下していることを明確に示しています。たとえその時はエンジンがかかったとしても、次に乗る時には完全に上がってしまう可能性が非常に高いため、早急な点検や対処が必要です。
メーターに表示される警告灯の意味
車のメーターパネル(インストルメントパネル)には、車の状態をドライバーに知らせるためのさまざまな警告灯があります。バッテリーに関連する警告灯は、赤いバッテリーの形をしたアイコン(充電警告灯)です。
この警告灯が点灯または点滅した場合、深刻なトラブルの可能性があります。
多くの方が誤解しがちですが、この警告灯は「バッテリーの残量が少ない」ことを直接示しているわけではありません。これは主に「充電システム(発電系統)の異常」を示しています。つまり、「バッテリーが正常に充電されていない」という警告です。
警告灯が示す主な異常
- オルタネーター(発電機)の故障:エンジンが回転していても発電していない。
- ファンベルトの緩みや切れ:オルタネーターを回すためのベルトが機能していない。
- 配線系統の異常:発電した電気がバッテリーに正常に送られていない。
走行中にこの警告灯が点灯した場合、それは「現在、発電が行われていない」ことを意味します。
この状態では、車はバッテリーに蓄えられた電気だけを使って走行していることになり、やがて全ての電力を使い果たし、走行中にエンジンが停止する非常に危険な状態につながります。
国土交通省も警告灯の意味を周知しており、このマークが点灯した場合は「ただちに安全な場所に停車して点検」するよう呼びかけています。
走行中にバッテリー警告灯が点灯したら
走行中にこの警告灯が点灯した場合は、パニックにならず、まずは安全を最優先してください。
- ただちに安全な場所(路肩や駐車場など)を探して車を停車させます。高速道路上の場合は、ハザードランプを点灯させ、発炎筒や停止表示器材を設置した上で、ガードレールの外側など安全な場所に避難してください。
- 電装品(エアコン、オーディオ、ヒーターなど)の電源をすべて切り、電力消費を最小限に抑えます。
- エンジンを停止します。(一度停止すると、再始動できない可能性が非常に高いです)
- 速やかにトヨタ販売店やJAF、自動車保険のロードサービスへ連絡し、救援を依頼してください。
なお、エンジンスイッチをONの位置にした際に一度点灯し、エンジン始動と同時に消灯するのは、警告灯のシステムが正常に作動しているかを確認するための動作であり、異常ではありません。
エンジン始動後も点灯したままの場合や、走行中に点灯した場合が問題です。
バッテリー上がりの一般的な原因

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バッテリー上がりは、車の使用状況やうっかりミス、メンテナンス不足など、さまざまな要因が組み合わさって発生します。根本的な原因は、電力の「消費」が「充電」を上回ってしまうことです。
車はエンジンが作動している間に発電機(オルタネーター)を回して発電し、その電力で電装品を動かしつつ、余った電力をバッテリーに充電します。しかし、エンジンが停止している間は充電が一切行われず、バッテリーの電力を消費する一方になります。
代表的な原因には以下のようなものがあります。
バッテリー上がりの主な4大原因
- ライト類の消し忘れ最も多く、基本的な原因です。ヘッドライトや室内灯(ルームランプ)、スモールランプ(車幅灯)、ハザードランプなどをつけっぱなしにしたまま車を離れると、バッテリーは電力を消費し続けます。特にヘッドライトは消費電力が大きいため、数時間でバッテリーが上がってしまうこともあります。
- 電装品の使い過ぎ(エンジン停止中)エンジンを停止した状態(アクセサリーモード[ACC]やイグニッションONモード)で、エアコンやカーナビ、オーディオ、ドライブレコーダーの駐車監視機能などを長時間使用すると、電力を大量に消費します。キャンプや車中泊などで使用する際は特に注意が必要です。
- 短距離走行の繰り返し(ちょい乗り)車のエンジンを始動する際には、スターターモーターを回すために非常に大きな電力を消費します。走行して充電が回復する前にエンジンを切る、という「ちょい乗り」(例:数分程度のスーパーへの買い物や送り迎え)を繰り返していると、消費電力が充電量を上回り、バッテリーが徐々に弱っていきます。
- 車両の長期放置車はエンジンを切っていても、時計、セキュリティシステム、コンピューター(ECU)のメモリ保持などのために常に微弱な電気(待機電力、暗電流)を消費しています。そのため、数週間から数ヶ月単位で車を全く動かさないと、この待機電力の消費とバッテリー本体の自然放電によって、蓄えられた電気が空になってしまいます。

シエンタハイブリッドのバッテリー上がりの原因は?
