人気のミニバン「シエンタ」について調べると、「シエンタ ダイハツ」という言葉を目にし、シエンタはどこのメーカーなのか、製造会社はどこなのかと疑問に思う方も多いようです。
特に、最近のニュースでダイハツが問題になった車種は何かという情報に触れ、シエンタとダイハツのOEM関係の有無や、過去のシエンタのダイハツ生産の経緯について、不安や関心が高まっています。
また、新型シエンタとダイハツの現在の関わりや、他にダイハツで作っているトヨタの車は何か、といった具体的な点も気になるところでしょう。
この記事では、シエンタ新型モデルの購入を検討している方や、すでにお乗りの方へ向けて、シエンタの価格やシエンタ中古車市場の動向、さらにはシエンタのエンジンがうるさいと感じる原因の考察まで、シエンタとダイハツの関連性を軸に、あらゆる疑問に答えていきます。
記事のポイント
- シエンタとダイハツの歴史的・現在の関係性
- シエンタがダイハツのOEM車ではない正確な理由
- ダイハツが生産する他のトヨタ車種一覧
- 新型シエンタの購入情報や関連する注意点
シエンタとダイハツの関係性を徹底解説
- シエンタはどこのメーカー?製造会社は?
- シエンタはダイハツOEM車なのか?
- シエンタのダイハツ生産はいつから?
- 新型シエンタとダイハツの現在の役割
シエンタはどこのメーカー?製造会社は?
結論から申し上げますと、シエンタはトヨタ自動車が開発・販売する車です。
シエンタは、初代から一貫してトヨタが日本のファミリー層に向けて企画・設計開発してきた、5ナンバーサイズのコンパクトミニバンです。したがって、シエンタの「メーカー」は紛れもなく「トヨタ」となります。
ただし、「製造会社」については、モデルの歴史の中で変更が加えられてきました。この点が「シエンタ=ダイハツ製?」という疑問を生む原因となっています。
まず、現行モデル(3代目・10系、2022年~)の生産を担当しているのは、トヨタ自動車東日本株式会社の宮城大衡工場です。ここはトヨタ自動車の100%子会社であり、東北地方におけるトヨタの主要な生産拠点の一つです。
シエンタの他にも、ヤリス、ヤリスクロス、カローラアクシオ、カローラフィールダーといった、トヨタの屋台骨を支えるコンパクトカーの生産を数多く手掛けています。(出典:トヨタ自動車東日本株式会社 公式サイト「生産拠点」)
一方で、過去のモデル(初代)がダイハツの工場で生産されていた時期があるため、「シエンタ=ダイハツ製」というイメージを持つ方もいらっしゃいます。しかし、あくまで開発・設計の主体はトヨタ自動車であることを理解することが重要です。
シエンタはダイハツOEM車なのか?
シエンタはダイハツのOEM車では一切ありません。この点は明確に区別する必要があります。
ここで「OEM(Original Equipment Manufacturing)」について、自動車業界における使われ方を整理しておきましょう。OEMとは、ある企業Aが開発・製造した製品(車)を、別の企業Bが自社ブランドの製品(B社の車名)として販売することです。
OEMの具体例:ルーミーとトール
- 開発・製造:ダイハツ(車名:トール)
- OEM供給を受け、販売:トヨタ(車名:ルーミー)
この場合、ルーミーは「ダイハツが開発・製造した車のOEM車」となります。車の設計や基本的な構造はトールと同一です。
シエンタの場合、開発・設計は初代から現行の3代目に至るまで、一貫してトヨタ自動車が行っています。トヨタが自ら生み出したトヨタのオリジナルモデルです。
ダイハツが開発した車をトヨタブランドで販売しているわけではないため、OEM車には全く当たりません。
次の項目で解説する「ダイハツ工場での生産」は、OEMとは異なり、あくまで製造ライン(工場)だけを委託する「委託生産」と呼ばれる形態です。設計図はトヨタが作成し、組み立て作業をダイハツの工場が担当した、という関係性になります。
シエンタのダイハツ生産はいつから?
