シエンタはダイハツが作っている車なのか、ダイハツのOEM車なのかが気になっていませんか。
結論から言うと、シエンタはトヨタの車で、ダイハツの車をトヨタの名前で売るOEM車ではありません。
ただし初代シエンタは、途中からダイハツの京都工場でもトヨタから受託して生産されていて、これが「ダイハツ製」と言われる背景と考えられます。
この記事では、OEMかどうかの判断、世代ごとの生産工場、OEMと受託生産の違い、トヨタとダイハツの関係を順に整理します。
記事のポイント
- シエンタはトヨタの車で、ダイハツからのOEM車ではない
- 初代は2006年5月からダイハツ京都工場でも受託生産された
- 2代目と現行の3代目はトヨタ自動車東日本の宮城大衡工場で生産
- ライズやルーミーはダイハツからのOEM車で、シエンタとは仕組みが違う
シエンタはダイハツのOEM車ではない
シエンタがOEM車かどうかは、トヨタ自身の分類と、ダイハツ自身の説明を見ると判断できます。
「ダイハツの工場で作られたことがある」ことと「ダイハツのOEM車である」ことは、別の話です。
トヨタのOEM車の一覧にシエンタはない
トヨタは公式のよくある質問で、「他メーカーが製造し、トヨタ自動車で販売している車種」をOEM車として一覧にしています。
ライズとダイハツのロッキー、ルーミーとダイハツのトールなどが載っていますが、シエンタはこの一覧に入っていません。
トヨタ自身の分類でも、シエンタはダイハツから供給を受けているOEM車ではないということです。(参考:トヨタのよくあるご質問「OEM車には、どの様な車種がありますか?」)
ダイハツ製と言われるのは初代の受託生産から
ダイハツは、京都(大山崎)工場で「シエンタ」「ポルテ」などトヨタの小型車や商用車の受託生産を行ってきたと説明しています。(参考:ダイハツの京都工場に関するニュースリリース)
受託生産は、トヨタの車の組み立てをダイハツの工場が引き受けることで、ダイハツの車をトヨタの名前で売るOEMとは違います。
初代シエンタにダイハツの工場で作られた時期があることが、「シエンタはダイハツ製」と言われる背景と考えられます。
2025年3月28日のダイハツの発表では、京都工場で作っている車はプロボックスとトール・ルーミー・ジャスティで、シエンタは入っていません。(参考:ダイハツの工場稼働状況に関するニュースリリース)
世代ごとの開発と生産工場
シエンタの生産工場は、世代が変わるときに移っています。
| 世代 | 日本での発売 | 国内の生産工場 | ダイハツとの関係 |
|---|---|---|---|
| 初代 | 2003年9月 | トヨタの高岡工場、2006年5月からダイハツの京都工場も | 京都工場で受託生産 |
| 2代目(170系) | 2015年7月 | トヨタ自動車東日本の宮城大衡工場 | 生産での関わりは公式情報で確認できない |
| 3代目(10系) | 2022年8月 | トヨタ自動車東日本の宮城大衡工場 | 生産での関わりは公式情報で確認できない |
どの世代も、ダイハツの車をもとにしたOEM車として発売されたわけではありません。
初代は高岡工場からダイハツ京都工場へ
初代シエンタは、2003年9月の発売時にトヨタが「新型車シエンタを開発」したと発表し、生産工場はトヨタの高岡工場でした。
トヨタ自動車75年史の記録では、その後、高岡工場に加えて2006年5月からダイハツの京都工場も生産工場になっています。
京都工場での生産がいつまで続いたかは、公開されている公式の記録には書かれていません。
2代目と3代目は宮城大衡工場
2015年7月に発売された2代目は、トヨタが「トヨタ最小ミニバン」として開発した車で、生産工場はトヨタ自動車東日本の宮城大衡工場です。
トヨタ自動車東日本の沿革にも、2015年6月に「シエンタ生産開始」と記録されています。
2022年8月に発売された現行の3代目も、トヨタの発表で生産工場が宮城大衡工場と明記されています。
トヨタ自動車東日本はトヨタとは別の会社で、ヤリスやアクア、シエンタなどのコンパクト車の開発と生産を担うトヨタのグループ会社です。

世代ごとのサイズや装備の違いは、歴代のシエンタを比べた記事で紹介しています。
海外で生産されたシエンタ
海外では、インドネシアと台湾でシエンタが現地生産されたことが、各社の公式情報で確認できます。
