シエンタ

シエンタの駆動用電池の冷却部品のメンテナンス方法と費用を解説

当ページのリンクには広告が含まれています。

※本記事の料金やサービス内容は一般的な目安です。正確な情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。また、契約に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。

シエンタに乗っていて、突然メーターパネルに「駆動用電池の冷却部品のメンテナンスが必要です」という警告メッセージが表示されたら、誰だって焦ってしまいますよね。

私自身も初めてこの表示を見たときは「えっ、故障?」「高額な修理代がかかるの?」「もう走れないの?」と頭の中が真っ白になりました。でも、まずは深呼吸して落ち着いてください。

これは「車が完全に壊れた」わけではありません。「電池を冷やすための空気の通り道にホコリが溜まっているから、お掃除してね」という、シエンタからのSOSサインなんです。

この記事では、170系や新型の10系にお乗りのシエンタオーナーさんが、このトラブルに直面した際にどう対処すべきか、自分でできるメンテナンス手順からプロに頼んだ場合の費用まで、私の経験を交えて徹底的に分かりやすくお話しします。

記事のポイント

  • 警告灯が表示される本当の意味と緊急性を正しく理解できる
  • 170系と10系のフィルター掃除の手順を具体的イメージで把握できる
  • ディーラーに頼む場合と自分で行う場合の費用の差が明確になる
  • バッテリー寿命を縮めないための絶対にやってはいけない禁止事項がわかる

シエンタの駆動用電池の冷却部品のメンテナンス方法

ここでは、実際に警告が出た際や、予防として行うメンテナンスの具体的な手順について、初心者の方でも迷わないように詳細に解説します。「車のメンテナンス」と聞くと、特別な工具が必要だったり、油まみれになったりする難しい作業を想像するかもしれません。

しかし、シエンタの冷却部品メンテナンスに関していえば、基本的には家庭にある掃除機が使えれば誰でもできる作業がほとんどです。

ただし、車種(型式)によって場所が全く違ったり、良かれと思ってやったことが逆に故障の原因になる「NG行動」があったりするので、作業前にここだけの情報はしっかりと押さえておきましょう。

シエンタ駆動用電池の警告灯の意味

電池がホコリで詰まり熱を持っている状態(マスクをして走る人)と、冷却が正常な状態(軽快に走る人)の比較イラスト

イメージ

まず、一番ドライバーを不安にさせる警告灯について深掘りしましょう。マルチインフォメーションディスプレイに表示される「駆動用電池の冷却部品のメンテナンスが必要です」というメッセージ。

これが出ると「レッカーを呼ばなきゃダメ?」と不安になりますが、結論から言うと「今すぐ路肩に停車しないといけない緊急事態」ではありません。

ハイブリッド車は、後部座席や床下に走行用の大きな電池(駆動用電池)を積んでいます。スマートフォンを使っていると本体が熱くなるのと同じで、この大きな電池も電気の出し入れ(充放電)を繰り返すことで熱を持ちます。

電池は熱に非常に弱く、高温になりすぎると急速に劣化してしまうため、車内の涼しい空気を取り込んで電池を冷やすための「冷却ファン」が回っているのです。

この警告メッセージは、その空気の入り口にある「フィルター」にホコリやペットの毛が詰まってしまい、「空気がうまく吸えないよ!このままだと電池を冷やせなくてオーバーヒートしちゃうよ!」と車が悲鳴を上げている状態なんです。

人間で例えるなら、マスクの上にさらに分厚いタオルを巻かれて、全力疾走させられているような息苦しい状態ですね。

警告灯のポイントまとめ

  • 「故障」そのものではなく、「掃除の催促(故障の予兆)」です。
  • 無視して放置すると、電池が高温になり、システム保護のために出力制限(アクセルを踏んでもスピードが出なくなる)がかかります。
  • 高速道路などを走行中の場合は、慌てて止まらず、目的地や安全な場所まで移動してから確認すれば大丈夫です。

10系と170系のフィルター場所

旧型シエンタ170系の助手席下と、新型シエンタ10系の後部座席足元にあるバッテリー吸気口の場所を示す写真

イメージ

シエンタは世代によって、この重要な「空気の入り口(吸気口)」の場所が大きく異なります。ここを間違えると、全く関係のない場所を一生懸命掃除することになってしまいますので、ご自身の車の型式に合わせて確認してください。

