シエンタには、2003年の初代(80系)から170系、2022年8月発売の10系まで、どの世代にもリアクーラーの設定がありません。
「いつから付いたか」という年式はなく、後部座席向けの空調装備として加わったのは、2022年8月の10系発売時からZ・Gのメーカーオプションで選べる天井サーキュレーターだけです。
リヤクーラーやリヤエアコン、リアエアコン(後ろエアコン)とも呼ばれる、後ろの席専用の冷房装置が付いていないということです。
10系の天井サーキュレーターは、前席のエアコンで冷やした空気を後方へ送る送風装置です。
リアクーラーのように、装置自体が空気を冷やすわけではありません。
また、170系に乗っている方は、現行10系用のメーカーオプションをあとからそのまま取り付けることはできません。
そのため、170系では車載扇風機、サンシェード、断熱フィルム、エアコンのメンテナンスを組み合わせる方法が現実的です。
後ろの席の暑さ対策は、次の5つを順番に組み合わせます。
- 駐車中に車内へ熱をためない
- 乗車直後に熱気を外へ逃がす
- 前席の冷気を後方へ送る
- ガラスから入る日射熱を減らす
- エアコン本来の風量と冷却性能を維持する
記事のポイント
- 10系・170系シエンタには独立したリアクーラーがない
- 現行10系の天井サーキュレーターはZ・Gのメーカーオプションで、冷気を作る装置ではない
- シエンタにはS-FLOWではなくエコ空調機能がある
- 170系は市販ファンと遮熱用品で補い、冷房が弱いならフィルターや冷媒系統も点検する
シエンタのリアクーラー不足を補う方法
シエンタの後部座席を快適にするには、単純にエアコンの設定温度を下げるだけでは不十分です。
車内へ入ってくる熱を減らし、前席で作られた冷気を後方へ効率よく移動させる必要があります。
世代ごとの後部座席の空調装備を並べると、次のようになります。
| 世代 | 発売 | リアクーラー | 後部座席向けの装備 |
|---|---|---|---|
| 80系(初代) | 2003年9月 | 設定なし | 天井サーキュレーターなし |
| 170系(2代目) | 2015年7月 | 設定なし | 天井サーキュレーターなし(10系用は付けられない) |
| 10系(3代目) | 2022年8月 | 設定なし | 天井サーキュレーター(Z・Gのメーカーオプション、Xは設定なし) |
どの世代でも、後ろの席を冷やす空気は前席のエアコンで作られ、それを後方へ届ける形になります。
そのため対策は、前席の冷気を後ろへ送ることと、後ろの窓から入る熱を減らすことの2つが中心です。
シエンタの後ろの席が暑いと感じる理由
シエンタの後部座席が暑くなりやすい最大の理由は、後席専用の冷却装置がないことです。
前席のエアコンを強めても後ろだけ暑いと感じやすいのは、このためです。
ノアやヴォクシーなどには、仕様によって後席付近から冷風を出すリアクーラーやリアオートエアコンが用意されています。
シエンタの公式取扱説明書に掲載されているのは、前席側のオートエアコンと、装着車向けの天井サーキュレーターです。
2026年8月以降の版の取扱説明書でも、オートエアコンの説明に後部座席用の操作スイッチや、後席専用のエアコン吹き出し口の案内はありません。
後部座席でエアコンが効かないと感じるときは、前席の風をどう後ろへ届けるかが対策の出発点になります。
室内高とガラス面積の影響
現行シエンタの室内高は1,300mmあり、コンパクトミニバンとしては頭上にゆとりがあります。
広い空間は乗り降りや車内移動には便利ですが、冷やす必要がある空気の量も増えます。
さらに、スライドドアやクォーター部分には大きなガラスがあります。
真夏に直射日光が入ると、シート、チャイルドシート、ドアトリムなどが熱を持ち、エアコンで冷やした空気が再び温められてしまいます。