シエンタがダイハツの工場で生産されていたのは、2003年に登場した初代モデル(NCP8#G系)の中期からです。
この経緯を時系列で整理します。
生産時系列
- 2003年9月~:初代シエンタ発売。当初はトヨタ自動車の高岡工場(愛知県豊田市)で生産されていました。
- 2006年5月~:マイナーチェンジを実施。このタイミングで、生産拠点がダイハツ工業の京都工場(京都府乙訓郡)へ移管されました。
- 2010年8月:販売不振などから、シエンタは一旦生産・販売を終了します。
- 2011年5月:東日本大震災の影響などによる市場の変化を受け、急遽シエンタの生産・販売が再開されます。この時も、引き続きダイハツ京都工場が生産を担当しました。
この「2006年から2015年までの期間」、シエンタがダイハツの工場で作られていたという事実が、「シエンタはダイハツ製」という認識が広まる大きな理由となりました。
補足:なぜダイハツ工場へ移管されたのか?
当時、トヨタはグループ全体での生産体制の最適化を推進していました。ダイハツは軽自動車や小型車の開発・生産において、コンパクトな設計や高いコスト競争力といった独自のノウハウを豊富に持っていました。
シエンタのような小型ミニバンの生産をダイハツに委託し、トヨタ本体の工場(高岡工場など)では、より大型の車種やグローバル戦略車の生産にリソースを集中させることが、グループ全体の効率化に繋がると判断されたためです。
この初代モデルのダイハツによる委託生産は、2代目シエンタが登場する2015年まで続きました。
なお、2015年7月に登場した2代目シエンタからは、生産がトヨタ自動車東日本の宮城工場へと戻っています。そして、その体制が現行の3代目シエンタにも引き継がれている、というのが現在の状況です。
新型シエンタとダイハツの現在の役割
現行モデルである新型シエンタ(3代目・10系)の開発・生産に、ダイハツは直接的には関与していません。
新型シエンタは、トヨタの新しい設計思想であるTNGA(Toyota New Global Architecture)に基づき、小型車用に開発された「GA-Bプラットフォーム」を採用しています。これは、現行のヤリスやアクアとも共通の車台(シャーシ)です。
この事実からも分かる通り、新型シエンタは最新のトヨタの技術と思想に基づいてトヨタが主導して開発したモデルであり、生産も前述の通りトヨタ自動車東日本(宮城大衡工場)が担当しています。

トヨタとダイハツの関係は、2016年8月にトヨタがダイハツの全株式を取得し、ダイハツがトヨタ自動車の完全子会社となったことで、新たな段階に入りました。
この統合により、グループ内での役割分担がより明確化されました。ダイハツは、トヨタグループの「小型車戦略」をグローバルに担う中核的な存在として位置づけられています。
軽自動車で培った「良品廉価」のものづくりや、低コストで高品質な小型車を開発するノウハウは、トヨタグループ全体の競争力強化に不可欠です。
シエンタという車種の直接的な開発・生産はトヨタ主導ですが、ダイハツが持つ小型車の開発ノウハウや低コスト化技術などが、グループ内での知見共有として、間接的にトヨタの車づくりに活かされている可能性は十分に考えられます。
しかし、少なくとも「新型シエンタはダイハツ製である」あるいは「ダイハツが開発に関わった」という認識は、現在の事実に反すると言えます。
シエンタ購入とダイハツ関連情報
- ダイハツで作っているトヨタの車は?
- ダイハツが問題になった車種は?
- シエンタ新型モデルのグレードと特徴
- シエンタの価格はいくらから?
- シエンタ中古車市場の価格相場
- シエンタのエンジンがうるさい時の原因
- シエンタとダイハツの関係まとめ
ダイハツで作っているトヨタの車は?