170系(先代モデル NHP170G)の場合

170系の吸気口は、少し分かりにくい場所にあります。具体的には「助手席の座面の下」です。

この場所は、後部座席に座った人が足を伸ばしたときにつま先が当たる位置であり、フロアマットから舞い上がったホコリをダイレクトに吸い込みやすい、いわば「過酷な環境」にあります。確認するためには、以下の手順が必要です。

  1. 助手席をスライドレールの一番前まで移動させます。
  2. 背もたれを前に倒すと作業スペースが確保できます。
  3. 後部座席の足元に回り込み、助手席の下を覗き込んでください。黒い樹脂製のカバー(吸気口)が見えます。

10系(新型モデル MXPL10G等)の場合

TNGAプラットフォームになった新型の10系は、メンテナンス性が少し向上しています。場所は「後部座席の足元側面(スライドドアを開けた足元の壁側)」にあります。

Bピラー(前席と後席の間の柱)の下あたりに、スリットの入った樹脂カバーが付いています。170系のように座席の下を覗き込む必要がなく、ドアを開ければすぐにアクセスできる位置に変更されています。

フィルターの純正品番と交換時期

掃除機で吸っても汚れが落ちない場合や、フィルターの繊維がほつれてボロボロになっている場合、あるいは汚れに油分が含まれていてベタベタしている場合は、迷わず新品に交換しましょう。

また、170系の前期モデルの一部など、そもそも不織布のフィルターが付いておらず、荒い「網」だけの状態の車もあります。そういった車両には、フィルターを後付けするのがハイブリッド乗り界隈では定番の対策になっています。

多くのトヨタ製コンパクトハイブリッド車(アクアやカローラフィールダーなど)で共通して使われている純正フィルターの品番は以下の通りです。通販サイトなどでも簡単に手に入ります。

トヨタ純正 ハイブリッドバッテリー用フィルター

品番:G92DH-52010

価格相場:約1,000円〜1,300円前後(税込)

交換時期の目安についてですが、メーカーの取扱説明書などでは「1万km〜2万kmごとの点検」が推奨されています。しかし、私の実体験から言わせていただくと、「半年に1回」または「オイル交換のついで」にチェックすることを強くおすすめします。

特に、以下のような条件に当てはまる方は、メーカー想定よりも遥かに早くフィルターが詰まります。

・車内にペット(犬や猫)を乗せることがある。

・お子さんが野球やサッカーなどで泥だらけの靴で乗る。

・ウール製品や毛布などをよく積んでいる。

これらに該当する場合は、3ヶ月に1回くらい覗いてみても損はありません。驚くほどホコリが溜まっているはずです。

掃除機や水洗いによる清掃手順

掃除機のブラシ付きノズルでホコリを吸い取る方法と、汚れがひどい場合にフィルターを水洗いする手順のイラスト

イメージ

では、具体的な掃除方法を解説します。基本的には「吸う」か「洗う」の二択ですが、力任せにやるとフィルターを破損させるので注意が必要です。

1. 掃除機で吸う場合(10系や軽い汚れの場合)

日常的なメンテナンスであれば、掃除機で吸い取るだけで十分です。10系の場合はカバーを外さずに表面から吸うこともできますが、できればカバーを外してフィルター単体にしてから掃除機をかけるのが理想的です。

ここで最も重要なポイントは、掃除機のノズルを必ず「ブラシ付き(ソフトブラシ)」に交換することです。

プラスチックの硬いノズルでガリガリと擦ると、フェルトのような繊細なフィルターの繊維が潰れたり、破れたりしてしまいます。繊維が潰れると空気の通りが悪くなり、本末転倒です。優しく撫でるように、表面のホコリを吸い取ってください。

2. 水洗いする場合(汚れがひどい時)

170系のフィルターなどで、ホコリがフェルト状に固着している場合は、取り外して水洗いするのが一番スッキリします。

バケツに水を張り、その中でフィルターを優しく揺らすか、指の腹で撫でるようにして汚れを落とします。汚れがひどい場合は中性洗剤をごく少量使用しても良いですが、洗剤成分が残ると吸湿の原因になるため、泡が出なくなるまで徹底的にすすぎを行ってください。

注意:乾燥は徹底的に行ってください!

