シエンタ“JUNO”は、ハイブリッドのZをもとに後ろの席を取り外し、荷室に家具を組み込めるようにした2人乗りのコンプリートカーです。
2025年8月5日に発売され、2026年8月時点のトヨタ公式の価格は2WDが3,713,600円、E-Fourが3,928,100円です。
4ナンバーの貨物車として登録されるので、自動車税は年8,000円に下がる一方、車検は2年目から毎年になります。
後ろの席を使う日が少しでも残るなら、通常のシエンタに車中泊キットを付けるほうが、総額でも使い道の広さでも有利です。
記事のポイント
- 2025年8月5日発売、2026年8月の改良後は2WDで3,713,600円(家具は別売り)
- 乗車定員が2名なので、自動車税は貨物の区分の年8,000円で14,300円ではない
- 車検は初回2年・その後は毎年、重量税などの軽減措置は対象外
- 「ユルト」はJUNOの別名ではなく、通常のシエンタに付ける車中泊キットの会社名
シエンタJUNOとは|後ろの席がない2人乗りの4ナンバー車
JUNOは通常のシエンタのグレードの1つではなく、架装した状態で売られる専用の車です。
成り立ちと価格を先に押さえると、通常のシエンタと比べるときの前提がそろいます。
ハイブリッドZがベースで2025年8月に発売
JUNOは、トヨタがMODELLISTAと共同開発したコンプリートカーで、2025年8月5日にシエンタの一部改良と同時に発売されました。
ベースはハイブリッドのZで、ガソリン車は選べません。
2列目と3列目の席はなく、運転席と助手席の2名が乗車定員です。
後ろの席があった場所には、専用のフロアと専用のサイドトリム、6灯の専用の室内灯が付きます。
架装メーカーの工場で仕上げる車なので持ち込み登録になり、ナンバーは4ナンバー(貨物)です。
最大積載量は250kgです。
価格は2WDで3,713,600円から
2026年8月時点のトヨタ公式の価格表では、次のとおりです。
| 駆動方式 | 車両本体価格(税込) | 車両重量 |
|---|---|---|
| 2WD | 3,713,600円 | 1,360kg |
| E-Four | 3,928,100円 | 1,420kg |
北海道・沖縄は価格が異なり、リサイクル料金11,940円と家具の代金は含まれていません。(参考:トヨタ シエンタ“JUNO”)
発売時の価格は2WDが365万4,200円、E-Fourが385万2,200円と報じられていました。
2026年8月3日の改良後の価格と比べると、2WDは59,400円、E-Fourは75,900円上がっています。
同じハイブリッドZの5人乗り2WDは3,142,700円なので、JUNOとの差は570,900円です。
荷室と家具モジュール|寝る・働くに使える広さ
JUNOの価値の中心は、後ろの席をなくして作った荷室と、そこに固定できる家具です。
数字で見ると、使い方ごとに足りる所と足りない所が分かれます。
荷室は長さ1,955mm・幅995mm・高さ1,210mm
トヨタの主要諸元表に載っている荷室の寸法は、次のとおりです。
| 項目 | 寸法 |
|---|---|
| 荷室長 | 1,955mm |
| 荷室幅 | 995mm |
| 荷室高 | 1,210mm |
長さ1,955mmは、身長170cm台の大人が足を伸ばして横になれる長さです。
幅995mmは、大人2人が並んで寝るには狭く、1人で寝るか、2人なら荷物を減らして詰めて寝る広さと考えられます。
E-Fourは荷室の床が高くなって560mmになり、天井サーキュレーターを付けた車は荷室の高さが1,130mmに下がります。
夜に車内で過ごすなら、窓の目隠しも別に用意します。
窓ごとの目隠しの選び方は、10系の窓の形と車中泊の目隠しの選び方で扱っています。
家具モジュールは単品5種類とセット4種類
家具は販売店オプションで、床とサイドトリムにある「JUNOロック」というスライド式のロックに差し込んで固定します。