シエンタのハイブリッド車(HEV)には、その名の通り2種類のバッテリーが搭載されています。ここを理解することが、ハイブリッド車のバッテリー上がりを理解する鍵となります。
- 駆動用バッテリー:走行用モーターを動かすための高電圧(リチウムイオンやニッケル水素)の巨大なバッテリー。
- 補機バッテリー:ガソリン車のバッテリーと同じ役割を持つ、12Vの一般的なバッテリー。
ハイブリッド車が「バッテリー上がり」を起こした場合、問題となるのは後者の「補機バッテリー」です。
補機バッテリーの主な役割は以下の通りです。
補機バッテリーの重要な役割
- ハイブリッドシステムの起動:車全体のコンピューターやシステムを立ち上げる「起動スイッチ」の役割を果たします。
- 12V電装品への電力供給:カーナビ、ライト、エアコン、パワーウィンドウなど、車内のほとんどの電装品に電力を供給します。
- コンピューター類のメモリ保持:各種設定や学習値を記憶しておくために電力を供給します。
たとえ、走行用の大きな駆動用バッテリーに電力が満タンに残っていたとしても、この補機バッテリーの電力が尽きてしまうと、ハイブリッドシステム自体を起動する(メーターに「READY」インジケーターを点灯させる)ことができません。
結果として、ガソリン車がセルモーターを回せないのと全く同じように、「エンジンがかからない(システムが起動しない)」状態に陥るのです。

そして、この補機バッテリーが上がる原因は、ガソリン車とまったく同じです。ライト類の消し忘れ、電装品の使い過ぎ(特にハイブリッドシステムがOFFの状態での使用)、長期放置などが主な原因となります。
ハイブリッド車だからといって、バッテリー上がりの基本的な原因は変わらないのです。
シエンタはバッテリー上がりやすい?寿命は?
シエンタが他の車種と比べて構造的に特別バッテリー上がりしやすい、ということはありません。しかし、シエンタの一般的な使われ方には、バッテリーにとって厳しい条件が揃いやすい側面があります。
例えば、シエンタはコンパクトなファミリーカーとして非常に人気があり、その主な用途は「近所のスーパーへの買い物」や「家族の送り迎え」といった短距離走行がメインになりがちです。
前述の通り、このような走行時間が極端に短い「ちょい乗り」の繰り返しは、エンジン始動時の大きな電力消費を、走行中の充電でカバーしきれず、充電不足を招きやすい代表的なパターンです。
また、近年のシエンタ(ガソリン車)には、燃費向上のためにアイドリングストップ機能が搭載されています。
この機能は、信号待ちなどの停車時にエンジンを自動的に停止・再始動させますが、この「再始動」のたびにスターターモーターが作動し、バッテリーの電力を消費します。
市街地走行が多いと、この充放電のサイクルが非常に激しくなり、バッテリーへの負荷が通常より大きくなります。

バッテリーの寿命は、こうした使用状況や、お住まいの地域の気候(特に寒冷地はバッテリーの性能が著しく低下します)によって大きく変動しますが、一般的に約2年〜5年が交換の目安とされています。
トヨタ販売店やカー用品店などでは、安全マージンを見て「2〜3年ごと」または「車検ごと」の交換を推奨されることも多いです。
以下のような症状が出始めたら、バッテリーの性能が低下し、寿命が近づいている可能性があります。突然のトラブルを避けるためにも、早めに専門家による点検を受けましょう。
- エンジンのかかりが悪い、セルモーターの音が弱々しい
- アイドリングストップ機能が以前より作動しなくなった(バッテリー電圧の低下を検知し、システムが機能を自動停止させることがあります)
- ヘッドライトが走行中(アイドリング中)に暗く感じる
- パワーウィンドウの動きが遅い、または途中で止まりそうになる
シエンタのバッテリー上がりの対処法と予防策
- ガソリン・ハイブリッドのバッテリー場所
- バックドアが開かない時のトランク開け方
- バッテリー上がりを自分で直す方法は?
