シエンタの購入を検討中の方へ。特に気になるのが、ベビーカーの荷室への乗せ方ではないでしょうか。
5人乗りと7人乗りのモデルで収納スペースがどう違うのか、縦置きや2台積みが可能なのか、またチャイルドシート設置時の影響や、安全な固定方法まで、シエンタ ベビーカーに関する疑問を徹底解説します。
記事のポイント
- 5人乗りと7人乗りの荷室サイズの違い
- ベビーカーの積み方パターン(縦置き・横置き)
- 3列目シート使用時の積載シミュレーション
- チャイルドシートと併用する場合の注意点
シエンタのベビーカーの積載容量を検証
- 5人乗りモデルの特徴
- 7人乗りモデルの特徴
- 5人乗りと7人乗りの荷室比較
- 3列目使用時のベビーカー収納
5人乗りモデルの特徴

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シエンタの5人乗り(2列シート)モデルは、乗車人数よりも荷室の広さや積載量を最優先したい方に最適な選択肢です。日常的に3人以上乗ることが少ない、あるいは週末のアウトドアや大きな買い物のためにスペースを確保したいファミリーに選ばれています。
最大の特徴は、2列目シートをダイブダウンさせた際に現れる広大な「フラットラゲージモード」にあります。この状態での荷室長は最大2,045mm(2メートル超)にも達し、コンパクトミニバンとは思えないほどのフラット空間が生まれます。
インプットされた情報によれば、新型シエンタでは2列目シートと荷室の隙間を埋めるフラットボードが採用され、フルフラット化が実現しました。これにより、車中泊用のマットを敷いたり、長尺物を積む際にも段差を気にする必要がありません。
この圧倒的な広さがあれば、大型のA型ベビーカーでも畳まずにそのまま積載できる可能性が高く、ロードバイクやマウンテンバイク(27インチサイズも可能)、キャンプ用品一式といった大きな荷物も余裕を持って積み込めます。
5人乗りの荷室スペック詳細
荷室フロア高(地面から荷台まで)は565mmと、後述する7人乗りに比べてやや高めの設定ですが、荷室高(室内の高さ)は1,055mmと十分確保されており、背の高い荷物も積載可能です。日常の買い物から本格的なアウトドアまで、荷室をアクティブに使い倒したいファミリーに最適な設計です。
また、3列目シートがない分、通常時(2列目シート使用時)でも荷室長は840mmと十分な奥行きがあります。この状態でも、畳んだベビーカーを積んだ上で、スーパーの買い物かごや週末のまとめ買いの荷物、スーツケースなどを同時に積載できる容量を持っています。
7人乗りモデルの特徴

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7人乗り(3列シート)モデルは、「普段は5人乗りとして広々使いつつ、いざという時には祖父母や友人を乗せたい」といった柔軟性(フレキシビリティ)を求めるファミリーに最適なモデルです。
最大の工夫は、秀逸な3列目シートの格納方法にあります。3列目シートは、2列目シートの下へすっきりと収納できるトヨタ独自の「ダイブイン格納」方式を採用。
インプット情報によれば、この操作は非常に軽く、女性や力の弱い方でも片手で簡単にシートアレンジが可能です。
この3列目シートを格納した「サードシートアレンジモード」では、荷室長990mmのフラットな荷室が出現します。この状態であれば、5人乗車しつつ、ベビーカーや大型のスーツケースなども楽に積むことができます。
5人乗りモデルの通常時(840mm)よりも広いスペースが確保できる点は見逃せません。
さらに、2列目シートも倒した「フラットラゲージモード」では、荷室長が1,525mmまで拡大します。5人乗りモデルの2,045mmには及びませんが、ゴルフバッグや小型の家具程度なら十分に積載可能なスペースです。
荷室フロア高の低さ(505mm)が最大の魅力
7人乗りモデルの特筆すべき点は、荷室フロア高(地面から荷台まで)がわずか505mmであることです。これは5人乗りモデルより60mmも低く設計されています。
この「あと6cm」が、日常生活において大きなメリットをもたらします。例えば、重い飲料のケース、お米の袋、折りたたんだ自転車、そしてベビーカー本体を積み込む際に、持ち上げる高さが低くて済むため、腰への負担が大幅に軽減されます。
5人乗りと7人乗りの荷室比較
5人乗りと7人乗りでは、全長・全幅・全高といったボディサイズは全く同じですが、室内空間の設計思想が異なります。特にベビーカー積載に直結する荷室の寸法には、下記のような明確な違いがあります。
両者の荷室関連スペックを比較表にまとめました。(数値はインプット情報に基づく)
| 比較項目 | 5人乗り(2列シート) | 7人乗り(3列シート) |
| 荷室フロア高(地面から) | 565mm (やや高め) | 505mm (非常に低い) |
| 荷室高(室内) | 1,055mm | 1,105mm (5人乗り+50mm) |
| 通常時 荷室長 | 840mm (2列目使用時) | 最大345mm (3列目使用時) |
| 最大荷室長 (フラット時) | 2,045mm | 1,525mm |
| 3列目格納時 荷室長 | 該当なし | 990mm |
どちらを選ぶべきか?