| 単品 | サイズ | 価格(税込) |
|---|---|---|
| ベースモジュール | W400×D400×H120mm | 69,300円 |
| ベースモジュール ラージ | W400×D400×H240mm | 72,600円 |
| クッションモジュール | W400×D400×H70mm | 20,900円 |
| サイドテーブル(耐荷重5kg) | W400×D250mm | 31,900円 |
| ワークテーブル(耐荷重10kg) | W980×D350mm | 44,000円 |
単品をまとめたセットは、チルが165,000円、リフレッシュが220,000円、フォーカスが231,000円、コンフォートが330,000円です。
車中泊が目的ならベースモジュール4個のリフレッシュ、パソコン作業が目的ならワークテーブル入りのフォーカスが、それぞれの使い方に合う組み合わせです。
モジュールの上で寝るなら、マットを別に敷きます。
トヨタのページでは、モデリスタのエアスリープマット(広げたときに約195×61cm)が22,000円で案内されています。
市販のマットを使う場合は、荷室の幅995mmと長さ1,955mmに収まる大きさかを先に確かめます。
\ 板の上で眠るための厚み /
仕事場として使うときの電気
ワークテーブルでノートパソコンを広げると、次に困るのが電気です。
JUNOの紹介ページには、車の電源(コンセント)についての案内は載っていません。
通常のシエンタのハイブリッド車にはAC100V・1500Wのコンセントがメーカーオプションで用意されていますが、JUNOで選べるかは販売店で確かめる必要があります。
コンセントを付けない場合や、車から離れたテーブルや寝床でも電気を使いたい場合は、車とは別に電気をためておくポータブル電源が候補になります。
パソコンの充電、スマートフォン、小さな照明のどれを何時間使うかで、必要な容量が決まります。
\ ワークテーブルで使う電気 /
※リンク先はJackeryの公式サイトです
走行中と車検のときの決まり
トヨタは、JUNOの荷室の使い方に次の注意を付けています。
- 荷室を使うのは駐車しているときだけで、走行中に荷室へ人が乗ることは原則として法令で禁じられている
- 走行中は家具モジュールを2個以上積み上げない
- 家具モジュールは車の部品ではなく積載物なので、車検のときはすべて外す
家具は工具なしで外せる作りですが、車検が毎年になるJUNOでは、この積み下ろしも毎年の作業になります。
4ナンバーで税金と車検はどう変わるか
JUNOは「税金・車検などの内容はベース車両と異なります」とトヨタが注意している車です。
安くなるものと手間が増えるものの両方があるので、分けて見ます。
自動車税は年8,000円|14,300円と書かれる理由
自動車税は、乗用車は排気量で決まり、1ナンバー・4ナンバーの車はまず乗車定員で区分が分かれます。
4ナンバーでも、乗車定員が4人以上なら「貨客兼用車」、3人以下なら「トラック(貨物車)」の区分です。
| 区分(自家用) | 当てはまる車 | 年税額 |
|---|---|---|
| 乗用車 1L超1.5L以下(2019年10月以降の登録) | 通常のシエンタ | 30,500円 |
| 貨客兼用車(4人以上)最大積載量1トン以下・1L超1.5L以下 | 4人以上乗れる4ナンバー車 | 14,300円 |
| トラック(3人以下)最大積載量1トン以下 | JUNO(2人乗り・250kg) | 8,000円 |
JUNOは2人乗りなのでトラックの区分に入り、年8,000円になります。(参考:東京都主税局 自動車税種別割の税率)
JUNOを14,300円とする解説は、4人以上が乗れる貨客兼用車の区分を当てたものと考えられます。
通常のシエンタとの差は、年22,500円です。
重量税などの軽減措置は受けられない
トヨタの案内には、JUNOは自動車重量税などの軽減措置の対象外と書かれています。