水洗い後は、風通しの良い日陰で完全に乾かしてください。生乾きのまま装着すると、吸い込んだ湿気がバッテリーケース内に入り込み、内部のバスバー(金属板)の錆や、漏電センサーの誤作動を引き起こす重大なリスクがあります。「ドライヤーで急いで乾かす」のも熱変形の原因になるので避けましょう。

エアブローが禁止されている理由

エアダスターなどでホコリを奥に吹き飛ばすと、電池の故障や発火の原因になることを示す禁止マーク付きのイラスト

イメージ

メンテナンスにおいて、これは本当に大切なことなので、声を大にして強調しておきます。ガソリン車のエアクリーナー清掃の感覚で、洗車場にあるエアーコンプレッサーや缶のエアダスターを使って「プシュー!」とホコリを吹き飛ばす行為は、絶対にNGです。

「吹き飛ばしたほうが綺麗になるんじゃない?」と思う気持ちは痛いほど分かります。しかし、構造を考えてみてください。フィルターの奥には、空気を吸い込むためのファンがあり、そのさらに奥には高電圧のバッテリーがあります。

エアブローをしてしまうと、吹き飛ばされた微細なホコリがフィルターの目を通り抜け、冷却ファンのモーター軸や、バッテリーの端子部分に強制的に送り込まれてしまいます。これが原因で、以下のような深刻なトラブルを招く可能性があります。

エアブローによる故障リスク

  • 冷却ファンの軸受にゴミが入り込み、異音や完全停止の原因になる。
  • バッテリー端子間にホコリが堆積し、湿気を吸って「トラッキング現象(ショート)」を引き起こし、最悪の場合発火のリスクがある。
  • 吸気ダクト内のセンサーを汚損させ、誤検知の原因になる。

トヨタ自動車の公式取扱説明書にも、吸入口の清掃時にエアブローを使用しないよう明記されています。(出典:トヨタ自動車『トヨタ アクア 取扱説明書 駆動用電池冷却用吸入口の清掃』※シエンタも同構造)

「綺麗にするつもりが、逆に車にトドメを刺してしまった」なんてことにならないよう、必ず「手前に吸い取る」「外して水洗い」のどちらかを守ってくださいね。

シエンタの駆動用電池の冷却部品のメンテナンス費用に関する知識

自分でやるのは壊しそうで怖い、あるいは仕事や家事が忙しくて時間がないという方は、無理をせずプロにお任せするのも賢い選択です。ここでは、ディーラーにお願いした場合のリアルな費用感や、知っておくと得するメンテナンス知識についてお話しします。

ディーラーでの作業工賃と費用

セルフメンテナンス(0円)とディーラーでの清掃・交換費用の比較表

イメージ

「ディーラーに頼むと数万円取られるんじゃない?」と心配される方も多いですが、実はこの冷却部品のメンテナンス作業は、そこまで高額ではありません。

一般的なトヨタディーラーでの費用目安は以下の通りです。

作業内容 費用の目安 備考
フィルター清掃のみ 約3,300円 〜 4,400円 技術料(工賃)のみ
フィルター交換 約4,500円 〜 5,500円 技術料 + 部品代(約1,000円)

自分で行えば部品代(約1,000円)だけ、あるいは清掃ならタダで済みますが、約4,000円〜5,000円でプロが確実に作業してくれて、ついでにタイヤの空気圧や他の箇所の簡易点検もしてもらえると考えれば、決して高くはない投資かなと思います。

「安心を買う」という意味では、車検や点検のタイミングでディーラーにお願いするのも非常におすすめです。

前期モデルへのフィルター後付け

先ほど少し触れましたが、170系シエンタの前期モデルにお乗りの方は、一度ご自身の車の助手席の下を確認してみてください。

もし、黒い不織布のフィルターが装着されておらず、単なるプラスチックの粗い網だけだった場合、フィルターの後付けを強くおすすめします。

網だけの状態だと、大きなゴミは防げますが、細かいチリや綿埃はどんどんバッテリー内部に入り込んでしまいます。これが長年蓄積すると、冷却ファンの羽根にホコリがこびりつき、冷却能力が低下します。

後から純正フィルター(G92DH-52010)を購入してパチッとはめるだけで簡単に装着できるケースがほとんどです。たった1,000円ちょっとでバッテリーの保護能力が格段に上がるので、これはやっておいて損はない「コスパ最強の延命チューン」です。

メンテナンスモードとリセットの関係

フィルター清掃後、特別な操作なしで20〜30分走行することで学習機能により警告が消えることを示す図解

イメージ

「警告灯が出て鬱陶しいから、ネットに書いてある裏技のメンテナンスモードで消せないかな?」と考える方もいるかもしれません。

YouTubeやブログで検索すると、ブレーキとアクセルを特定の手順で踏んで「整備モード(メンテナンスモード)」に入れる方法が出てきますが、メンテナンスモードに入れても、この冷却部品の警告は消えません。