特に、日差しが当たる側の後席では、車内温度が下がっても体感的な暑さが残りやすいです。
3列目まで冷気を届けにくい
前席の吹き出し口から出た冷気は、前席の乗員やシートに当たりながら後方へ進みます。
2列目まではある程度届いても、3列目では風の勢いが弱くなります。
前席の人が冷風を直接受ける設定にしていると、後方へ流れる冷気がさらに少なくなってしまいます。

3列目を頻繁に使う場合は、次の点を試乗時に確認してください。
- 2列目に人が座った状態で3列目まで風が届くか
- 天井サーキュレーターの風量を最大にしたときの体感
- 3列目へ日差しが直接当たらないか
- チャイルドシート使用時に風が届くか
- ファンの作動音が気にならないか
後席の暑さを重視する方は、運転席だけの短い試乗で決めないことが大切です。
天井サーキュレーターの仕組みと役割
現行10系シエンタには、後席の空気を循環させる天井サーキュレーター(リアサーキュレーターとも呼ばれます)が用意されています。
トヨタ公式では、天井に取り付けたサーキュレーターから後席へ送風し、冷たい空気や温かい空気の偏りを減らす装備として案内されています。
リアクーラーとの違い
リアクーラーは、後席付近の吹き出し口から冷房された空気を出す装置です。
一方、シエンタの天井サーキュレーターには、空気を冷却する機能がありません。
前席エアコンで冷やした空気を取り込み、後方へ送り出す仕組みです。
違いを整理すると次のようになります。
| 比較項目 | リアクーラー | 天井サーキュレーター |
|---|---|---|
| 冷気を作る機能 | ある | ない |
| 主な役割 | 後席を直接冷房する | 車内の空気を循環させる |
| 温度調整 | 車種・仕様によって可能 | できない |
| 風量調整 | 装置により異なる | 4段階 |
| 冬の利用 | 装置により異なる | 暖気の循環にも使える |
「天井サーキュレーターを付ければリアクーラーと同じ」と考えると、真夏に期待との差が出るかもしれません。

ただし、何もない状態より後席へ風を届けやすくなるため、シエンタの構造に合った有効な補助装備です。
夏だけでなく冬にも使える
暖かい空気は車内上部へたまりやすいため、天井サーキュレーターは冬の温度ムラ対策にも使えます。
前席側に偏っている暖気を後方へ送り、車内全体の空気を動かせるからです。
公式取扱説明書では、風量を4段階で変更でき、吹き出し口の向きも上下に調整できると案内されています。
乗車人数や季節に合わせて、次のように使い分けるとよいでしょう。
- 乗車直後は最大風量で空気を動かす
- 車内が冷えたら中程度まで落とす
- 後席の乗員へ風が直接当たり続けないよう向きを調整する
- 冬は上部にたまった暖気を後方へ送る
- 空調を使わない季節はOFFにする
グレード別の天井サーキュレーターの設定
現行10系シエンタの天井サーキュレーターは、全車標準装備ではありません。
トヨタ公式では、ZとGにメーカーオプションとして設定されています。
Xには設定されていません。
2022年8月23日の10系発売時のニュースリリースでも、エアコンの冷気・暖気を後席側へ循環させる装備として、Z・Gのメーカーオプションに挙げられていました。
(参考:トヨタ自動車 ニュースリリース「新型シエンタを発売」)
| グレード | 天井サーキュレーター |
|---|---|
| Z | メーカーオプション |
| G | メーカーオプション |
| X | 設定なし |

Z・Gは新車注文時の選択が必要
天井サーキュレーターは、車両を製造するときに取り付けるメーカーオプションです。
新車注文後や納車後に、販売店装着オプションのような感覚で追加することはできません。