通常のシエンタのハイブリッド車が受けられるエコカー減税などは、JUNOには当てはまらないということです。
通常のシエンタで受けられる減税の中身は、シエンタのエコカー減税と2026年の税制で確かめられます。
購入時と車検時に払う重量税の金額は車両総重量(2WDは1,720kg)で決まるので、見積もりの段階で販売店に金額を出してもらいます。
車検は2年目から毎年|持つ年数で回数を比べる
道路運送車両法では、車両総重量8トン未満の貨物車の車検は、新車の初回が2年、その後は1年ごとです。
乗用車は初回が3年、その後は2年ごとなので、持つ年数が長いほど回数の差が広がります。
| 新車から持つ年数 | 通常のシエンタ(乗用) | JUNO(貨物) | 差 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 1回(3年目) | 3回(2〜4年目) | 2回 |
| 7年 | 2回(3・5年目) | 5回(2〜6年目) | 3回 |
| 10年 | 4回(3・5・7・9年目) | 8回(2〜9年目) | 4回 |
表は、持つ年数ちょうどの時期に来る車検の前に手放す場合の回数です。
回数が増えて効いてくるのは、車検ごとにかかる点検・整備の費用と代行の手数料、検査の手数料です。
10年で増える4回の車検で、1回あたりのこれらの費用が56,250円を超えると、自動車税の差の10年分(225,000円)より負担のほうが大きくなる計算です。
依頼先ごとの費用の幅は、シエンタの車検の法定費用と依頼先ごとの相場が目安になります。
「ユルト」はJUNOと別物|シエンタ+車中泊キットと比較
「シエンタ ユルト」で出てくるのは、JUNOの別名ではなく、YURTという会社のシエンタ用車中泊キット「VANLIFE ROOMKIT」です。
通常のシエンタにこのキットを付けると、JUNOとよく似た使い方ができるので、2つを並べて比べます。
ユルト(VANLIFE ROOMKIT)はどんなキットか
VANLIFE ROOMKITは、10系シエンタの2列5人乗りに組み込む木製の車中泊キットです。
5人乗り用は国産ヒノキの無垢材を使い、価格は599,500円(税込)と報じられています。
7人乗り用はYURTが2026年5月に発表し、価格は未定です。
発売時期は、YURTの発表では2026年中の予定、その後の報道では2027年発売予定とされています。
7人乗り用は、3列目の席を使うときと車検のときにキットを外す必要があると案内されています。
YURTを含めた各社のキットの価格と寸法は、10系に付けられるベッドキット6社の比較で並べています。
JUNOと「5人乗りZ+キット」の違い
同じハイブリッドZの2WDをもとに、JUNOと、通常の5人乗りにVANLIFE ROOMKITを付けた場合を比べます。
| 項目 | JUNO | 5人乗りZ+VANLIFE ROOMKIT |
|---|---|---|
| 車両+家具・キット | 3,713,600円+セット165,000〜330,000円 | 3,142,700円+599,500円(報道の価格) |
| 合計 | 3,878,600〜4,043,600円 | 3,742,200円 |
| 乗車定員 | 2名 | 5名(登録上) |
| 登録 | 4ナンバー(貨物) | 5ナンバー(乗用) |
| 自動車税(年) | 8,000円 | 30,500円 |
| 車検 | 初回2年・以後毎年 | 初回3年・以後2年ごと |
金額はどちらも2026年8月時点の車両価格に家具・キットを足したもので、諸費用は含みません。
車中泊のための装備まで含めると、通常の5人乗りにキットを付けるほうが136,400円以上安くなります。
荷室の広さも、通常の5人乗りは2列目を倒したときの最大の荷室長が2,045mm、荷室幅が1,265mmあり、長さも幅もJUNOを上回ります。