なぜなら、この警告は「一定期間経ったから出している」タイマー式のお知らせではなく、各種温度センサーやファン回転数などの実測値に基づいて「物理的に空気が通っていない」ことを検知して出している警告だからです。

つまり、根本的な原因である「フィルターの詰まり」を取り除かない限り、何度リセット操作をしても、走り出せばすぐにまたセンサーが異常を検知して点灯します。

逆に言えば、しっかりと掃除をして空気がスムーズに通るようになれば、特別なリセット操作や診断機を使わなくても、通常通りに20分〜30分程度走行すれば、学習機能によって自然と警告灯は消えます。

車が「おっ、ちゃんと冷えるようになったな、風が通るようになったな」と判断してくれるわけですね。

バッテリー寿命を延ばすコツ

ハイブリッド車の心臓部である駆動用バッテリーは、万が一交換となると15万円〜20万円コースの高額修理になります。愛車のシエンタを長く乗り続けるためには、このバッテリーをいかにいたわるかが何より大切です。

バッテリーの寿命を縮める一番の原因は「熱」です。化学反応で動く電池にとって、高温状態は大敵です。フィルターが詰まったまま乗り続けるということは、真夏にダウンジャケットを着て全力疾走しているようなもの。

冷却されずに常に高温状態にさらされたバッテリーは、内部劣化が進行し、確実に寿命が短くなります。

「たかがフィルター掃除」と思わず、こまめな清掃を行うことが、結果的に数十万円の出費を防ぐ最強の節約術になります。オイル交換と同じくらい、このフィルターの存在を気にかけてあげてください。

お得なカーリースや中古車選び

もし、今のシエンタのバッテリーが既に寿命を迎えていて、ディーラーで高額な交換費用を提示されてしまった場合、あるいは走行距離が10万kmを超えていて今後の維持費が不安な場合は、修理せずに乗り換えを検討する良いタイミングかもしれません。

「次は突発的な修理費におびえず、維持費を気にせず新車に乗りたい」という方には、車検代やメンテナンス費用もコミコミにできるカーリースなら【SOMPOで乗ーる(そんぽでのーる)】がおすすめです。

月々の支払いが定額になるので、家計の管理がすごく楽になりますし、輸入車も選べるプランがあったりと選択肢が豊富です。

また、「やっぱり自分の車として所有したい、でも費用は抑えたい」という方は、在庫数が圧倒的に豊富で、希望の条件が見つかりやすいカーセンサーで、状態の良い中古車を探してみるのも良いでしょう。

中古車を選ぶ際は、整備記録簿を確認して、冷却系のメンテナンスやバッテリーチェックがしっかり行われている個体を選ぶのが安心です。

シエンタ駆動用電池の冷却部品のメンテナンスまとめ

焦らず対処、掃除機で吸う、こまめな掃除が節約になるという3つのポイントをまとめたスライド

イメージ

今回は、「シエンタ 駆動用電池の冷却部品のメンテナンス」について、手順から費用まで詳しく解説してきました。最後にこの記事の要点をまとめておきます。

  • 警告灯は「掃除のサイン」。故障と早合点せず、焦らず対応すれば大丈夫。
  • 170系は「助手席の下」、10系は「後席足元の側面」を確認する。
  • 掃除は「掃除機(ソフトブラシ)」か「水洗い(完全乾燥)」で。エアブローは故障の原因になるので絶対NG!
  • フィルター品番は「G92DH-52010」が定番。前期モデルへの後付けも効果的。
  • 警告灯は掃除してしばらく走れば自然に消える。消えない場合はディーラーへ。

シエンタは荷物もたくさん積めて、燃費も良く、スライドドアで使い勝手も抜群な、本当に家族想いの車です。そんな大切な相棒の健康を守るために、たまには足元のフィルターを覗いて、深呼吸させてあげてくださいね。

ほんの少しの手間で、あなたのシエンタはもっと長く、元気に走り続けてくれるはずです。

※本記事の情報は一般的な目安であり、執筆者の経験に基づくものです。正確な情報は必ずトヨタの公式サイトや車両の取扱説明書をご確認ください。作業に不安がある場合は、無理をせずディーラー等の専門家にご相談ください。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

D

クルマの価値観を“シフト”する次世代のカーメディア。アルファード、ヤリスクロス、プリウスなど人気車種の本質を深掘りするインプレッション、デザインレビュー、テクノロジー解説。あなたのクルマ選びをアップデートします。

-シエンタ