現在のシエンタでは、天井サーキュレーターとナノイーXがセットでメーカーオプションとして案内されています。
家族を2列目や3列目へ乗せる機会が多い方は、見積もり時に次の項目を確認しましょう。
- 天井サーキュレーターが見積もりに含まれているか
- ナノイーXとのセット内容
- コンフォートパッケージとの違い
- 後席ディスプレイとの装着条件
- 納期への影響
- メーカーオプションを含めた支払総額
注文時に付けなかった場合に後から足せるか、作動音や風量の使い分け、付けるべきかの判断は、天井サーキュレーターの後付けと必要かの判断にまとめています。
X・170系は市販用品で補う
Xグレードには天井サーキュレーターの設定がありません。
また、170系へ現行10系用のメーカーオプションをそのまま後付けすることもできません。
Xや170系に乗っている場合は、次の対策を組み合わせるのが現実的です。
- ヘッドレスト固定式の車載扇風機
- USB電源の小型ファン
- スライドドア用サンシェード
- 断熱フィルム
- フロントガラス用サンシェード
- エアコンフィルターの交換
- エアコン本体の点検
天井サーキュレーター付きの中古車を探す場合は、車両写真だけでなく、装備欄と販売店への問い合わせで有無を確認しましょう。
S-FLOWではなくエコ空調を確認する
現行シエンタの公式取扱説明書に、S-FLOWスイッチは掲載されていません。
シエンタに用意されているのは、エコ空調スイッチです。
S-FLOWは他のトヨタ車にある機能
S-FLOWは、一部のトヨタ車に搭載されているフロント席集中送風機能です。
乗員を検知し、必要な座席へ優先的に送風することで空調負荷を抑えます。
現行シエンタの操作パネルには、S-FLOWではなくエコ空調スイッチ、内外気切り替えスイッチ、冷房・除湿スイッチなどが配置されています。
シエンタの後席が暑い原因は、S-FLOWの誤検知ではなく、独立した後席用冷房がないことや、前席から後方までの距離、日射熱などを中心に考えるべきです。
真夏はエコ空調を解除する
エコモードでは、燃費を優先するために冷暖房の作動や風量が抑えられます。
トヨタも、空調の効きを高めたいときはエコ空調モードをOFFにするよう案内しています。
乗車直後は、次の順番で冷やすと効率的です。
- ドアや窓を開けて熱気を逃がす
- エンジンまたはハイブリッドシステムを始動する
- A/CをONにする
- エコ空調モードをOFFにする
- 一時的に内気循環へ切り替える
- 上半身側の吹き出し口を選ぶ
- 風量を強くする
- 吹き出し口を中央・上向きに調整する
- 天井サーキュレーターや車載ファンを作動させる
外気温が高いときに内気循環を使うと冷房効果を高めやすいことも、シエンタの取扱説明書で案内されています。
車内が十分に冷えたあとは、風量や温度を調整してください。
長時間ずっと内気循環へ固定するのではなく、窓の曇りや空気の状態に応じて外気導入も使い分けましょう。

天井サーキュレーターの作動音と冷却効果
天井サーキュレーターはモーターでファンを回すため、風量を上げれば作動音も聞こえやすくなります。
ただし、トヨタは公式な騒音値を公表していません。
風量は4段階で調整できる
使い方の目安は次のとおりです。
- 乗車直後:最大風量
- 車内が冷えるまで:強め
- 温度が安定したあと:中または弱
- 会話や音楽を重視するとき:弱
- 後席に人がいないとき:OFF
最初だけ強く回し、車内温度が下がったら風量を落とすと、作動音と快適性のバランスを取りやすくなります。
試乗時は停車中にも確認する
走行中はロードノイズやエンジン音があるため、サーキュレーターの音を判断しにくい場合があります。
購入前には、販売店へ次の確認をお願いしましょう。
- 停車中に4段階すべて試す
- 2列目で音を確認する
