シエンタを4ナンバーにすると税金が安くなると聞いて、本当に得なのか、後席はどうなるのかが気になっていませんか。
結論から言うと、4ナンバーにすると自動車税は下がりますが、車検が毎年になり、構造変更の費用や後席の制約も加わるため、税額の差だけで得とは言えません。
比較的新しいシエンタでは改造費を回収しにくく、13年を超えたガソリン車を2〜3人乗りで長く使う場合に得になる可能性があります。
この記事では、税金・車検・保険・高速料金の変化と、後席を残せるかどうかの条件を整理し、自分の車で損か得かを判断する材料をまとめます。
記事のポイント
- 後席を残す4人以上の登録は自動車税が年14,300円、3人以下は年8,000円
- 車検は毎年になり、自賠責も1年ごとの契約になる
- 高速道路の料金は4ナンバーでも普通車のまま変わらない
- 新しいシエンタは改造費を回収しにくく、13年超のガソリン車は条件しだい
4ナンバーにすると税金はいくら下がるか
4ナンバーの税額は、何人乗りで登録するかと、最大積載量によって変わります。
ここでは排気量1.5Lのシエンタを例に、自動車税と重量税の違いを確認します。
自動車税は乗車定員で2つに分かれる
後席を残して4人以上が乗れる貨客兼用車と、3人以下の貨物車では、自動車税の区分が違います。
| 登録の区分 | 条件 | 自動車税(年額) |
|---|---|---|
| 乗用(今のシエンタ) | 2019年10月1日以降に初めて登録 | 30,500円 |
| 乗用(今のシエンタ) | 2019年9月30日以前に初めて登録 | 34,500円 |
| 4ナンバーの貨客兼用車 | 乗車定員4人以上・最大積載量1t以下 | 14,300円 |
| 4ナンバーの貨物車 | 乗車定員3人以下・最大積載量1t以下 | 8,000円 |
2019年10月以降に登録した乗用のシエンタと比べると、年間の差は貨客兼用車で16,200円、貨物車で22,500円です。
「4ナンバーなら8,000円」は3人以下で登録した場合で、後席を残して4人以上が乗れる状態のまま8,000円になるわけではありません。(参考:東京都主税局の自動車税種別割の税率)
重量税は1年ごとの車検で納める
重量税は、乗用車は2年ごと、4ナンバーの貨物車は1年ごとに、車検のときに納めます。
乗用のシエンタ(車両重量1.5t以下)は2年分で、エコカーの本則税率なら15,000円、エコカー以外なら24,600円です。
4ナンバーにしたあとは車両総重量で区分が決まり、1年分ずつ納めます。
実際の税額は、国土交通省の重量税の税額表と、構造変更後の車検証の車両総重量で確かめてください。
13年を超えたガソリン車は差が広がる
新車登録から13年を超えたガソリン車は、自動車税が重くなる重課の対象です。
重課の割合は乗用車がおおむね15%、貨物車がおおむね10%で、1.5Lのシエンタでは乗用が39,600円、3人以下の貨物が8,800円になり、差は年30,800円に広がります。
ガソリンを燃料とするハイブリッド車は、この重課の対象外です。
自動車税以外の2026年の税制の変化は、シエンタの補助金と2026年の税制を解説した記事で整理しています。
税金以外に増える費用と変わらない費用
4ナンバー化では、税金が下がる代わりに、車検と自賠責の払い方が変わります。
任意保険と高速道路の料金もあわせて確認します。
車検が毎年になる
自家用の乗用車は初回3年・その後2年ごとの車検ですが、車両総重量8t未満の貨物車は初回2年・その後1年ごとです。
今のシエンタを4ナンバーに変えたあとは、毎年車検を受けることになります。
重量税や自賠責とは別に、車検の基本料や手続きの代行料が毎年かかり、入庫の手間も増えます。
自賠責も1年ごとの契約になる
自賠責保険は、4ナンバーにすると車検に合わせて12か月ごとに契約することになります。
保険料は車の種類と契約期間で決まり、2026年11月1日以降に始まる契約から改定されるため、構造変更の前に販売店や保険会社で金額を確かめてください。
任意保険は見積もりを取ってから決める
任意保険は、乗用車と小型貨物車で保険料の決まり方が変わります。
乗用車の保険料に使われる型式別料率クラスは、自家用の普通・小型・軽四輪の乗用車が対象で、4ナンバーの貨物車には使われません。
そのため、4ナンバーにして保険料が下がるか上がるかは、年齢や等級、使用目的などで変わり、一律には言えません。
構造変更の前に、契約中の保険会社へ用途の変更を伝えて、変更後の保険料の見積もりを取ってください。
高速道路の料金は変わらない
NEXCOの車種区分では、4ナンバーの小型貨物自動車も、5・7ナンバーの小型乗用自動車も「普通車」です。
そのため、同じ区間を同じ条件で走れば、4ナンバーにしても高速道路の料金は変わりません。

4ナンバーにするための条件と後席の制約
4ナンバーにするには、後席を外すだけでなく、貨物車として国の基準を満たす構造にして、構造等変更検査を受ける必要があります。
後席をどこまで残せるかも、この条件で決まります。
荷室の広さや積み下ろし口に基準がある
国土交通省の用途の区分では、小型貨物車として認められるための主な条件が次のように示されています。
- 荷物を積む床面積が1㎡以上ある
- 座席をすべて使った状態でも、荷物を積む部分の床面積が乗る部分より広い
- 荷物を積める重量が、乗る人の重量より大きい