- 救援依頼とシエンタのバッテリーつなぎ方
- バッテリー上がり後の正しい充電方法
- シエンタのバッテリー上がりを防ぐ総まとめ
ガソリン・ハイブリッドのバッテリー場所
シエンタのバッテリー上がりにご自身で対処する、あるいは点検する際、まず知っておくべきことは「バッテリーの搭載位置」です。シエンタは、ガソリン車とハイブリッド車でバッテリーの場所が全く異なります。
対処法を誤ると重大な故障につながるため、ご自身の車のモデルを正確に把握してください。
それぞれの搭載位置は以下の通りです。
| モデル | バッテリーの種類 | 搭載場所 | 主な特徴 |
| ガソリン車 | メインバッテリー (12V) | エンジンルーム(ボンネット内) | 従来の車と同様、ボンネットを開ければ容易に確認できます。 |
| ハイブリッド車 | 補機バッテリー (12V) | ラゲージルーム(トランク)の床下 | トランクスペースの床下にあるカバーやトレイを外した内部に設置されています。(モデルや年式により、助手席側や中央など、トランク内での詳細な位置は異なる場合があります) |
ガソリン車は、ボンネットを開ければ従来の車と同様にバッテリーが確認できるため、ジャンプスタートや交換作業が比較的容易です。
一方、ハイブリッド車は、補機バッテリー本体が車内に設置されています。これは、バッテリーの温度管理や、バッテリーから発生するガスを車外に排出するための設計です。
ハイブリッド車の「救援用端子」とは?
ハイブリッド車は補機バッテリーがトランク内にありますが、バッテリー上がりの際にわざわざトランクの内装を剥がさなくても対処できるように、エンジンルーム(ボンネット内)に「救援用端子」が特別に設置されています。
これは通常、ヒューズボックスの中にあり、赤いカバーで覆われた「+(プラス)端子」です。ジャンプスタートを行う際は、この救援用端子を使用します。この点は後ほど詳しく解説します。
バックドアが開かない時のトランク開け方
バッテリーが完全に上がってしまうと、シエンタの便利なスマートキーシステムや電動スライドドア、そしてパワーバックドア(電動トランク)は一切反応しなくなります。電子ロックが解除できないため、ドアノブやスイッチを押しても開けることができません。
このような緊急時には、まず以下の手順で車内に入る必要があります。
1. メカニカルキーで運転席ドアを解錠する
- お手元のスマートキー(ワイヤレスリモコン)の側面や裏側にある解除ボタン(スライドレバー)を押しながら、内部に格納されている物理的な鍵、「メカニカルキー」を引き抜きます。
- 運転席ドアのドアノブにある(通常はカバーで隠されていますが、シエンタは露出している場合が多い)鍵穴にメカニカルキーを差し込み、手動で回して解錠します。(※この際、バッテリーと連動したセキュリティアラームが鳴ることがありますが、慌てず後の手順に進んでください)
これで、ひとまず車内に入ることができます。
2. トランク(バックドア)を開ける
次に、ハイブリッド車でトランク内のバッテリー本体を目視確認したい場合や、単純にトランクの荷物を取り出したい場合の対処法です。
パワーバックドアが作動しないため、車内(後部座席)からラゲージスペースへ移動し、バックドアの内側にある「緊急時解錠レバー(またはノブ)」を探して操作する必要があります。これは通常、小さなカバーで隠されており、マイナスドライバーなどでカバーをこじ開けて内部のレバーを操作することで、強制的にロックを解除できます。ただし、年式やグレードによっては装備が異なるため、車両の取扱説明書を確認してください。
パワーバックドアの手動開閉は危険
パワーバックドアが装備されている車種は、バッテリーが上がった状態で手動でこじ開けようとすると、電動ダンパーの抵抗が非常に強く、極端に重いか、大人の力でも開けられないことがあります。
無理に力を加えて開閉しようとすると、ダンパーやロック機構が破損し、高額な修理費用が発生する恐れがあります。
荷物の取り出しが急務でない限り、まずは次のステップであるジャンプスタートなどで電力を復旧させ、電子ロックを解除することを最優先してください。
バッテリー上がりを自分で直す方法は?