- 3列目で風の届き方を確認する
- 後席ディスプレイや音楽を使った状態で確認する
- チャイルドシートを置く位置で風を確認する
作動音を文章や動画だけで判断せず、家族にも実車で確認してもらう方が安心です。
後ろの席を早く冷やすなら走りながら熱気を抜く
JAFが真夏の駐車車両で行ったテストでは、窓を開けて走りながら熱気を出し、窓を閉めて内気循環に切り替える方法が、最も早く車内温度を下げました。
テストは2016年6月に、車内温度が55℃になった同じ車5台で行われたもので、シエンタで測った結果ではありません。
表では、方法ごとに何分後に何℃まで下がったかを比べてください。
| 方法 | 結果 |
|---|---|
| 助手席の窓を開け、運転席ドアを5回開け閉め(エアコンなし) | 47.5℃ |
| シートに冷却スプレーを噴射(エアコンなし) | 3分後に50.1℃ |
| エアコンを外気導入で作動(窓は閉めたまま) | 10分後に29.5℃ |
| エアコンを内気循環で作動(窓は閉めたまま) | 10分後に27.5℃ |
| 窓を全開にして外気導入で走り、窓を閉めて内気循環に切り替え | 5分後に28.0℃ |
(出典:JAFユーザーテスト)
エアコンを使わない方法では、47.5〜50.1℃までしか下がっていません。
ドアの開け閉めは乗り込む前の一手にとどめ、温度はエアコンと走行で下げる流れになります。
後席専用の冷房がないシエンタでは、後ろにたまった熱気を前席のエアコンだけで冷やすと、時間がかかりやすいと考えられます。
エコ空調の節で紹介した冷やす順番に、窓を開けたまま走り出す工程を加えると、次の流れになります。
- 開けられる窓をすべて開け、エアコンを外気導入にして走り出す
- 熱気が抜けたら窓を閉め、内気循環に切り替える
- 天井サーキュレーターや車載ファンで、冷えた空気を後ろの席へ送る
駐車中の対策では、JAFの別のテスト(2012年8月、気温35℃、正午から4時間駐車)で、窓を3cm開けた車の車内最高温度は45℃でした。
窓を少し開けておくだけでは後ろの席は暑いままなので、乗ってからの換気と冷房で下げる前提で考えます。
同じテストでエアコンを作動させ続けた車は27℃でしたが、JAFはエンジンをかけ続けると誤操作による発進や燃料切れのおそれがあり、排ガスの問題もあると指摘しています。
エアコンを付けていても、子どもだけを車内に残して離れないでください。
シエンタのリアクーラーに代わる装備と工夫
純正リアクーラーがないシエンタでも、暑さを軽減する方法はあります。
効果を出しやすいのは、送風用品だけに頼らず、遮熱、換気、空調設定、メンテナンスを組み合わせることです。
ここからは、10系と170系のどちらでも実践しやすい対策を紹介します。
シエンタのリアクーラーの後付けに関する現実
シエンタへ、ノアやヴォクシーのような純正リアクーラーを後付けする標準的なメニューは用意されていません。
販売店装着オプションとして追加できる装備でもありません。
冷媒配管や内装加工が必要になる
独立したリアクーラーを取り付けるには、後方へ冷媒を送る配管、熱交換器、送風装置、電気配線、排水経路などが必要です。
シエンタはリアクーラーの後付けを前提に設計された車ではないため、単純にファンや吹き出し口を追加するだけでは冷房になりません。
施工できる業者が見つかったとしても、次の問題があります。
- 内装を大きく外す必要がある
- 車体加工が必要になる可能性がある
- 部品の設置場所を確保しにくい
- 異音や水漏れのリスクがある
- 冷却能力を保証しにくい
- 点検や修理を受けられる業者が限られる

保証と整備性を確認する
大規模な改造を行うと、改造箇所と関連する故障についてメーカー保証の対象外になる可能性があります。
車検への適合や、将来の修理方法も確認しなければなりません。
