シエンタJUNOは、後席をなくして2人乗りにしたコンプリートカーです。
車内に家具を組み込んで、カフェにも寝室にも仕事場にも変えられる点が売りになっています。
ただし4ナンバー登録になるため、税金と車検の条件が通常のシエンタと変わります。
この記事では、公式の価格と荷室寸法をもとに、通常の5人乗りを買って後から同じ用途にする場合と比べます。
記事のポイント
- 車両価格は3,713,600円からで家具は別売り
- 自動車税は年22,500円安くなる
- 重量税の軽減は受けられず車検は毎年になる
- 荷室の広さ自体は通常の5人乗りのほうが上
シエンタJUNOとは何か
まず、この車がどういう成り立ちなのかを確認します。
通常のシエンタとは登録区分から違います。
後席をなくした2人乗りの4ナンバー車
JUNOは、トヨタとモデリスタが共同で仕立てたコンプリートカーです。
2列目と3列目を取り払い、運転席と助手席だけを残しています。
乗車定員は2名で、登録は4ナンバーの小型貨物になります。
最大積載量は250kgで、車検証の内容はベース車両と別物になります。
後席があった場所には、専用のフロアとサイドトリムが架装されています。
価格は371万円から
メーカー希望小売価格は次の通りです。
| 駆動方式 | 車両本体価格 | 車両重量 |
|---|---|---|
| 2WD | 3,713,600円 | 1,360kg |
| E-Four | 3,928,100円 | 1,420kg |
いずれも税込で、家具の代金は含まれていません。(出典:トヨタ シエンタ“JUNO”)
この価格に家具モジュールとリサイクル料金11,940円、諸費用が加わります。
家具まで揃えると、総額は400万円前後になると考えておいてください。
ベースはハイブリッドのZ
ベース車両はハイブリッドの最上級グレードであるZです。
そのため装備は充実していますが、ガソリン車を選ぶことはできません。
パワートレインの選び方は、ガソリンとハイブリッドを比べた記事で整理しています。
荷室と家具モジュール
JUNOの中身を数値で見ていきます。
ここが通常モデルとの一番の違いです。
荷室は長さ1,955mm・幅995mm
後席を取り払った荷室の寸法は次の通りです。

| 項目 | 寸法 |
|---|---|
| 荷室長 | 1,955mm |
| 荷室幅 | 995mm |
| 荷室高 | 1,210mm |
| フロア高 | 540mm |
長さ1,955mmは、身長170cm台の大人が足を伸ばして横になれる寸法です。
E-Fourはフロア高が560mmになり、天井サーキュレーターを付けると荷室高が1,130mmに下がります。
家具モジュールは5種類
車内に組み込む家具は、販売店オプションとして単品でも買えます。
| 名称 | サイズ | 価格 |
|---|---|---|
| ベースモジュール | W400×D400×H120mm | 69,300円 |
| ベースモジュール ラージ | W400×D400×H240mm | 72,600円 |
| クッションモジュール | W400×D400×H70mm | 20,900円 |
| サイドテーブル | W400×D250mm | 31,900円 |
| ワークテーブル | W980×D350mm | 44,000円 |
床とサイドトリムにはJUNOロックというスライド式の溝があります。
工具を使わずに差し込んでずらすだけで固定でき、並べ替えも数分で終わります。
4つのセットから選べる
単品で揃えるより、用途別のセットのほうが分かりやすくなっています。
| セット | 構成 | 価格 |
|---|---|---|
| チル | サイドテーブル1・ラージ1・ベース1・クッション2 | 165,000円 |
| リフレッシュ | ベース4 | 220,000円 |
| フォーカス | ワークテーブル1・ラージ1・ベース2・クッション2 | 231,000円 |
| コンフォート | サイドテーブル2・ラージ1・ベース4 | 330,000円 |
車中泊が目的なら、ベースモジュール4個で床を埋めるリフレッシュが基本形になります。
ただしモジュールの表面は樹脂加工の板なので、寝るならマットが要ります。
純正のエアスリープマットは22,000円ですが、市販品でも荷室幅995mmに収まるものなら使えます。
\ 板の上では眠れない /
幅90cmの製品なら荷室幅に収まりますが、購入前に自分の使い方で寸法を確かめてください。
走行中は荷室に乗れない
忘れやすいのが、荷室の使い方に法令上の制限があることです。
荷室を使えるのは駐車しているときだけです。
走行中に荷室へ人が乗ることは、原則として法令で禁じられています。
また家具モジュールは車の部品ではなく積載物の扱いなので、車検のときは全部降ろす必要があります。
4ナンバーで維持費はどう変わるか
ここが購入前に一番誤解されやすい部分です。
安くなる項目と、高くなる項目の両方があります。
自動車税は年22,500円安くなる
自動車税は、乗用車が排気量、貨物車が最大積載量で決まります。

| 区分 | 該当 | 年税額 |
|---|---|---|
| 自家用乗用(1.5L以下) | 通常のシエンタ | 30,500円 |
| 自家用貨物(積載1t以下) | JUNO | 8,000円 |
毎年22,500円の差が出るため、ここだけを見れば大きな節税に見えます。
重量税の軽減は受けられない
ところが自動車重量税では逆の扱いになります。