この表から分かる通り、選ぶ基準は明確です。
- 7人乗りがおすすめな方:「ベビーカーや重い荷物の積み下ろしの楽さ(フロア高の低さ)」を最優先する方。また、「5人乗車+ベビーカー」というシーン(荷室長990mm)を多用する方。時々でも6人以上乗る可能性がある方。
- 5人乗りがおすすめな方:「荷室の絶対的な奥行き(最大荷室長2,045mm)」を求める方。ベビーカー以外に自転車やキャンプ用品、車中泊グッズなど、大きな荷物を頻繁に積む方。乗車は5名以下と割り切れる方。
ご自身のライフスタイルで、どちらのメリットがより重要かを判断基準にしてください。
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3列目使用時のベビーカー収納

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7人乗りモデルを検討する上で、最もシビアに確認すべき点が、「7人フル乗車時(3列目シート使用時)にベビーカーが積めるのか」という点です。
結論から申し上げますと、3列目シートを使用した状態でのベビーカー積載は非常に困難であり、ほぼ不可能と考えた方が良いでしょう。
インプットされた情報によれば、3列目シート使用時の荷室長は最大でも345mm(約34.5cm)しか確保できません。
一方で、一般的なA型ベビーカーはもちろん、コンパクトさが売りのB型ベビーカーであっても、畳んだ状態の奥行き(または幅)は40cm前後ある製品がほとんどです。そのため、物理的にスペースが不足します。
縦置きも横置きも極めて困難
荷室の奥行きが345mmしかないため、畳んだベビーカーを横向きに寝かせて置くことはできません。では縦置きはどうかというと、3列目シートの背面(リクライニング)とリアハッチ(バックドア)がどちらも室内側に向かって傾斜しています。このため、ベビーカーを立てると上部がどちらかに干渉し、リアハッチが閉まらない可能性が極めて高いです。
7人乗車時は、「ベビーカーは積めない」と割り切るか、非常にコンパクトなタイプを足元などに置く(ただし安全性は推奨されません)ことを覚悟する必要があります。この点は、トヨタの公式ウェブサイトにあるシエンタの荷室・収納ページの寸法図なども確認し、ご自身のベビーカーが収まるか事前に確認することを強く推奨します。
シエンタのベビーカーの積み方と注意点
- 基本的なベビーカーの乗せ方
- ベビーカーの縦置きは可能か
- ベビーカーの固定方法と工夫
- ベビーカーを2台積む場合
- チャイルドシート設置時の影響
- シエンタ ベビーカー利用の総まとめ
基本的なベビーカーの乗せ方
シエンタの荷室を有効活用する、最もスタンダードなベビーカーの乗せ方は、利用シーンによって異なります。
7人乗りの場合(サードシートアレンジモード)
前述の通り、3列目シートを床下に格納(ダイブイン)させると、荷室長990mm、荷室高1,105mmの広大なスペースが生まれます。ここであれば、一般的なA型ベビーカーを畳まずにそのまま横向きで積載できるという情報があります。
もちろん、ベビーカーを畳んで横向きに置けば、空いたスペースに他の荷物を積む余裕が生まれます。
5人乗りの場合(ノーマルモード)
5人乗りは通常時(2列目シート使用時)でも荷室長が840mmあります。このスペースがあれば、ほとんどのベビーカーを畳んで横向きに積むことが可能です。こちらもベビーカーのタイプによっては、畳まずに積載することが可能な場合があります。
コ「畳まずに積める」という大きなメリット
子育て中のドライバーにとって、「ベビーカーを畳まずに積める」ことは、想像以上のメリットをもたらします。
例えば、雨の日に子どもを抱っこしながら、もう片方の手でベビーカーを畳み、車内に入れる…という動作は非常にストレスがかかります。シエンタの広い荷室(特に7人乗りのサードシートアレンジモードや5人乗りのノーマルモード)なら、畳まずにサッと荷室に押し込むだけで出発できます。この「時短」と「ストレス軽減」は、日々の運転において大きな心の余裕につながります。
ベビーカーの縦置きは可能か