シエンタは現在ダイハツ製ではありませんが、ダイハツが開発・生産を担当し、トヨタブランドで販売されている車(OEM供給車)や、開発はトヨタだが生産のみダイハツが担当している車(受託生産車)は多数存在します。
これらは主に、ダイハツが得意とする軽自動車やコンパクトカーです。トヨタとダイハツの深い関係性を理解する上で、これらの車種を知っておくことは非常に重要です。
以下に、ダイハツが関与している主なトヨタ車(2025年10月現在)をまとめました。
| 形態 | トヨタ車名 | ダイハツ車名(ベース車両) | カテゴリ |
| OEM供給 (開発・生産:ダイハツ) | ルーミー | トール | コンパクトトールワゴン |
| OEM供給 (開発・生産:ダイハツ) | ライズ | ロッキー | コンパクトSUV |
| OEM供給 (開発・生産:ダイハツ) | パッソ(2023年生産終了) | ブーン(2023年生産終了) | コンパクトカー |
| OEM供給 (開発・生産:ダイハツ) | コペン GR SPORT | コペン | 軽スポーツカー |
| OEM供給 (開発・生産:ダイハツ) | ピクシス エポック | ミライース | 軽セダン |
| OEM供給 (開発・生産:ダイハツ) | ピクシス ジョイ(2023年生産終了) | キャスト | 軽トールワゴン |
| OEM供給 (開発・生産:ダイハツ) | ピクシス バン | ハイゼット カーゴ | 軽商用バン |
| OEM供給 (開発・生産:ダイハツ) | ピクシス トラック | ハイゼット トラック | 軽トラック |
| 受託生産 (開発:トヨタ / 生産:ダイハツ) | プロボックス | ー | 商用バン |
このように、トヨタのラインナップのうち、特に軽自動車(「ピクシス」を冠するシリーズ)の全ラインナップや、「ライズ」「ルーミー」といった大ヒットコンパクトカーは、ダイハツのOEM供給によって支えられていることが明確に分かります。
ダイハツが問題になった車種は?

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2023年12月、自動車業界全体を揺るがす大きな問題が発覚しました。ダイハツ工業による認証申請における大規模な不正問題です。
これは、第三者委員会の調査により、衝突安全試験や排ガス・燃費試験など、国の型式指定(認証)を取得するプロセスにおいて、長期間にわたり広範囲な不正行為(データの改ざん、不正な試験方法の実施など)が行われていたことが明らかになったものです。(出典:国土交通省 報道発表資料「ダイハツ工業(株)の型式指定申請における不正行為について」)
この重大な問題を受け、国土交通省はダイハツに対し、当時生産していた全車種の出荷停止を指示しました。これには、ダイハツブランドの車だけでなく、トヨタやスバルへOEM供給していた車種も含まれます。
データベース情報にもある通り、トヨタブランドの車では、前述の表にもある「ルーミー」や「ライズ」、「プロボックス」、そして商用車の「タウンエース(ダイハツのインドネシア製「グランマックス」がベース)」なども対象となり、一時的に生産・出荷が完全にストップする事態となりました。
シエンタは不正問題の対象外です
シエンタの購入を検討されている方が最も気にされる点かと思いますが、結論として、現行のシエンタ(3代目・10系)は、この認証不正問題における出荷停止の対象車種には一切含まれていません。
その理由は、これまでに解説してきた通りです。
- 現行シエンタはトヨタ主導で開発された車であること。
- 生産工場がダイハツではなく、トヨタ自動車東日本(宮城大衡工場)であること。
つまり、シエンタはダイハツの認証プロセスを経ていないため、この問題とは無関係です。
シエンタとダイハツの過去(初代)の関係を知っていると不安になるかもしれませんが、現行モデルの購入に関しては安心してよいでしょう。
シエンタ新型モデルのグレードと特徴

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現行の新型シエンタ(3代目)は、大きく分けて「Z」「G」「X」の3つのグレードが設定されています。この3グレードを基本に、それぞれガソリン車とハイブリッド車があり、駆動方式(2WD/E-Four)、乗車定員(5人乗り/7人乗り)が細かく選べる構成です。
各グレードの主な特徴と装備の違いを簡潔にまとめました。
| グレード | 主な特徴・位置づけ | ヘッドランプ | ホイール | パワースライドドア |
| Z | 最上位モデル。 快適装備と先進機能が充実し、内外装の質感も高い。ハンズフリー機能付きパワースライドドアなど利便性も最高。 | Bi-Beam LED (オートレベリング機能付) | 15インチスチール (樹脂フルキャップ[Z専用デザイン]) | 両側(ハンズフリー) |
| G | スタンダードモデル。 必要な装備がバランス良く揃い、コストパフォーマンスに優れる売れ筋。 | 2灯式LED (マニュアルレベリング機能付) | 15インチスチール (樹脂フルキャップ) | 両側(挟み込み防止機能付) |
| X | エントリーモデル。 シンプルな装備で価格を抑えている。福祉車両(ウェルキャブ)のベース車にもなる。 | 2灯式LED (マニュアルレベリング機能付) | 15インチスチール (樹脂フルキャップ) | 助手席側のみ(運転席側はオプション) |
(参照:シエンタ グレード・価格 | トヨタ自動車WEBサイト)
「Z」は、最上位グレードとして内装のファブリック素材が上質になるほか、ステアリングヒーターや10.5インチの大型ディスプレイオーディオ(オプション)が選べるなど、質感と快適性を追求する方向けです。
「G」は、ファミリーカーとして必要な両側パワースライドドアや安全装備「トヨタセーフティセンス」が標準装備となっており、価格と装備のバランスが最も取れた実用的なグレードと言えます。
「X」は価格が魅力ですが、運転席側のパワースライドドアがオプション設定である点など、装備を厳選しているため、ご自身の必要な装備をしっかり確認することが重要です。
シエンタの価格はいくらから?
