シエンタのサイドブレーキは、2025年8月の一部改良を境に、足踏み式から電動パーキングブレーキへ変更されました。
2025年8月以降の現行シエンタでは、ガソリン車・ハイブリッド車、Z・G・Xを問わず、電動パーキングブレーキとブレーキホールドが標準装備されています。
一方、2022年8月から2025年7月までに生産された10系シエンタは足踏み式です。
そのため、「10系だから電動式」「2024年式だから電動式」とは限りません。
中古車を選ぶときは年式表示だけで判断せず、運転席の左足元にペダルがあるか、シフトレバー付近に電動パーキングブレーキのスイッチがあるかを確認しましょう。
この記事では、シエンタの足踏み式と電動式の違い、正しい操作方法、ブレーキホールドの使い方、故障や凍結時の注意点を解説します。
記事のポイント
- 2025年8月以降のシエンタは電動パーキングブレーキを全車標準装備
- 2025年7月以前の10系と170系は基本的に足踏み式
- 電動式にはオートモードとブレーキホールドがある
- 2023年の足踏み式リコールは主に170系の一部が対象
- 寒冷時に凍結のおそれがある場合は輪止めを使用する
シエンタのサイドブレーキの進化と種類
一般に「サイドブレーキ」と呼ばれる装置の正式名称は、パーキングブレーキです。
駐車中に車が動かないように保持するための装置で、シエンタでは世代や生産時期によって操作方法が異なります。
中古車やレンタカーを利用するときは、自分が普段乗っている車と同じ操作方法とは限らないため、発進前に確認しておきましょう。
歴代シエンタのサイドブレーキの変遷
初代80系、2代目170系、3代目10系の初期モデルでは、運転席の左足元にあるペダルを踏んで操作する足踏み式パーキングブレーキが採用されていました。
10系では2022年8月の発売後も足踏み式が継続され、2024年5月の一部改良でも電動化されていません。
電動パーキングブレーキへ変更されたのは、2025年8月5日に発売された一部改良モデルからです。
| シエンタの世代・生産時期 | パーキングブレーキ | ブレーキホールド |
|---|---|---|
| 初代80系 | 足踏み式 | なし |
| 2代目170系 | 足踏み式 | なし |
| 10系・2022年8月~2025年7月 | 足踏み式 | なし |
| 10系・2025年8月以降 | 電動式 | あり |

2025年8月以降のモデルでは、電動パーキングブレーキとブレーキホールドに加え、レーダークルーズコントロールも全車速追従機能付きへ変更されています。
(参考:トヨタ公式「シエンタを一部改良するとともに、コンプリートカー“JUNO”を発売」)
世代ごとの装備や特徴をまとめて確認したい方は、シエンタの歴代モデルの違いも参考にしてください。
足踏み式のシエンタのサイドブレーキ
足踏み式パーキングブレーキは、運転席の左足元にあるペダルを踏んで作動させます。
センターコンソールに手で引くレバーを設ける必要がないため、前席周辺の空間を広く使えるのが特徴です。
足踏み式には、次のメリットがあります。
- 操作したことを足の感触で確認しやすい
- 電動アクチュエーターを使わない比較的シンプルな構造
- センターコンソール周辺を広く使える
- 一度踏んで作動し、もう一度踏んで解除するため操作を覚えやすい
一方、次の点には注意が必要です。
- ブレーキホールドを利用できない
- ペダルを十分に踏み込む必要がある
- 解除後にペダルが戻っているか確認が必要
- 左足元のスペースが狭くなる
- 力を入れにくい方には操作しづらい場合がある
足踏み式は電動式より古いから危険というわけではありません。
正しい手順で操作し、定期点検を受けていれば、駐車時に車両を保持する役割を果たします。
シエンタの足踏み式サイドブレーキの解除方法
足踏み式のパーキングブレーキは、一度踏むと作動し、もう一度踏むと解除されるプッシュ・プッシュ式です。
作動させる手順は次のとおりです。
- 右足でブレーキペダルを踏む
- 車が完全に停止していることを確認する
- 左足でパーキングブレーキペダルをいっぱいまで踏み込む
- メーター内のパーキングブレーキ表示灯が点灯したことを確認する
- シフトレバーをPに入れる
解除するときも、先に右足でブレーキペダルを踏みます。
その状態で左足でもう一度パーキングブレーキペダルを踏み込むと、ロックが外れてペダルが戻ります。

発進前に、次の2点を確認してください。
- パーキングブレーキペダルが元の位置まで戻っている
- メーター内のパーキングブレーキ表示灯が消えている
パーキングブレーキをかけたまま走行すると、ブレーキ部品が過熱し、制動力の低下や早期摩耗につながるおそれがあります。
表示灯が消えない場合やペダルが戻らない場合は、そのまま走行しないでください。
シエンタの足踏み式サイドブレーキを使うコツ
足踏み式では、ペダルの端をつま先だけで軽く押すのではなく、右足でブレーキペダルを踏んだ状態で、左足を使ってパーキングブレーキペダルを最後まで踏み込みます。
