トヨタの人気コンパクトミニバン「シエンタ」の購入を検討しているけれど、日々の使い勝手に直結するガソリンタンクの容量や燃費性能について、より深く知りたいと思っていませんか?
特に、2022年にフルモデルチェンジされた新型と旧型とで燃料タンク容量に違いはあるのか、170系シエンタのタンク容量は十分なのか、そして圧倒的な低燃費を誇るシエンタハイブリッドの燃料タンク容量がどのくらいで、一度の給油でどこまで走れるのかは、購入後の維持費をシミュレーションする上で非常に重要なポイントです。
また、意外と知らないガソリンタンクの正しい開け方や、旧型シエンタの給油口の位置、さらには「ガソリン車は燃費が悪い」という噂の真相など、気になる点は尽きないでしょう。
シエンタのガソリンタンクのサイズは、一体どれほどのポテンシャルを秘めているのでしょうか。この記事では、シエンタのガソリンタンクに関するあらゆる疑問に、データを交えながら詳しくお答えします。
記事のポイント
- シエンタの燃料タンク容量が新型・旧型、グレード別に詳しくわかる
- 給油口の正しい位置や、初心者でも迷わない開け方の手順が理解できる
- ガソリンモデルとハイブリッドモデルの航続距離の具体的な目安がわかる
- カタログ燃費と実燃費の違いや、燃費に影響を与える要因について把握できる
シエンタのガソリンタンクの基本仕様
- シエンタのガソリンタンクのサイズは?
- 旧型シエンタのガソリンタンク位置を解説
- 簡単!シエンタのガソリンタンクの開け方
- 旧型シエンタの燃料タンク容量は42L
- 170シエンタのタンク容量と航続距離
シエンタのガソリンタンクのサイズは?
シエンタのガソリンタンクのサイズ(容量)は、モデルの新旧、つまり世代によって異なります。具体的には、2022年8月にフルモデルチェンジを経て登場した新型シエンタ(3代目・10系)のタンク容量は40リットルに設計されています。
一方で、その前のモデルである旧型シエンタ(2代目・170系)のタンク容量は42リットルとなっており、新型になって2リットル減少しました。
この容量変更は、一見すると航続距離が短くなるデメリットのように思えるかもしれません。しかし、これは車両全体の性能向上を目的とした、計算された設計見直しの一環です。
新型シエンタはTNGAプラットフォームの採用により、ボディの軽量化と高剛性化を両立させています。
タンク容量がわずかに小さくなったものの、最新のエンジンや高効率なハイブリッドシステムの恩恵で燃費性能が大幅に向上しているため、結果として実際の航続距離は旧型を上回るケースが多くなっています。
この点は、新旧シエンタを比較検討する上で、必ず知っておきたい重要な進化のポイントと言えるでしょう。
タンク容量のポイント
- 新型シエンタ(10系):40リットル
- 旧型シエンタ(170系):42リットル
容量は2リットル減りましたが、燃費性能が飛躍的に向上したため、満タンで走れる距離は新型の方が長くなっています。これは技術的な進化の証です。
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参考シエンタのガソリン容量!新型と旧型(170系)の違い
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旧型シエンタのガソリンタンク位置を解説
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シエンタのガソリンタンクの給油口(フューエルリッド)は、車両の左側後方に一貫して配置されています。これは、現行の新型モデル(10系)だけでなく、旧型シエンタ(170系)や初代モデルでも同様のレイアウトが採用されています。
具体的には、後部座席用の左側スライドドアのすぐ後ろ、リアタイヤの上あたりに給油口があります。
そのため、セルフサービスのガソリンスタンドなどを利用する際には、給油機に対して車両の左側を近づけるように停車すると、給油ホースが届きやすく非常にスムーズです。
給油口の位置は、ガソリンスタンドでの操作性はもちろん、駐車場で壁際に停める際の向きにも影響するため、オーナーになるなら事前にしっかりと把握しておくと安心です。
簡単!シエンタのガソリンタンクの開け方
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シエンタのガソリンタンクのフタ(給油口)は、運転席からの簡単なレバー操作で開けることができます。近年の車では標準的な仕様ですが、盗難やいたずら防止の観点から、車外から手で直接開けることはできず、フタ自体に鍵穴もありません。
給油が初めての方でも迷わないよう、具体的な開け方の手順を以下に示します。
- 運転席右下のレバーを引く運転席に座った状態で、右側の足元、床面に給油口を開けるためのレバー(フューエルリッドオープナー)があります。多くの場合、ボンネットを開けるレバーの近くに配置されています。ガソリンスタンドの給油機マークが描かれている方のレバーを手前に「カチッ」と音がするまで引くと、車体左後方の給油口のフタが少し浮き上がります。