公式サイトには、JUNOは自動車重量税などの軽減措置の対象外だと明記されています。
通常のハイブリッド車はエコカー減税で購入時の重量税が免除されます。
JUNOは架装車として持ち込み登録されるため、この免除を受けられません。
減税の全体像は、シエンタの税制優遇を整理した記事で確認できます。
車検は10年で4回多い
決定的な差になるのが車検の間隔です。
| 区分 | 初回 | 2回目以降 | 10年間の回数 |
|---|---|---|---|
| 自家用乗用 | 3年 | 2年ごと | 4回 |
| 貨物(総重量8t未満) | 2年 | 1年ごと | 8回 |
車検のたびに基本整備費用と代行手数料がかかります。
1回あたり数万円とすると、自動車税で浮いた分はほぼ相殺される計算になります。
通常の5人乗りと比べる
では通常のシエンタを買って、後から同じ使い方をする場合はどうか。
寸法と金額の両方で比べます。
荷室は5人乗りのほうが広い
意外に思われますが、荷室そのものは通常の5人乗りが上回ります。
| 項目 | JUNO | 5人乗り(すべて格納) |
|---|---|---|
| 荷室長 | 1,955mm | 2,045mm |
| 荷室幅 | 995mm | 1,265mm |
| 荷室高 | 1,210mm | 1,055mm |
JUNOの幅が狭いのは、専用サイドトリムを内側に張っているためです。
広さを求めて選ぶ車ではない、という点を先に理解しておく必要があります。
通常モデルの寸法は、シエンタのサイズをまとめた記事で詳しく扱っています。
差額は約57万円
JUNOのベースであるハイブリッドZの5人乗り2WDは3,142,700円です。
JUNOの3,713,600円との差は570,900円になります。
車中泊向けのリフレッシュを加えると、差は約79万円まで広がります。
グレードごとの価格差は、シエンタの新車価格をまとめた記事で比べられます。
後付けキットという選択肢
通常の5人乗りに、市販の車中泊キットを組む方法もあります。
床と収納を組み込むキットは、おおむね60万円前後で販売されています。
調べていて効いてくると感じたのは、金額そのものより登録区分の違いでした。
後付けなら5ナンバーのまま2年車検で、5人乗れる状態にも戻せます。
どちらを選ぶべきか
ここまでの内容を、選ぶ側の条件に置き換えます。
判断の軸は、後席を完全に捨てられるかどうかです。
JUNOが向いている人
次に当てはまるなら、JUNOを選ぶ意味があります。
- 乗るのは基本的に2人まで
- 後席を使う予定が今後もない
- 組み立てや加工に手間をかけたくない
- 内装の質感と統一感を重視する
- 毎年の車検を許容できる
メーカーが仕上げた架装なので、強度も見た目も自作とは別物です。
手を動かさずに完成した空間が手に入る点が、この車の対価に見合う価値です。
通常モデルが向いている人
一方で、次のどれかに当てはまるなら通常モデルが無難です。
- 3人以上で乗る可能性が残っている
- 荷室の広さを最優先したい
- 車検の手間と費用を抑えたい
- 将来売るときの買い手の多さを気にする
- 車中泊は年に数回で足りる
車内で寝る前提なら、シエンタの窓サイズをまとめた記事もあわせて確認してください。
シエンタJUNOに関するよくある質問
シエンタJUNOの価格はいくらですか?
車両本体価格は2WDが3,713,600円、E-Fourが3,928,100円です。
家具モジュールは別売りで、セットなら165,000円から330,000円が加わります。
シエンタJUNOは維持費が安くなりますか?
自動車税は年22,500円安くなりますが、重量税の軽減は受けられません。
車検が毎年になるため、総額では安くならない可能性が高くなります。
シエンタJUNOで車中泊はできますか?
荷室長が1,955mmあるため、大人が足を伸ばして横になれます。
ベースモジュール4個で床を埋めたうえで、マットを敷いて使う形になります。
シエンタJUNOは後から4人乗りにできますか?
乗車定員2名の4ナンバー車として登録されているため、そのままでは増やせません。
人数が増える可能性があるなら、通常モデルを選ぶほうが安全です。
走行中に家具モジュールへ座れますか?
走行中に荷室へ人が乗ることは、原則として法令で禁じられています。
荷室を使えるのは駐車しているときだけです。
車検のときに家具はどうなりますか?
家具モジュールは車両部品ではなく積載物のため、すべて降ろして受検します。
工具なしで着脱できる構造なので、作業自体は難しくありません。
まとめ|シエンタJUNOの選び方
シエンタJUNOは後席をなくした2人乗りのコンプリートカーです。
車両価格は2WDで3,713,600円、家具まで揃えると総額は400万円前後になります。
荷室は長さ1,955mm、幅995mm、高さ1,210mmで、大人が足を伸ばして寝られます。
4ナンバー登録により自動車税は年22,500円安くなります。
その一方で重量税の軽減は受けられず、車検も毎年になるため総額では安くなりません。
荷室の広さだけを見れば、通常の5人乗りのほうが長さも幅も上回ります。
それでもJUNOを選ぶ理由は、メーカーが仕上げた常設の空間と工具のいらない家具にあります。
後席を使う可能性が少しでも残るなら、通常の5人乗りに後付けする道のほうが向いています。
装備や価格は改良で変わることがあるため、契約前に最新の内容を公式サイトで確認してください。
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