「何回カチカチと鳴れば正常」と一律には判断できません。
踏み込み量や操作音だけでなく、次の状態を確認することが重要です。
- ペダルが固定されている
- パーキングブレーキ表示灯が点灯している
- ブレーキペダルから足を離しても車が動かない
- 坂道では必要に応じて輪止めを使用している
以前よりペダルの踏み込みが深くなった、保持力が弱く感じる、異音がするといった変化がある場合は、ワイヤーやブレーキ部品の点検が必要です。
自己判断でワイヤーを調整したり、可動部へ潤滑剤を吹き付けたりせず、トヨタ販売店や整備工場へ相談してください。
170系の足踏み式パーキングブレーキに関するリコール
2023年11月、シエンタの足踏み式パーキングブレーキに関するリコールが発表されました。
不具合の内容は、パーキングブレーキペダルを車体へ固定するボルトの締結力が不足している車両があり、使用を続けるとボルトが緩んだり脱落したりするおそれがあるというものです。
最悪の場合、パーキングブレーキを操作できなくなる可能性があります。
対象となるシエンタは、主に2015年5月から2021年6月までに生産された170系の一部です。
ただし、対象車台番号の範囲内でも、リコール対象外の車両があります。
中古車を購入した場合や実施状況が分からない場合は、車検証に記載された車台番号を使い、トヨタ公式のリコール等情報対象車両検索で確認してください。
未実施の場合は、トヨタ販売店へ相談して無料の点検・修理を受けましょう。

シエンタのサイドブレーキを安全・快適に使う方法
2025年8月以降のシエンタでは、電動パーキングブレーキとブレーキホールドが全車に標準装備されています。
指先で操作できるだけでなく、シフト操作との連動や停車状態の保持が可能になりました。
ただし、自動作動機能へ任せきりにせず、表示灯や車両の状態を確認する必要があります。
電動化したシエンタのサイドブレーキ
電動パーキングブレーキは、シフトレバー付近にあるスイッチで操作します。
手動でかける場合は、車を完全に停止させ、ブレーキペダルを踏んだままスイッチを引きます。
解除する場合は、ブレーキペダルを踏みながらスイッチを押してください。

| 操作 | 電動パーキングブレーキの動かし方 |
|---|---|
| 手動でかける | ブレーキペダルを踏み、スイッチを引く |
| 手動で解除する | ブレーキペダルを踏み、スイッチを押す |
| オートモードで駐車する | P以外からPへ入れると自動作動 |
| オートモードで発進する | PからP以外へ入れると自動解除 |
| 条件を満たして発進する | アクセルをゆっくり踏むと自動解除 |
アクセル操作による自動解除には、主に次の条件があります。
- 運転席ドアが閉まっている
- 運転席シートベルトを着用している
- シフトが前進または後退の位置にある
- エンジン警告灯や黄色のブレーキ警告灯が消灯している
条件を満たしていても解除されない場合は、アクセルを強く踏み込まないでください。
ブレーキペダルを踏みながら、スイッチを使って手動で解除します。
オートモードではPへのシフト操作と連動しますが、トヨタは自動作動機能を通常の確認操作の代わりとして使わないよう注意しています。
駐車後はパーキングブレーキ表示灯が点灯し、車が動かないことを確認しましょう。
ブレーキホールド機能の使い方
ブレーキホールドは、信号待ちや渋滞で停車したとき、ブレーキペダルから足を離しても停止状態を保持する機能です。
2025年8月以降のシエンタで利用できます。
ブレーキホールドスイッチを押すと、メーター内のスタンバイ表示灯が緑色に点灯します。
その状態でブレーキペダルを踏んで停止すると、ブレーキ保持中を示す黄色の表示灯が点灯します。
シフトがDまたはMのときは、アクセルペダルを踏むと保持が解除され、発進できます。
ブレーキホールドをONにするには、次の条件が必要です。
- 運転席ドアが閉まっている
- 運転席シートベルトを着用している
- 電動パーキングブレーキに異常がない
ブレーキホールドのON・OFF設定は、エンジンまたはハイブリッドシステムを停止しても維持されます。
毎回スイッチを押し直す必要がない点は、2025年8月以降のシエンタの便利なポイントです。

ただし、ブレーキホールドは駐車用の機能ではありません。
ブレーキ保持中にペダルを踏んでいない状態が約3分続くと、自動的に電動パーキングブレーキへ切り替わります。
次の場面では、ブレーキホールドをOFFにしてください。
- 急な坂道
- 滑りやすい路面
- 自走式洗車機を利用するとき
- 車両がけん引されるとき
- 寒冷時にパーキングブレーキの凍結が予想されるとき
2025年8月以降のシエンタに搭載された全車速追従機能については、シエンタのレーダークルーズコントロールの使い方で詳しく解説しています。
シエンタのサイドブレーキが効かない・解除できないとき