JUNOが上回るのは、荷室の高さ1,210mmと、メーカーが架装を済ませた状態で受け取れる点です。
JUNOが向く人・通常のシエンタが向く人
分かれ目は、後ろの席を今後も使わないと言い切れるかどうかです。
定員を2名にすると、家族が増えたときや人を乗せたいときに、そのままでは席を戻せません。

JUNOを選ぶ意味がある人
次の条件がそろうなら、JUNOの割高な分を払う意味があります。
- 乗るのは今後もずっと2人まで
- 家具の固定や内装の仕上げを自分で手がけたくない
- 荷室の高さがあるほうがよい(座って作業する、背の高い荷物を積む)
- 毎年の車検と、そのたびの家具の積み下ろしを受け入れられる
JUNOの家具はトヨタの販売店で買える用品で、専用のロックで固定できるので、組み付けや強度を自分で考える必要がありません。
通常のシエンタ+キットが向く人
次のどれかに当てはまるなら、通常のシエンタを選び、必要な車中泊の装備を後から足すほうが向いています。
- 3人以上で乗る日が年に何度かでもある
- 荷室の長さと幅を優先したい
- 車検の回数と手間を増やしたくない
- 車中泊は月に1回より少ない
通常のシエンタなら、5人乗りか7人乗りか、ガソリンかハイブリッドかも選べます。
キット代を足した総額を比べるなら、シエンタの見積もりで総額を出す手順で車両側の金額を先に固めておくと、比べる数字がそろいます。
中古でJUNOを探すときの注意
JUNOは2025年8月に発売されたばかりで、中古車の掲載はまだ少なく、相場と呼べる数字は確かめられませんでした。
中古で見つけたときは、次の3点を確かめます。
- 家具モジュールが付いているか(車の部品ではなく積載物なので個別に確かめる)
- 車検の残りの期間(2年目からは1年ごとなので、新車から2年を過ぎた車は残りが1年以内)
- 2026年8月の改良の前か後か
シエンタJUNOに関するよくある質問
シエンタJUNOの価格はいくらですか?
2026年8月時点のトヨタ公式の価格は、2WDが3,713,600円、E-Fourが3,928,100円です。
家具モジュールは別売りで、セットにすると165,000〜330,000円が加わります。
シエンタJUNOの自動車税は14,300円ではないのですか?
14,300円は、乗車定員が4人以上の貨客兼用車の税額です。
JUNOは2人乗りなので、最大積載量1トン以下のトラックの区分に入り、自家用で年8,000円になります。
シエンタJUNOとユルトは同じ車ですか?
別のものです。
JUNOはトヨタが売る2人乗りの車で、ユルトはYURTという会社が通常のシエンタ向けに作る車中泊キットです。
シエンタJUNOは後から4人乗りや5人乗りにできますか?
乗車定員2名の4ナンバー車として登録されていて、後ろの席もないため、そのままでは増やせません。
人を乗せる可能性があるなら、購入の段階で通常のシエンタを選ぶほうが後から困りません。
シエンタJUNOで車中泊はできますか?
荷室の長さが1,955mmあるので、大人が足を伸ばして横になれます。
荷室を使えるのは駐車中だけで、ベースモジュールで床を作り、マットを敷いて寝る形になります。
シエンタJUNOを選ぶ前のまとめ
シエンタJUNOは、ハイブリッドZの後ろの席を外して家具を固定できるようにした、2人乗りの4ナンバー車です。
価格は2026年8月時点で2WDが3,713,600円、E-Fourが3,928,100円で、家具は別売りです。
2人乗りなので自動車税は年8,000円ですが、重量税などの軽減はなく、車検は2年目から毎年になります。
通常の5人乗りZにVANLIFE ROOMKITを付けると、総額は安く、荷室は長く広くなり、登録上は5人乗りのままです。
後ろの席を今後も使わず、メーカーが仕上げた空間を受け取りたい人にとっては、JUNOを選ぶ意味があります。
価格と装備は改良で変わることがあるので、契約の前にトヨタの公式サイトと販売店で最新の内容を確かめてください。