リアクーラーを無理に増設するより、次の費用を比較した方が現実的です。
- 車載扇風機とサンシェードの導入費用
- 断熱フィルムの施工費用
- エアコンの点検・修理費用
- 天井サーキュレーター付き中古車への乗り換え費用
- Z・Gの新車へ乗り換える費用
- 後席空調のある別車種への乗り換え費用
家族を3列目へ頻繁に乗せ、後席の冷房性能を最優先するなら、リアクーラーやリアオートエアコンを選べる車種も含めて比較しましょう。
車載ポータブルクーラーで後部座席を冷やす場合
後部座席のエアコンを後付けする代わりに、車の電源やポータブル電源で動く車載用のポータブルクーラーを置く方法もあります。
選ぶ前に、次の3つを分けて確かめます。
- 電源:どこから、何Wまで電気を取れるか
- 効き:冷やしたときに出る熱をどこへ逃がすか
- 安全:走行中に動かないよう固定できるか
シエンタの12Vアクセサリーソケットは120Wまでの機器向けなので、消費電力がそれを超える機器は使えません。
10系のハイブリッド車には、AC100V・1500Wのアクセサリーコンセントがメーカーオプション(45,100円、2026年8月時点のトヨタ公式の価格表)で用意されていますが、納車後には追加できません。
コンセントの使える条件は、1500Wコンセントの設定と使える条件で確かめられます。
コンプレッサーで冷やす機器は、冷たい風と同時に本体から熱い空気を出すため、その排気を車外へ出せないと車内全体の温度は下がりにくくなります。
重さのある機器を座席や床に置いたまま走ると、急ブレーキのときに動くおそれがあります。
電源と排熱と固定の3つがそろわないなら、先に前席の冷気を送る送風と、窓からの熱を減らす遮熱を整えるほうが現実的と考えられます。
市販の扇風機やファンで風を循環させる
天井サーキュレーターがないXや170系では、車載扇風機が取り入れやすい対策です。
ただし、冷たい空気を作る装置ではありません。
前席のエアコンで作った冷気を、後部座席へ移動させるために使います。
ヘッドレスト付近から後方へ送る
車載ファンは、前席または2列目のヘッドレスト支柱へ固定できるタイプが使いやすいです。
前席の吹き出し口を中央・上向きにし、流れてきた冷気をファンで後方へ送ります。
設置時は次の点を確認してください。
- 運転席から後方確認を妨げない
- ファンが乗員の頭へ当たらない
- 子どもが羽根やスイッチへ触れにくい
- 配線がシートレールやスライド機構へ挟まらない
- エアバッグの展開を妨げない
- 急ブレーキ時にも外れない
- 風が顔へ直接当たり続けない
風向きを変えられる車載ファンなら、チャイルドシートに強い風を直接当てずに、前席の冷気を後席まで回せます。
\前席の冷気を後席へ送りたい方へ/
USB端子の位置と供給量を確認する
10系の充電用USB Type-C端子はDC5V/3A、通信用のType-A端子はDC5V/1.5Aと、トヨタの主要諸元表に記載されています。
端子の場所とグレード別の口数は、シエンタのUSB端子の場所と口数で比べられます。
市販ファンを選ぶときは、USB端子の形状と必要な電力を確認してください。
170系は年式や装備によって電源環境が異なるため、USB変換アダプターや12Vソケット電源が必要になる場合があります。
複数の機器を1つの端子へ集中させると、正常に動作しない可能性があります。
スマートフォン、後席モニター、扇風機などを同時に使用する場合は、必要な電力と配線方法を確認しましょう。
断熱フィルムやサンシェードでの遮熱対策
後席へ風を送っても、窓から日射熱が入り続けると、なかなか涼しくなりません。
送風対策と同じくらい重要なのが、車内へ入る熱を減らすことです。
IRカットガラスと断熱フィルム