バッテリーが上がってしまった場合、適切な道具と正しい知識があれば、ご自身で一時的に復旧させることが可能です。主な方法は2つあります。
方法1:ブースターケーブルと救援車によるジャンプスタート
最も古くからある一般的な方法です。「ブースターケーブル」という赤と黒の2本の太いケーブルと、正常なバッテリー(12V)を積んだ「救援車」を用意します。
バッテリーが上がったシエンタと救援車のバッテリー(または端子)をケーブルでつなぎ、電力を分けてもらうことでエンジン(システム)を始動させます。
メリット:ブースターケーブルさえあれば(比較的安価)、他車の協力を得て復旧できる。
デメリット:救援車(12Vのガソリン車)を見つける必要がある。接続手順を誤ると火花が散ったり、両方の車のコンピューターを破損させたりする危険がある。
救援車の条件:救援車には、必ずシエンタと同じ12Vのガソリン車を使用してください。ハイブリッド車、電気自動車(EV)、24Vの大型トラックなどは、システムが異なるため救援車として使用できません。両方の車が故障する原因となります。
方法2:ジャンプスターターの使用
近年、主流になりつつある安全で手軽な方法です。「ジャンプスターター」は、車のエンジンを始動できるほどの大電流を一時的に流すことができる、高性能な携帯用バッテリー(モバイルバッテリーの大容量版のようなもの)です。
これがあれば、救援車がいなくても一人でエンジン(システム)を始動できます。
メリット:救援車が不要で、一人で作業が完結する。安全機能(逆接続防止など)が搭載された製品が多く、ブースターケーブルより安全性が高い。
デメリット:事前にジャンプスターター本体を充電しておく必要がある。購入費用がかかる(数千円〜)。

どちらの方法も、正しい手順で行うことが絶対条件です。特にハイブリッド車は手順が特殊なため、自信がない場合は、次の方法を選択してください。
救援依頼とシエンタのバッテリーつなぎ方

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ブースターケーブルを使ったジャンプスタートは、特にシエンタのハイブリッド車の場合、ガソリン車とは手順が大きく異なるため、細心の注意が必要です。
手順を誤ると、火花による火災や感電のリスクだけでなく、シエンタや救援車の高価な電子制御ユニット(コンピューター)を破損させる恐れがあります。
少しでも自信がない場合や、そもそも道具(ケーブルやジャンプスターター)を持っていない場合は、無理をせずプロに依頼するのが最も安全かつ確実な方法です。
主な救援依頼先
- JAF(日本自動車連盟):会員であれば、バッテリー上がりは無料(非会員でも有料で対応可能)。全国どこでも駆けつけてくれる安心感があります。(JAFの統計によると、2022年度のロードサービス出動理由の第1位は「バッテリー上がり」で、全体の約40%を占めています)
- 自動車保険(任意保険)のロードサービス:現在加入しているほとんどの自動車保険には、バッテリー上がり対応を含むロードサービスが無料で付帯しています。保険証券や契約者向けアプリで連絡先を確認しましょう。
- 近隣のトヨタ販売店や整備工場:営業時間内であれば、出張対応してくれる場合があります。
ご自身でブースターケーブルを使って行う場合の接続手順の概要は以下の通りです。(※必ず車両の取扱説明書で正しい手順を再確認してください)
シエンタ(ガソリン車)のつなぎ方
- 上がった車(シエンタ)のバッテリーの+端子に、赤のケーブルを接続します。
- 救援車のバッテリーの+端子に、赤のケーブルのもう一方を接続します。
- 救援車のバッテリーの-端子に、黒のケーブルを接続します。
- 上がった車(シエンタ)のエンジンルーム内にある「未塗装の金属部分」(エンジンのフックやボルトの頭など、バッテリーから離れた場所)に、黒のケーブルのもう一方を接続します。
- 救援車のエンジンをかけ、回転を少し高め(アクセルを踏む)にして、数分間待ちます。
- シエンタのエンジンを始動します。
- エンジンがかかったら、外すときは接続と逆の手順(4→3→2→1)で、慎重にケーブルを取り外します。
シエンタ(ハイブリッド車)のつなぎ方
【最重要】ハイブリッド車は、トランク内の補機バッテリー本体に直接ケーブルをつないではいけません。
感電や故障のリスクを避けるため、必ずエンジンルーム内の「救援用端子」を使用します。(出典:トヨタ自動車公式サイト Q&A)
- 上がった車(シエンタ)のボンネットを開け、ヒューズボックスのカバー(通常「FUSE BOX」などと記載)を外します。
- 中にある「救援用端子」(赤いカバーが付いた+端子)を見つけ、カバーを開けて赤のケーブルを接続します。
- 救援車のバッテリーの+端子に、赤のケーブルのもう一方を接続します。
- 救援車のバッテリーの-端子に、黒のケーブルを接続します。