- 燃料口キャップを反時計回りに回して外す給油口のフタを開けると、内部に黒い樹脂製の燃料口キャップが見えます。このキャップを、ペットボトルのキャップを開けるのと同じ要領で反時計回りにゆっくりと回して取り外してください。
- キャップをフタ裏のホルダーに掛ける取り外したキャップは、給油口のフタの裏側に設けられた専用のホルダーに引っ掛けておくことができます。これにより、キャップを地面に置いて汚してしまったり、給油中に転がって紛失してしまったりするトラブルを防ぐことが可能です。
- 給油後、キャップを確実に閉める給油が完了したら、燃料口キャップを時計回りに回して、しっかりと閉め込みます。キャップが正しく締まると、空転して「カチッ」「カチカチッ」という音が鳴る仕組みになっています。この音がするまで回すことが、燃料漏れや蒸発ガスの放出を防ぐために非常に重要です。
- 給油口のフタを閉める最後に、給油口のフタを手で「パチン」と音がしてロックがかかるまで、しっかりと押し込んで閉めればすべての作業は完了です。
給油口が開かない!そんな時のチェックポイント
シエンタには、給油時の安全性を高めるための重要な機能として、左側のパワースライドドアが開いている、または半ドアの状態だと給油口のオープナーレバーを操作してもフタが開かない仕組みになっています。これは、給油中にスライドドアが開き、給油ノズルやホースに接触する事故を防ぐための安全装置です。もしレバーを引いても給油口が開かない場合は、慌てずに、まず左側スライドドアが完全に閉まっているかをインジケーター等で確認してみてください。特にお子様などが後部座席から降りた直後などは注意が必要です。
旧型シエンタの燃料タンク容量は42L
2015年から2022年という長期間にわたって販売され、多くのファミリーに愛された旧型シエンタ(2代目・170系)の燃料タンク容量は、42リットルです。
この容量は、1.5Lガソリンエンジンを搭載したモデルと、ハイブリッドシステムを搭載したモデルで共通の仕様となっていました。
42リットルという容量は、5ナンバーサイズのコンパクトミニバンとして、非常に実用性と経済性のバランスが取れた設定です。
日常の買い物や子供の送り迎えといった短距離の利用はもちろん、週末の家族でのレジャーや、帰省などの少し長距離のドライブにも、給油の頻度を気にすることなく十分に対応できるサイズ感です。
過度にタンクを大きくして車両重量を増やすことなく、当時の優れた燃費性能と組み合わせることで、十分な航続距離を確保するための最適な容量が選択されたと言えるでしょう。

170シエンタのタンク容量と航続距離
前述の通り、170系シエンタのタンク容量は42リットルです。では、このガソリン満タンの状態で、一体どれくらいの距離を走行することが可能なのでしょうか。
航続距離は「タンク容量 × 燃費」で計算されるため、燃費性能が鍵となります。ここでは、当時のカタログ燃費を基に計算してみましょう。
170系シエンタの代表的なグレードのカタログ燃費(JC08モード)は以下の通りです。
- ハイブリッド車(2WD):27.2km/L
- ガソリン車(2WD):20.2km/L
この燃費性能の数値を基に、満タン時の理論上の最大航続距離を算出すると、以下のようになります。
モデル | タンク容量 | カタログ燃費(JC08モード) | 理論上の最大航続距離 |
ハイブリッド車(2WD) | 42 L | 27.2 km/L | 約1,142 km |
ガソリン車(2WD) | 42 L | 20.2 km/L | 約848 km |
知っておくべき実燃費との違い
上記の航続距離は、あくまで国が定めた特定の試験条件下で測定された「カタログ燃費」を基にした計算値です。私たちが実際に公道を走る際の燃費(実燃費)は、運転スタイル(急発進・急加速・急ブレーキの頻度)、エアコンのオンオフ、高速道路か一般道かといった道路状況、渋滞の有無、乗車人数や荷物の重さなど、無数の要因によって常に変動します。一般的に、実燃費はカタログ燃費の7割から8割程度になることが多いと言われています。したがって、実際の航続距離は上記の計算値よりも短くなる可能性が高いことを念頭に置いておく必要があります。
とはいえ、この計算結果からも、170系シエンタが日帰りや一泊二日の旅行程度なら給油なしで往復できるほどの、十分な航続性能を秘めていることがお分かりいただけるでしょう。
モデル別シエンタのガソリンタンクと燃費
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- 新型シエンタの燃料タンク容量の進化
- シエンタハイブリッドの燃料タンク容量
- ガソリンモデルは燃費悪いと言われる理由
- 航続距離はモデルによってどれくらい違う?