インドネシアのトヨタの生産会社(TMMIN)は、2016年にシエンタの現地生産を始め、カラワンの第2工場で生産していました。
台湾の國瑞汽車も、2016年11月にシエンタの生産を始めたと沿革に記録しています。
どちらもトヨタ車を作る現地の会社で、ダイハツの工場ではありません。
現地での生産がいつまで続いたかは、公式の情報では確認できません。
OEMと受託生産の違い
トヨタとダイハツの間には、同じ「ダイハツの工場で作る車」でも、いくつかの形があります。
シエンタに関わるのは、次の2つの違いです。
- OEM:ダイハツが開発・生産した車を、トヨタが自社の名前で販売する
- 受託生産:トヨタの車として開発された車を、ダイハツの工場が引き受けて組み立てる
OEM車にはダイハツ側に同じ車があり、名前やエンブレムを変えてトヨタで売られます。
受託生産の車はトヨタの車そのもので、工場を運営する会社がダイハツというだけです。

トヨタのOEM車の一覧に載っている、ダイハツからの主な車は次のとおりです。
| トヨタの車 | ダイハツの車 | トヨタでの販売期間 |
|---|---|---|
| ライズ | ロッキー | 2019年11月〜 |
| ルーミー | トール | 2016年11月〜 |
| パッソ | ブーン | 2016年4月〜2023年9月 |
| タウンエース | グランマックス | 2008年1月〜 |
ライズは発売時の生産工場がダイハツの滋賀(竜王)工場で、トヨタはライズを「ダイハツよりOEM供給を受けている」車と説明しています。
2016年に発売された3代目のパッソも、トヨタの発表で「ダイハツ工業(株)が開発から生産まで一貫して担当」とされていました。
反対に、ダイハツの京都工場で作られているプロボックスは、トヨタの一覧ではトヨタが製造してほかのメーカーで販売する側に載っていて、OEM車としては扱われていません。
ライズとシエンタの使い勝手の違いは、シエンタとライズを燃費や荷室で比べた記事で紹介しています。
トヨタとダイハツの資本関係
ダイハツは、トヨタが全額を出資する完全子会社ですが、トヨタとは別の会社です。
両社の関係は、次のように深まってきました。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1967年 | トヨタとダイハツが業務提携の覚書に調印 |
| 1969年 | ダイハツの池田第2工場でトヨタのパブリカの受託生産を開始 |
| 1998年 | トヨタの51%の出資を受けて、ダイハツがトヨタの子会社になる |
| 2016年8月 | 株式交換で、ダイハツがトヨタの完全子会社になる |
完全子会社になったからといって、トヨタの車がすべてダイハツ製になったわけではありません。
ダイハツが作ってトヨタに供給するOEM車、トヨタの車をダイハツの工場が作る受託生産、トヨタのグループ会社が作る車が、車種ごとに分かれています。
シエンタとダイハツに関するよくある質問
中古の初代シエンタで、ダイハツの工場で作られた車を見分けられますか?
2006年5月からダイハツの京都工場でも生産されたことは記録にありますが、生産の終了時期や1台ごとの工場は、公開されている公式の資料では確認できません。
年式だけで、ダイハツの工場で作られた車かどうかを決めることはできません。
ダイハツにシエンタと同じ車はありますか?
トヨタのOEM車の一覧にシエンタは入っておらず、ダイハツがシエンタにあたる車をトヨタに供給しているという公式の情報はありません。
ダイハツの公式情報でシエンタが出てくるのは、京都工場で受託生産していた車としてです。
今のシエンタを作っている会社はどこですか?
現行の3代目シエンタはトヨタの車で、国内で生産しているのはトヨタのグループ会社のトヨタ自動車東日本です。
生産工場は宮城大衡工場で、ダイハツの工場では作っていません。
シエンタとダイハツの関係のまとめ
シエンタはトヨタの車で、トヨタのOEM車の一覧にも入っていないため、ダイハツのOEM車ではありません。
「ダイハツ製」と言われるのは、初代シエンタが2006年5月からダイハツの京都工場でも受託生産されたためです。
2代目と現行の3代目は、トヨタ自動車東日本の宮城大衡工場で生産されていて、現行のシエンタをダイハツが作っているわけではありません。
ライズやルーミーのようにダイハツの車をトヨタで売るOEM車と、シエンタの受託生産は仕組みが違う点を分けて考えてください。