- 上がった車(シエンタ)のエンジンルーム内にある「未塗装の金属部分」(バッテリーや救援用端子から離れたボルトなど)に、黒のケーブルのもう一方を接続します。
- 救援車のエンジンをかけ、回転を少し高め(アクセルを踏む)にして、約5分間待ちます。これは、シエンタの補機バッテリーをある程度充電するためです。
- 救援車のエンジン回転を維持したまま、シエンタのパワースイッチをONにし、メーターに「READY」インジケーターが点灯することを確認します。
- システムが起動したら、外すときは接続と逆の手順(5→4→3→2→1)で、慎重にケーブルを取り外し、ヒューズボックスのカバーを元に戻します。
手順を誤ると、高価なハイブリッドシステムやコンピューターが重大なダメージを受ける可能性があります。取扱説明書をよく確認するか、プロに依頼することを強く推奨します。
バッテリー上がり後の正しい充電方法
ジャンプスタートやジャンプスターターで無事にエンジン(ハイブリッドシステム)が始動できたら、絶対にすぐにエンジンを切ってはいけません。
ジャンプスタートは、あくまで始動のための一時的な電力供給(いわば「カンフル剤」)にすぎず、シエンタのバッテリー本体はまだ電力が空に近い状態です。このままエンジンを切れば、数分後にはほぼ確実に再びバッテリーが上がってしまいます。
エンジン(システム)がかかったら、ブースターケーブルやジャンプスターターを安全に取り外した後、そのまま最低でも30分〜1時間程度はエンジンを止めずに走行してください。
走行することで発電機(オルタネーター)が本格的に稼働し、空になったバッテリーが充電されます。
アイドリング充電よりも走行充電
エンジンをかけたまま停車(アイドリング)させておくだけでも充電はされますが、発電量は走行中に比べて少なくなります。また、アイドリングストップ機能が作動するとエンジンが止まってしまうため、一時的に機能をオフにするか、エアコン(A/C)をONにするなどしてエンジンが停止しないようにしてください。
可能であれば、不要な電装品(エアコン、オーディオなど)は切り、一定の速度で30分以上走行(ドライブ)することが最も効率的に充電できます。
ただし、これはあくまで応急処置です。一度でもバッテリー上がりを起こした(完全放電させた)バッテリーは、内部の電極板が「サルフェーション」という現象でダメージを受け、蓄電能力が著しく低下している(=実質的な寿命を迎えている)可能性が非常に高いです。
走行充電で一時的に復旧させた後は、その日のうちに、あるいはできるだけ早いうちにトヨタ販売店やカー用品店、整備工場などでバッテリーの専門的な点検(電圧だけでなく、内部抵抗などを測るテスターでの診断)を受けてください。
点検の結果、性能が低下していると判断された場合は、再度のトラブルを防ぐために、ためらわずに新品のバッテリーに交換することをおすすめします。

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シエンタのバッテリー上がりを防ぐ総まとめ
シエンタのバッテリー上がりについて、症状から原因、ご自身での対処法、そして専門家への依頼まで、詳しく解説しました。最後に、この記事の要点を総まとめします。万が一の時に備えて、このポイントを覚えておいてください。
シエンタのバッテリー上がりは、ライトの消し忘れや充電不足、特に短距離走行の繰り返しが主な原因で突然起こります。
エンジンがかからない、ライトが暗いといった初期症状を見逃さないことが大切です。バッテリーの寿命は一般的に2年~5年が目安とされています。
特にハイブリッド車の場合は「補機バッテリー」が上がるという特徴があり、バッテリーの場所もガソリン車(エンジンルーム)とは異なりトランクの床下に設置されています。この違いを理解しておくことが重要です。
万が一上がってしまった場合、バックドアは手動で開ける必要があります。対処法としてはジャンプスタートかジャンプスターターの使用が基本ですが、接続手順を誤ると故障の原因にもなります。
特にハイブリッド車は接続する場所(救援用端子)がガソリン車と異なるため、細心の注意が必要です。少しでも自信がなければ、JAFや自動車保険のロードサービスを呼ぶのが賢明な判断です。
無事に始動できた後も、すぐにエンジンを切らず30分以上は走行してバッテリーを充電してください。
ただし、一度上がったバッテリーは性能が著しく低下している可能性が高いため、再発防止のためにも、早めに専門店で点検・交換することを強くおすすめします。
今回のバッテリー上がりを機に、「そろそろ車の買い替え時かも…」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
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