- シエンタのガソリンタンク情報を総括
新型シエンタの燃料タンク容量の進化
2022年8月に華々しくデビューした新型シエンタ(3代目・10系)では、燃料タンク容量が旧型の42リットルから40リットルへと、2リットル削減されました。
この数字だけを見ると「スペックダウンではないか」と感じるかもしれませんが、これはシエンタが遂げた大きな「進化」を象徴する変更点なのです。
その最大の理由は、クルマの基本骨格であるプラットフォームにあります。新型シエンタは、最新の「TNGAプラットフォーム(GA-B)」を採用したことで、ボディの剛性を大幅に高めながら軽量化を実現しました。
さらに、搭載されるエンジンは熱効率を追求した「ダイナミックフォースエンジン」に刷新され、ハイブリッドシステムもより小型で高効率な新世代のものへと進化しています。
トヨタ自動車の公式情報にもあるように、これらの技術革新によって、燃費性能が飛躍的に向上しているのです。
つまり、タンク容量を2リットル削減しても、それを補って余りあるほどの圧倒的な低燃費を実現したことで、結果的に満タン時の航続距離は旧型モデルを大きく上回る性能を手に入れました。
これは、単にタンクを小さくしてコストを削減したのではなく、車全体の効率性を極限まで高めることで、より少ない燃料で、より環境に優しく、より長く走れるようにしたという、トヨタの技術的な進化の証左なのです。
新型シエンタの「進化」のポイント
燃料タンク容量を40Lに最適化しつつ、プラットフォームやパワートレインの全面刷新によって燃費性能を劇的に向上。これにより、航続距離の伸長と環境性能の向上という、二つの大きな価値を両立させることに成功しています。
シエンタハイブリッドの燃料タンク容量
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新型シエンタ ハイブリッドモデルの燃料タンク容量は、ガソリンモデルと共通の40リットルです。
この最適化された40リットルという容量と、世界トップレベルの燃費性能を誇る最新ハイブリッドシステムが組み合わさることで、多くのユーザーが驚くほどの驚異的な航続距離を実現しています。
新型シエンタ ハイブリッドの上位グレード(2WD・Z/G)のカタログ燃費(WLTCモード)は28.2km/Lです。この数値を基に、ガソリン満タン時の航続距離を計算してみましょう。
40L(タンク容量) × 28.2km/L(燃費) = 1,128km
これはあくまで理論上の数値ですが、一度の給油で1,000km以上の走行が可能という計算結果になります。例えば、東京ICから本州の西端である下関ICまでの高速道路距離が約930kmですから、そのすごさが実感できるのではないでしょうか。
日々の給油回数が劇的に減ることで時間と手間の節約になるだけでなく、お盆や年末年始の帰省、夏休みの家族旅行といった長距離ドライブでも、ガソリンスタンドの心配をせずに済むのは、精神的にも大きなメリットです。

ガソリンモデルは燃費悪いと言われる理由
シエンタの購入を検討する中で、ガソリンモデルに対して「燃費が悪い」という口コミや評価を目にすることがあるかもしれません。しかし、この評価は言葉通りに受け取るのではなく、その背景を正しく理解する必要があります。
ガソリンモデルの燃費性能が「悪い」と評されることには、主に3つの理由が考えられます。
1. 比較対象であるハイブリッドモデルの燃費が「良すぎる」ため
最大の理由は、同じシエンタのハイブリッドモデルの燃費が、クラスの常識を覆すほど圧倒的に優れていることです。
新型シエンタのカタログ燃費(WLTCモード)を比較すると、ガソリン車(2WD)が18.3km/Lであるのに対し、ハイブリッド車(2WD)は28.2km/Lにも達します。
この10km/L近い差を目の当たりにすると、どうしても相対的にガソリン車が見劣りしてしまい、「燃費が悪い」という印象につながってしまうのです。
2. 車両重量とボディ形状に起因する物理的な特性
シエンタは、後席に便利なスライドドアを備え、最大7人乗車が可能なコンパクトミニバンです。
そのため、同じ1.5Lエンジンを搭載するヤリスのようなハッチバックと比較すると、車両重量が重く、車高も高いため空気抵抗を受けやすいという物理的なハンディキャップがあります。これは燃費性能に直接影響を与える避けられない要因です。
3. ガソリンエンジンが苦手とする走行シーン
一般的なガソリンエンジンは、発進・停止を頻繁に繰り返す渋滞路や市街地での走行で燃費が悪化しやすい特性を持っています。特に信号待ちなどのアイドリング中も常に燃料を消費し続けます。
モーターによるクリープ走行やエンジン停止が可能なハイブリッド車に比べ、このような状況下での燃費の落ち込みが目立ちやすいのも事実です。
ガソリンモデルの名誉のために
ここで強調しておきたいのは、シエンタのガソリン車の燃費(WLTCモードで18.3km/L)は、同クラスのコンパクトミニバンというカテゴリーの中では決して悪い数値ではなく、むしろトップクラスに優秀な部類に入るということです。また、車両本体価格がハイブリッドモデルよりも数十万円安価なため、年間の走行距離が5,000km程度と少ない方や、初期費用を抑えたい方にとっては、燃料代の差額を考慮するとガソリン車の方がトータルコストで有利になるケースも十分に考えられます。
「燃費が悪い」という一面的なイメージだけで判断せず、ご自身の年間走行距離や予算、使い方を総合的に考慮して、最適なパワートレインを選ぶことが重要です。
航続距離はモデルによってどれくらい違う?