現行シエンタの後席側には、標準でUVカット機能付きプライバシーガラスが採用されています。
Z・Gでコンフォートパッケージを選ぶと、スライドドア、クォーター、バックドアなどがスーパーUVカット・IRカット機能付きプライバシーガラスになります。
UVカットは紫外線対策、IRカットは赤外線による熱さを軽減するための機能です。
標準ガラスでも紫外線はある程度カットされますが、トヨタは標準ガラスの赤外線カット率を公表していません。
170系や、コンフォートパッケージなしの10系で日差しの熱さが気になる場合は、断熱フィルムを検討できます。
ただし、フィルムの種類や施工位置によって法令上の条件が異なります。
運転席・助手席やフロントガラスへ施工する場合は、専門店へ相談し、施工後の可視光線透過率も確認してください。
駐車時と走行時で使い分ける
駐車中は、フロントガラス用サンシェードでダッシュボードや前席が熱を持つのを防ぎます。
後席には、スライドドアやクォーターガラスへ対応したシェードが有効です。
用途に合わせて次のように使い分けましょう。
駐車中
- フロントガラス全面を覆う
- 後席側の窓もシェードで覆う
- 直射日光が当たる側を優先する
- 車内にモバイルバッテリーなどを放置しない
走行中
- 運転視界を妨げない商品を使う
- スライドドアの開閉へ干渉しないか確認する
- 吸盤やマグネットが外れないか確認する
- 子どもが引っ張って外さない位置へ固定する
- 道路交通法や保安基準に適合する方法で使用する
「シエンタ専用」と書かれた商品でも、10系用と170系用では形状が違います。
購入前に年式、型式、5人乗り・7人乗りへの対応を確認してください。
窓ごとの大きさを確認したい方は、歴代シエンタの窓まわりとサンシェード選びも参考にしてください。
エアコンの効きを維持するメンテナンス術
以前より冷えるまで時間がかかる、最大風量にしても風が弱いという場合は、リアクーラーの有無だけが原因とは限りません。
前席エアコン本体の性能が落ちている可能性があります。
エアコンフィルターを確認する
エアコンフィルターへホコリや花粉がたまると、吹き出し口から出る風が弱くなります。
後席まで冷気を届けるには、前席から十分な風量が出ていることが前提です。
トヨタも、エアコンを快適に使うためにフィルターを定期的に交換し、臭いが気になり始めた場合も交換するよう案内しています。
交換時期は、走行距離や使用環境によって変わります。
次の症状がある場合は点検しましょう。
- 風量が以前より弱い
- エアコンから嫌な臭いがする
- ホコリの多い地域を走る
- 花粉の多い季節に頻繁に使った
- 長期間フィルターを交換していない
- フロントガラスが曇りやすい
車両型式に合わないフィルターを購入しないよう、10系と170系の適合を確認してください。
\エアコンの風量低下が気になる方へ/
冷えない場合は専門店で点検する
風量は十分なのに冷たい風が出ない場合は、次の原因が考えられます。
- 冷媒の不足や漏れ
- コンプレッサーの不具合
- エバポレーターの汚れ
- 温度センサーの不具合
- ブロアモーターの不具合
- エアコン操作系統の異常
「ガスを補充すれば直る」と自己判断するのは避けてください。
冷媒が減っている場合、漏れの原因を確認せず補充しても再び冷えなくなる可能性があります。
異音、異臭、水漏れ、冷房能力の低下がある場合は、トヨタ販売店や自動車エアコンを扱う整備工場へ相談しましょう。

シエンタのリアクーラーに関するよくある質問
新型シエンタにリアクーラーはありますか?
現行10系シエンタには、後席付近で冷気を作る独立したリアクーラーはありません。
ZとGには、前席の冷気や暖気を後方へ送る天井サーキュレーターをメーカーオプションで選べます。Xには設定されていません。
170系シエンタの後部座席を涼しくする方法は?