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荷室のスペース効率を最大化するために「ベビーカーを縦置きしたい」と考える方も多いでしょう。特に、ベビーカー以外の荷物(例:灯油ポリタンク、買い物かご)も同時に積みたい場合に有効な手段です。
インプットされた情報によると、積載状況によって縦置きの可否が変わります。
- 3列目シート使用時:前述の通り、スペースの制約(奥行き345mm)から縦置きは不可能です。
- 3列目シート片側格納時:7人乗りモデルで3列目シートの片側だけを格納した場合、空いたスペースにベビーカーを縦置きで搭載することが可能です。これは「6人乗車+ベビーカー1台」という理想的な運用ができる、非常に便利なモードです。例えば、祖父母と両親、子ども2人(1人はベビーカー)といったお出かけにも対応できます。
- 3列目シート両側格納時:荷室が広くなるため縦置きも物理的には可能ですが、荷室が広すぎるために逆に安定性が悪くなります。この場合は、倒れにくい横置きの方が安全かつ合理的です。
縦置き時の安定性を必ず考慮しよう
縦置きはスペース効率が良い反面、走行中に倒れやすいという重大なデメリットがあります。特に3列目を片側格納して縦置きする場合は、急ブレーキや急カーブでベビーカーが転倒し、車内や他の荷物を損傷したり、最悪の場合リアハッチに衝突したりするリスクがあります。次の項目で解説する「固定」を必ずセットで行うようにしてください。
ベビーカーの固定方法と工夫

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走行中の急ブレーキやカーブ、あるいは万が一の追突時に、重量物であるベビーカーが荷室内で動くことは非常に危険です。しかし、インプットされた情報によれば、シエンタにはベビーカー専用の固定機能(専用フックやベルト)は標準装備されていません。
そのため、ドライバー自身が能動的に安全対策を講じる必要があります。
最も手軽で効果的なのは、市販の「結束ベルト」や「荷締めベルト」(ラゲッジネット)を使用して固定する方法です。
特に5人乗りモデル(Z、GグレードのFUNBASE)には、荷室の左右の壁に合計18個のユーティリティホール(フックやバーなどを装着できる穴)が標準装備されています。
これらを活用してベルトを通し、ベビーカーのフレームと車体を物理的に連結・固定することが強く推奨されます。
7人乗りモデルにはこのユーティリティホールがありませんが、荷室フロアに設置されているフックなどを利用して固定しましょう。
ベビーカーのタイヤストッパーだけでは不十分です
ベビーカー側のタイヤストッパー(ブレーキ)をかけるだけでは、安全対策として全く不十分です。車が急停止する際、ベビーカーには慣性の力が働き、ストッパーの摩擦力など簡単に超えて車内を移動してしまいます。
JAF(日本自動車連盟)も、「荷物の積み方」に関する警告の中で、重い荷物や不安定な荷物はしっかり固定するよう呼びかけています。ベビーカーも同様に、必ず車体側と物理的に固定してください。
ベビーカーを2台積む場合
双子のお子様がいるご家庭や、友人家族と合同で出かける場合など、ベビーカーを2台積むシーンも想定されます。シエンタの積載力で対応可能でしょうか。
双子用ベビーカー(2人乗り)の場合
双子用ベビーカーには「横2人タイプ」と「縦2人タイプ(タンデム)」があります。これらは畳んだ状態でもかなりの体積と重量になります。
シエンタの荷室幅は1,265mm確保されています。横2人タイプのベビーカーは、畳んだ状態の幅が750mm〜800mm程度のものが多いです。
そのため、7人乗りモデルで3列目を格納した状態(荷室長990mm)、あるいは5人乗りモデルの通常時(荷室長840mm)であれば、横向きに寝かせて積載することが十分可能です。
5人乗りモデルで2列目を倒したフラットラゲージモード(荷室長2,045mm)であれば、積載は全く問題ないでしょう。
通常のベビーカーを2台積む場合