- 荷物の積み下ろし口が縦横800mm以上、面積0.64㎡以上ある
- 乗る人と荷物の間に隔壁や保護仕切りがある
最大積載量が500kg以下で、座席の背もたれで乗る人が荷物から守られる構造の場合は、仕切りを付けなくてよい例外があります。
後席を残して4人以上で乗る構成は、この荷室の条件を満たせるかが実車の寸法しだいで、すべてのシエンタで認められるわけではありません。(参考:国土交通省の自動車の用途等の区分について)
後席とチャイルドシートの使い方
車検証に書かれた乗車定員を超えて人を乗せることはできず、車検のときだけ座席を外すような使い方もできません。
2人乗りや3人乗りで登録した場合、荷室に人を乗せて走ることはできません。
4ナンバーでも全席でシートベルトの着用が必要で、6歳未満の子どもには原則としてチャイルドシートを使います。
子どもを乗せる家庭は、改造したあとも正規にチャイルドシートを付けられる席が残るかを、施工の前に確かめてください。
シエンタでチャイルドシートを付けられる席は、シエンタのISOFIXの場所を解説した記事で紹介しています。
構造変更の手続きと費用
乗車定員や最大積載量、用途が変わる場合は、運輸支局で構造等変更検査を受け、車検証とナンバープレートを変更します。
検査では、寸法や重量、乗車定員、最大積載量のほか、荷室の広さや座席、シートベルトなどが確認されます。
改造と構造変更の費用は施工内容で大きく変わり、シエンタについて全国共通の価格は公表されていません。
後席を残す構成や内装の加工が多いほど費用は上がりやすいため、構造変更の検査に慣れた業者で見積もりを取って比べてください。
トヨタは最初から4ナンバー・2人乗りで登録する「JUNO」も販売していて、どのような車かはシエンタJUNOの価格と2人乗りの使い方を解説した記事で紹介しています。
自分のシエンタで得か損かを判断する
4ナンバー化の損得は、何人乗りで登録するか、車の年数、改造費、任意保険の4つで大きく変わります。
判断に必要な項目と、車の年数ごとの目安をまとめます。
差額を出すときに入れる項目
4ナンバーにして得かどうかは、次の項目を1年あたりに直して足し引きすると判断できます。
- 自動車税の差(2019年10月以降の登録なら年16,200円または22,500円)
- 毎年の車検で増える基本料や代行料
- 重量税と自賠責の払い方の変化
- 改造と構造変更の費用
- 用途を変えたあとの任意保険の保険料
自動車税の差は1年あたり1万〜2万円台なので、車検の基本料が毎年かかる分を引くと、手元に残る差は小さくなりやすいです。
任意保険が上がると差がさらに縮み、損得が逆転することもあります。
新しいシエンタは元が取りにくい
2019年10月以降に登録した比較的新しいシエンタでは、自動車税の差を毎年の車検にかかる費用が吸収しやすく、改造費を回収するまでに長い期間がかかります。
後席を手放すと家族で使う車としての価値も下がるため、節税だけを目的にした4ナンバー化は勧めにくいと私は考えます。
13年を超えたガソリン車は条件しだいで得になる
13年を超えたガソリン車を2〜3人乗りの貨物にする場合は、自動車税の差が年30,800円まで広がり、節約できる額が大きくなります。
改造費を抑えられ、任意保険が上がらず、長く乗り続けるなら、元が取れる可能性があります。
数年以内に買い替える予定なら改造費を回収できないため、先に何年乗るかを決めてから見積もりを取ってください。

すでに4ナンバーに改造済みの車は、乗用に戻す費用がかかるため、後席が不要なら金額の面では維持したほうが有利になりやすいです。
シエンタの4ナンバーに関するよくある質問
シエンタを4ナンバーにしても5人乗りのまま使えますか?
後席を残した貨客兼用車として認められれば4人以上で乗れますが、荷室の広さなどの条件を満たす必要があり、すべての車で認められるわけではありません。
4人以上で登録した場合の自動車税は、3人以下の場合の8,000円ではなく、1.5Lで年14,300円です。
シエンタの4ナンバー化は自分でできますか?
座席を外すだけでは4ナンバーにならず、運輸支局で構造等変更検査を受けて登録を変える必要があります。
座席やシートベルトに関わる加工も伴うため、構造変更の検査に慣れた業者に相談するのが現実的です。
シエンタのJUNOも4ナンバーの税金になりますか?
JUNOは最初から4ナンバー登録・乗車定員2名の車なので、自動車税は乗車定員3人以下の区分になります。
走行中は荷室に乗れない点は、4ナンバーに改造した車と同じ考え方です。
シエンタの4ナンバー化のまとめ
シエンタを4ナンバーにすると、自動車税は貨客兼用車で年14,300円、3人以下の貨物車で年8,000円に下がります。
一方で、車検は毎年になり、自賠責も1年ごとの契約になり、構造変更の費用もかかります。
高速道路の料金は変わらず、任意保険は条件しだいで上がることも下がることもあります。
比較的新しいシエンタでは改造費を回収しにくく、13年を超えたガソリン車を2〜3人乗りで長く使う場合に得になる可能性があります。
後席を使う頻度と何年乗るかを決め、改造費と任意保険の見積もりを取って、数年分の総額で比べてから判断してください。
税額や保険料は変わることがあるため、最終的な判断は最新の公式情報と見積もりで確認したうえで行ってください。