新型シエンタの価格は、前述のグレード、パワートレイン(ガソリン/ハイブリッド)、駆動方式(2WD/E-Four)、乗車定員(5人/7人)の組み合わせによって幅広く設定されています。
公式サイト(2025年10月時点)によると、メーカー希望小売価格(税込)のスタート価格は以下のようになっています。
- Xグレード(エントリー): 約207万円(ガソリン・2WD・5人乗り)~
- Gグレード(スタンダード): 約242万円(ガソリン・2WD・5人乗り)~
- Zグレード(最上位): 約273万円(ガソリン・2WD・5人乗り)~
最も価格が高い組み合わせの一つは、「Z」グレードのハイブリッド・E-Four(4WD)・7人乗りで、約332万円となります。これにオプションなどを追加していく形です。
上記の価格はあくまでも車両本体価格です。実際の購入時には、これに加えて以下の費用が別途必要になります。
購入時の注意点:総額で考えよう
- オプション費用:カーナビ(ディスプレイオーディオの機能追加費)、ETC、フロアマット、ドライブレコーダーなど
- 法定費用(税金・保険):自動車税(環境性能割)、自動車重量税、自賠責保険料、リサイクル料金など
- 諸費用(手数料):登録手数料、車庫証明手数料など
一般的に、車両本体価格に加えて数十万円程度の諸費用・オプション費用がかかると想定し、支払総額で予算を組むことが重要です。
シエンタ中古車市場の価格相場
シエンタは新車だけでなく、中古車市場でも非常に人気が高く、リセールバリュー(再販価値)も安定しているモデルです。
データベース情報(カーセンサー、2025年10月時点)によると、現行の3代目シエンタ(2022年8月~)の中古車平均価格は約281.9万円、価格帯は約1万円~409.9万円となっています。
価格帯の下限が極端に低いのは、オークション出品や修復歴ありなど特殊な条件の車両が含まれるためと考えられます。
実際には、2022年以降の現行モデルは、新車の納期が不安定だった時期の影響もあり、中古車でも非常に高い価格で安定しているのが実情です。
未使用車や低走行車は、新車価格とほとんど変わらないか、オプションによっては新車を超える価格(プレミア価格)で取引されているケースも少なくありません。
一方で、2代目シエンタ(2015年~2022年)も市場には非常に多く流通しており、こちらは価格帯がこなれてきており、比較的狙い目と言えます。
室内の使い勝手やシートアレンジの秀逸さは2代目も非常に完成度が高いため、予算を抑えたい場合は、走行距離や年式のバランスを見ながら2代目の中古車を探すのも有力な選択肢となるでしょう。
シエンタのエンジンがうるさい時の原因
シエンタの購入を検討する際や、既にお乗りの方が「シエンタのエンジンがうるさい」と感じる場合、それは「車の特性」によるものと、「何らかの異常」によるものの2種類に大別されます。
車の特性による音
シエンタは、ガソリン車・ハイブリッド車ともに1.5Lエンジンを搭載しています。これは車のサイズ(特に7人乗りで多人数乗車した場合)や重量に対して、比較的小さめの排気量と言えます。
そのため、急な登坂路や高速道路での合流・追い越し時など、大きなパワーが必要な場面では、エンジン回転数を高く保つ必要があります。
その結果、「ウーン」という唸るようなエンジン音が室内に響きやすく、人によっては「うるさい」と感じやすい特性があります。これは故障ではありません。