パーキングブレーキが正常に作動しない場合は、足踏み式と電動式で確認するポイントが異なります。
足踏み式では、次の症状に注意してください。
- ペダルを踏んでも固定されない
- ペダルが元の位置まで戻らない
- 以前より踏み込みが深くなった
- 駐車中に車が動く
- パーキングブレーキ表示灯が消えない
- ペダル周辺から異音がする
ワイヤー、ペダル機構、ブレーキ内部などに不具合がある可能性があります。
無理に何度も踏まず、車を安全な場所へ停めて点検を依頼してください。
電動式では、次の点を確認します。
- ブレーキペダルを踏んでいるか
- 運転席ドアが閉まっているか
- 運転席シートベルトを着用しているか
- シフト位置が適切か
- 黄色のブレーキ警告灯が点灯していないか
- メーターに警告メッセージが表示されていないか
- 補機バッテリーが上がっていないか
パーキングブレーキ表示灯が点滅している場合は、ブレーキペダルを踏みながらスイッチを再度操作してください。
表示灯が消えない場合や、黄色の警告灯が点灯している場合は、トヨタ販売店で点検を受けます。
補機バッテリーが上がっていると、電動パーキングブレーキを正常に作動させたり解除したりできない場合があります。
車両を無理に動かしたり、電動パーキングブレーキを自己判断で分解したりしないでください。
補機バッテリーが上がった場合の確認事項は、シエンタのバッテリー上がりの対処法で解説しています。
寒冷地でシエンタのサイドブレーキを使うときの注意点
通常の駐車では、シフトをPに入れ、パーキングブレーキをかけるのが基本です。
ただし、氷点下の環境などでブレーキ装置の凍結が予想される場合は、トヨタの取扱説明書で通常とは異なる方法が案内されています。
2025年8月以降の電動式では、次の手順で駐車します。
- 平坦で安全な駐車場所を選ぶ
- ブレーキホールドをOFFにする
- 電動パーキングブレーキのオートモードをOFFにする
- パーキングブレーキをかけずにシフトをPへ入れる
- シフトがPから動かないことを確認する
- タイヤへ確実に輪止めをする
寒冷時にオートモードやブレーキホールドを使用すると、自動的にパーキングブレーキが作動する場合があります。
ブレーキ装置が凍結すると解除できなくなるおそれがあるため、凍結が予想される環境では両方をOFFにします。
足踏み式の場合も、凍結のおそれがあるときはパーキングブレーキをかけず、シフトをPにして輪止めを使用します。
ただし、凍結のおそれがない通常時までパーキングブレーキを使わないのは危険です。
「寒冷地では常にサイドブレーキを使わない」のではなく、気温や積雪、濡れたブレーキの状態を見て判断してください。

折りたたみ式の輪止めを選ぶ場合は、軽量さだけでなく、タイヤサイズに合う大きさ、滑りにくい形状、使用可能な路面を確認しましょう。
\寒冷時の安全な駐車に備える/
雪道を走る際のE-Fourやタイヤの注意点は、シエンタの4WDの雪道性能と注意点でも詳しく解説しています。
解氷スプレーをブレーキ部品へ直接吹き付けたり、熱湯や火気で温めたりするのは避けてください。
凍結して解除できない場合は、無理に走行せず、トヨタ販売店やロードサービスへ相談しましょう。
電動パーキングブレーキのメリットと注意点
足踏み式と電動式には、それぞれ異なる特徴があります。
| 比較項目 | 足踏み式 | 電動式 |
|---|---|---|
| 操作方法 | 左足でペダルを踏む | 指でスイッチを操作する |
| 自動作動 | なし | オートモードあり |
| ブレーキホールド | なし | あり |
| 操作に必要な力 | 踏み込む力が必要 | 小さな力で操作可能 |
| バッテリーへの依存 | 通常操作は電動アクチュエーターに依存しない | 補機バッテリーや電子制御が必要 |
| 状態の確認 | ペダルと表示灯 | スイッチと表示灯・メッセージ |
| 寒冷時 | 凍結に注意 | オート作動を停止する必要がある |
電動式の主なメリットは次のとおりです。
- 指先で軽く操作できる
- シフトをPにすると自動で作動する
- 発進時に自動解除できる
- 信号待ちでブレーキホールドを使える
- 足元のペダルがなくなる
- 全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールと組み合わせやすい
一方、次の注意点があります。
- 補機バッテリーが上がると操作できない場合がある
- 警告灯やメッセージを確認する必要がある
- 凍結時はオートモードをOFFにする必要がある
- 故障時に利用者が強制解除しない
- 自動作動機能を過信しない
足踏み式から電動式へ、スイッチやアクチュエーターだけを追加して後付けすることは現実的ではありません。
ブレーキ制御、メーター表示、シフト連動、車両コンピューターなど複数のシステムが関係するため、社外部品を使った改造は避けてください。
シエンタのサイドブレーキに関するよくある質問
シエンタのサイドブレーキが電動になったのはいつからですか?