170系では、車載扇風機、サンシェード、断熱フィルム、内気循環、吹き出し口の調整を組み合わせる方法が現実的です。
エアコンの風量が弱い場合は、フィルターや冷媒系統の点検も行いましょう。
現行10系用の天井サーキュレーターを、170系へメーカーオプションとして後付けすることはできません。
天井サーキュレーターは後付けできますか?
天井サーキュレーターは、ZとGで新車注文時に選ぶメーカーオプションです。
納車後に純正品を販売店装着オプションとして追加する装備ではありません。
中古車を購入する場合は、最初から装着された車を探してください。
天井サーキュレーターはうるさいですか?
風量を上げるほどファンの作動音は聞こえやすくなりますが、トヨタは公式な騒音値を公表していません。
音の感じ方には個人差があります。
風量は4段階で調整できるため、乗車直後だけ強くし、車内が冷えたら弱める使い方ができます。
シエンタにS-FLOWはありますか?
現行シエンタの公式取扱説明書にS-FLOWスイッチは掲載されていません。
シエンタにはエコ空調スイッチがあり、燃費を優先する設定では冷暖房や風量が抑えられます。
真夏に冷房の効きを優先するときは、エコ空調モードをOFFにしてください。
サーキュレーターと後席モニターを同時装着できますか?
トヨタはシエンタ向けに複数の後席ディスプレイを用意しています。
ただし、サーキュレーター、後席ディスプレイ、その他の天井装着品を組み合わせられるかは、車両仕様と製品によって確認が必要です。
契約や購入前に、品番を含めて販売店へ確認してください。
社外品では、サーキュレーターの吸い込み口や吹き出し口を塞がないかも確認しましょう。
シエンタは後ろにエアコンがないのですか?
10系(2022年8月〜の現行)にも170系(2015年7月〜2022年8月)にも、後ろの席で冷気を作る専用のエアコンはありません。
後ろのエアコンの代わりとして、10系のZ・Gでは前席の冷気を2列目や3列目へ送る天井サーキュレーターをメーカーオプションで選べます。
シエンタにリアクーラーはいらないですか?
2列目までの乗車で短距離が中心なら、車載扇風機やサンシェードなどの市販用品でも後ろの暑さを改善できる可能性があります。
3列目へ小さな子どもや暑さに弱い家族を頻繁に乗せる場合は、実車で空調の効きを確認したうえで判断しましょう。
シエンタのリアクーラー対策についてのまとめ
シエンタには、現行10系と170系のどちらにも、大型ミニバンのような独立した後席用リアクーラーはありません。
現行10系では、ZとGに天井サーキュレーターをメーカーオプションで選べます。
ただし、天井サーキュレーターは冷気を作る装置ではなく、前席エアコンの空気を後方へ送る装置です。
後席を効率よく冷やすには、次の対策を組み合わせましょう。
- 乗車前に窓やドアを開けて熱気を逃がす
- A/CをONにしてエコ空調を解除する
- 一時的に内気循環へ切り替える
- 吹き出し口を中央・上向きにする
- 天井サーキュレーターや車載ファンで冷気を送る
- サンシェードや断熱フィルムで日射熱を減らす
- エアコンフィルターと冷媒系統を点検する
170系やXグレードでは、ヘッドレスト固定式ファンと車種対応サンシェードを組み合わせる方法から始めると取り入れやすいです。
これから新車を注文する方で、2列目や3列目へ家族を乗せる機会が多い場合は、ZまたはGの天井サーキュレーターを検討しましょう。
一方、3列目を日常的に使い、真夏の後席冷房を最優先する場合は、リアクーラーやリアオートエアコンを選べる別車種も比較した方が後悔しにくくなります。
暑さ対策用品を追加する場合も、乗り換える場合も、まずは家族がどの座席へどのくらいの時間乗るのかを整理してください。
2列目までで短距離中心なら、市販用品でも十分改善できる可能性があります。
3列目へ小さな子どもや暑さに弱い家族を頻繁に乗せるなら、実車で空調の効きを確認したうえで判断しましょう。