5人乗りモデルで2列目シートを倒した「フラットラゲージモード」であれば、圧倒的なスペース(荷室長2,045mm)があるため、ベビーカー2台を積んでも、さらに他の荷物(旅行カバンなど)を積む余裕があります。
7人乗りモデルの場合、3列目を格納した「サードシートアレンジモード」(荷室長990mm)でも、積載は可能です。
ただし、スペースに限りがあるため、1台は横向きに寝かせ、もう1台は畳んでその上に重ねるか、隙間に立てかけるといった工夫が必要になります。他の荷物を積むスペースはかなり限られると認識しておきましょう。
チャイルドシート設置時の影響

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ベビーカーを利用する年齢の子どもは、同時にチャイルドシートの使用が法律で義務付けられています。このチャイルドシートの設置が、シエンタの使い勝手にいくつかの影響を与えます。
まず、国土交通省のウェブサイトにも明記されている通り、6歳未満の幼児を乗車させる場合はチャイルドシートの使用が必須です。
インプットされた情報(ショールームスタッフのブログ)では、2列目シートにジュニアシートとチャイルドシートの2台を設置している実例が紹介されており、シエンタの室内幅でも2台の設置は十分可能です。
ただし、特に7人乗りモデルにおいて、非常に重要な注意点があります。
最大の注意点:3列目へのアクセス問題
7人乗りモデルの大きな特徴は、2列目シートを前方に回転させて3列目への通路を作る「タンブル機構」です。しかし、この2列目シートにチャイルドシートを固定すると、安全上の理由からタンブル機構を使うことができなくなります。
その結果、3列目シートへの乗り降りが事実上、非常に困難になります。これが、シエンタを選ぶ上で最大のデメリットと感じる方もいます。(※ライバル車であるホンダ・フリードの6人乗りモデルは、2列目が独立したキャプテンシートであるため、中央が通路(ウォークスルー)になっており、チャイルドシートを設置したままでも3列目へアクセス可能です。)
チャイルドシートを常時2列目に設置する期間は、シエンタの7人乗りモデルは実質的に「3列目が使えない5人乗り」となると割り切るか、6人乗りのフリードと比較検討する必要があります。
シエンタの「3列目へのアクセス」が気になる方は、ライバル車のホンダ・フリード(6人乗り)の使い勝手も気になりますよね。
カーセンサーnetでは、シエンタとフリードの両方の在庫を簡単に比較検索できます。価格帯や装備の違いなどもチェックしてみてはいかがでしょうか。
シエンタのベビーカー利用の総まとめ
最後に、この記事で解説したシエンタとベビーカー積載に関する重要なポイントをまとめます。
シエンタのベビーカー積載は、5人乗りと7人乗りで特性が明確に異なります。5人乗りモデルは、最大荷室長2,045mmという圧倒的な広さが魅力であり、フルフラットになるため車中泊などにも対応しやすい設計です。
一方、7人乗りモデルは、荷室フロア高が505mmと非常に低く、ベビーカーの積み下ろしが楽な点が最大のメリットと言えるでしょう。3列目を格納すれば荷室長990mmと十分な積載力を確保できます。
ただし、7人乗りモデルで3列目シートを使用する場合、荷室長は最大345mmと非常に狭くなり、ベビーカーの積載はほぼ不可能です。基本的な乗せ方は、7人乗りなら3列目格納、5人乗りなら荷室に横置きとなります。
特に7人乗りの3列目格納時は、ベビーカーを畳まずに乗せることも可能です。また、スペース効率の良い縦置きは、7人乗りで3列目片側格納時(6人乗車時)に有効な手段となります。
注意点として、シエンタにはベビーカー専用の固定機能が標準装備されていないため、安全確保のため市販の結束ベルトなどの使用が推奨されます。双子用ベビーカーも3列目格納状態であれば積載できます。
しかし、7人乗りモデルでは、2列目にチャイルドシートを設置すると3列目へのアクセスが困難になるという大きな制約も存在します。
このように、シエンタ ベビーカーの利用シーンを具体的に想定し、ご自身の家族構成や荷物の量、チャイルドシートの使用状況を考慮して、最適なモデルを選ぶことが何よりも重要です。