特にハイブリッド車の場合、普段が非常に静かな(モーター走行時)ため、発電や急加速のためにエンジンが始動した際の音の変化が際立って大きく感じられることもあります。
点検・修理が必要な異音
以前と比べて明らかに音が大きくなった場合や、「いつもと違う音」がする場合は、何らかのトラブルの兆候である可能性があります。
異音のセルフチェックポイント
1. エンジンオイルの不足や劣化
音の種類:「ガラガラ」「カチカチ」「カラカラ」
最も一般的で、確認しやすい原因です。オイルが減っていたり、交換時期を過ぎて劣化したりすると、エンジンの潤滑性能が著しく低下し、金属部品同士が擦れ合う音(タペット音など)が大きくなります。定期的なオイル交換は、静粛性を保つ上で最も重要です。
2. マフラーや排気系の異常
音の種類:「ボーボー」「バラバラ」
マフラーにサビや腐食で穴が開くと、排気ガスがそこから漏れ、消音されずに大きな音となって響きます。特に雪国で融雪剤の影響を受ける地域や、沿岸部で塩害の影響を受けやすい地域では注意が必要です。
3. ファンベルトの緩みや劣化
音の種類:「キュルキュル」「キーキー」
エンジン始動時やエアコン作動時、加速時に甲高い異音がする場合は、ファンベルトの緩みや劣化が疑われます。放置するとベルトが切れ、発電機(オルタネーター)やウォーターポンプが停止し、オーバーヒートや走行不能に陥る危険な状態につながります。
4. 経年劣化によるエンジン部品の摩耗
音の種類:「カチカチ」(常に鳴る)
走行距離が10万kmを超えてくると、エンジン内部のピストンやバルブといった部品が摩耗し、部品同士の隙間(クリアランス)が大きくなることで、打音が発生しやすくなります。これは修理に高額な費用がかかるケースがあります。
異音は車からの重要なサインです。「いつもと違うな」と感じたら、放置せずに早めにディーラーや信頼できる整備工場に相談しましょう。
シエンタとダイハツの関係まとめ
この記事で解説してきた「シエンタとダイハツの関係」について、重要なポイントを文章でまとめます。
まず結論として、シエンタのメーカーは「トヨタ自動車」です。シエンタはトヨタが自ら開発・設計したオリジナル車種であり、ダイハツ製の車ではありません。もちろん、ダイハツが開発したOEM車でもありません。
現在の生産拠点については、現行の3代目新型シエンタ、および先代の2代目シエンタも、一貫してトヨタ自動車東日本の宮城大衡工場で生産されています。
ではなぜ「シエンタ=ダイハツ製」というイメージが一部で存在するのかというと、その理由は初代モデルにあります。
初代シエンタは、2006年から2015年までの期間、グループ内での生産効率化の一環として、ダイハツの京都工場で「委託生産」されていた時期がありました。これがOEMと混同され、誤解の原因となっています。
ダイハツは2016年からトヨタの完全子会社としてグループの小型車戦略を担っており、実際に「ライズ」や「ルーミー」、軽自動車の「ピクシス」シリーズなどは、ダイハツが開発・生産するトヨタ向けのOEM車です。
2023年にダイハツの認証不正問題が発覚した際、これらのOEM車は出荷停止対象となりましたが、シエンタはトヨタの工場で生産され、ダイハツの認証プロセスを経ていないため対象外でした。この観点からも、新型シエンタの購入は安心して検討できると言えます。
補足として、シエンタのエンジン音は車の特性として加速時に大きくなりやすい傾向がありますが、「ガラガラ」「キュルキュル」といった普段と異なる異常な異音がする場合は、オイルやベルト類の点検を早めに行いましょう。