シエンタの満タン航続距離は、これまで見てきたように、モデルの新旧、パワートレイン(ガソリンかハイブリッドか)、さらには駆動方式(2WDか4WDか)によって大きく異なります。
ここでは、より実走行に近いとされる燃費測定モードである「WLTCモード」の数値を基に、各モデルの理論上の航続距離がどれほど違うのかを一覧表で比較してみましょう。
モデル | パワートレイン / 駆動方式 | タンク容量 | 燃費 (WLTCモード) | 理論上の航続距離 |
新型シエンタ (10系) | ハイブリッド (2WD) | 40 L | 28.2 km/L ※1 | 約1,128 km |
ハイブリッド (E-Four) | 40 L | 25.3 km/L | 約1,012 km | |
ガソリン (2WD) | 40 L | 18.3 km/L | 約732 km | |
旧型シエンタ (170系) | ハイブリッド (2WD) | 42 L | 22.8 km/L ※2 | 約957 km |
ガソリン (2WD) | 42 L | 17.0 km/L ※2 | 約714 km |
※1 新型ハイブリッドZ/Gグレードの数値。Xグレードは28.5km/L、エントリーグレードのX(5人乗り)は28.8km/Lです。
※2 旧型シエンタの燃費はJC08モードで表記されることが多いですが、ここでは比較のためWLTCモードの数値を記載しています。
出典:燃費値はトヨタ自動車公式サイトおよび自動車カタログ情報を参照。実際の航続距離は運転状況や環境により大きく変動します。
この比較表から、新型ハイブリッドモデルの航続距離が突出して長いことが一目瞭然です。
特に2WDモデルでは1100kmを超え、給油の手間を大幅に削減できるため、長距離移動が多い方や日々の運転が頻繁な方にとって、この上なく頼もしい相棒となってくれるでしょう。
一方で、ガソリンモデルも700km以上の航続距離を確保しており、日常使いから週末のレジャーまで、不便を感じることはまずありません。ご自身のライフスタイルや車の使い方を想像しながら、この数値を参考に最適なモデルを選ぶことが大切です。
シエンタのガソリンタンク情報を総括
この記事では、シエンタの購入を検討している方が知りたいガソリンタンク容量や給油口の位置、そして気になる航続距離について、新型と旧型を比較しながら詳しく解説しました。
本記事の重要なポイントをまとめると、新型シエンタのタンク容量は40L、旧型は42Lであり、容量こそ新型は減少したものの、燃費性能の飛躍的な向上により航続距離では旧型を上回ります。このタンク容量はガソリン、ハイブリッド共に共通です。
また、給油口は全モデル共通で車両の左後方にあり、運転席のレバーで操作しますが、安全のため左側スライドドアが開いていると開かない仕組みになっています。
給油後はキャップが「カチッ」と音がするまで確実に閉めましょう。性能面では、特に新型ハイブリッドが理論値で1,100kmを超える驚異的な航続距離を誇る一方、ガソリンモデルもコンパクトミニバンとして優秀な燃費性能を持っています。
そのため、長距離移動が多く給油の手間を省きたい方には新型ハイブリッドが、年間走行距離が少ない方や初期費用を抑えたい方にはガソリンモデルが、それぞれ経済的な選択肢となり得ます。
シエンタは、どのモデルを選んでも優れた実用性と経済性を兼ね備えた、ファミリーに優しい一台です。この情報を基に、ぜひご自身のカーライフにぴったりのシエンタを見つけてください。