2025年8月5日に発売された一部改良モデルからです。
2024年5月の一部改良モデルや、2025年7月までに生産された10系は足踏み式です。
中古車では初度登録年月だけでなく、実車のペダルやスイッチを確認してください。
2025年8月以降は全グレードで電動式ですか?
2025年8月以降の現行シエンタでは、ガソリン車とハイブリッド車のZ・G・Xすべてに、電動パーキングブレーキとブレーキホールドが標準装備されています。
足踏み式の解除方法は?
右足でブレーキペダルを踏みながら、左足でもう一度パーキングブレーキペダルをいっぱいまで踏み込みます。
ロックが外れてペダルが戻ったら、メーター内の表示灯が消えたことを確認してください。
電動式はアクセルを踏めば必ず解除されますか?
必ず解除されるわけではありません。
運転席ドア、シートベルト、シフト位置、警告灯などの条件を満たす必要があります。
自動解除されない場合はアクセルを強く踏まず、ブレーキペダルを踏みながらスイッチを押してください。
ブレーキホールドの設定はエンジンを切ると解除されますか?
2025年8月以降のシエンタでは、ブレーキホールドのON・OFF設定はエンジンまたはハイブリッドシステムを停止しても維持されます。
ただし、運転席ドアが開いている場合やシートベルトを着用していない場合は、ブレーキホールドをONにできません。
寒冷地ではサイドブレーキをかけない方がよいですか?
ブレーキ装置の凍結が予想される場合に限り、パーキングブレーキをかけず、シフトをPにして輪止めを使用します。
電動式では、オートモードとブレーキホールドもOFFにしてください。
凍結のおそれがない通常時は、シフトをPにしてパーキングブレーキをかけるのが基本です。
足踏み式のリコールは10系も対象ですか?
2023年11月に発表された足踏み式パーキングブレーキのリコールは、主に2015年5月から2021年6月までに生産された170系の一部が対象です。
2022年に発売された10系のリコールではありません。
実際の対象可否は、車台番号を使ってトヨタ公式の対象車両検索で確認してください。
シエンタのサイドブレーキまとめ
シエンタのパーキングブレーキは、2025年8月の一部改良で足踏み式から電動式へ変更されました。
重要なポイントは次のとおりです。
- 2025年8月以降は電動パーキングブレーキとブレーキホールドを全車標準装備
- 2022年8月から2025年7月までの10系は足踏み式
- 足踏み式は右足でブレーキを踏み、左足でペダルを操作する
- 電動式はスイッチ操作とオートモードの両方を利用できる
- 寒冷時に凍結のおそれがある場合はPレンジと輪止めを使用する
電動パーキングブレーキは、シフト操作との連動やブレーキホールドによって、信号待ちや渋滞時の負担を減らせます。
ただし、オートモードへ任せきりにせず、駐車後は表示灯が点灯し、車が動かないことを確認してください。
足踏み式も、正しく操作して点検を受けていれば問題なく使用できます。
中古シエンタを選ぶときは、「10系」「2024年式」といった大まかな情報だけで判断せず、2025年8月以降のモデルか、足元にペダルがあるか、シフトレバー付近に電動式のスイッチがあるかを確認することが大切です。




