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シエンタにキャプテンシートはある?旧型と新型を徹底解説

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シエンタでキャプテンシート仕様をお探しですか? 6人乗りでウォークスルーが可能なモデルに魅力を感じる方も多いでしょう。しかし、新型シエンタにキャプテンシートのラインナップは存在するのでしょうか。

旧型の6人乗りキャプテンシート仕様を中古で探すべきか、あるいは7人乗りのベンチシートと比較してどちらが良いか、悩みどころです。

また、シエンタのキャプテンシートへの改造は可能なのか、サーキュレーターやシートヒーターが標準装備かも気になります。

シエンタのシートは倒せますか?という疑問や、シエンタの5人乗り後部座席の倒し方は?といった具体的な操作方法まで、この記事で詳しく解説します。

記事のポイント

  • 新型シエンタのシートラインナップ
  • 旧型6人乗りキャプテンシートのメリット
  • ベンチシートからキャプテンシートへの改造の可否
  • 現行モデルの快適装備(サーキュレーターやシートヒーター)

シエンタのキャプテンシート仕様を徹底解説

シエンタの車内で子供の世話をする母親。旧型シエンタのキャプテンシートがもたらす広々とした空間と利便性を象徴している。

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  • 新型シエンタにキャプテンシートはある?
  • 旧型6人乗りキャプテンシートの特徴
  • 旧型6人乗りはウォークスルーが可能
  • キャプテンシートは中古車で探す?
  • シエンタのキャプテンシート改造は可能か

新型シエンタにキャプテンシートはある?

新型シエンタの広い荷室と格納された3列目シート。家族が乗車した状態での積載能力を示唆

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結論から申し上げますと、2022年8月に登場した新型シエンタ(3代目)には、キャプテンシートの設定はありません。

このフルモデルチェンジに際して、トヨタはラインナップの見直しを行いました。新型シエンタの乗車定員ラインナップは、以下の2種類に集約されています。(2025年10月現在、トヨタ自動車公式サイトより)

  • 5人乗り(2列シート): 荷室空間を最大限に活用したいユーザー向け。
  • 7人乗り(3列シート): 多人数乗車を重視するファミリー向け。

先代の2代目モデル(2015年~2022年)には、この2つに加えて「6人乗り(3列シート)」仕様が存在しましたが、新型ではこの6人乗り仕様が廃止となりました。

この変更により、新型シエンタの2列目シートは、5人乗り・7人乗りともにすべて「ベンチシート」仕様となっています。

なぜ6人乗りは廃止された?

明確な理由は公表されていませんが、市場のニーズが「広大な荷室を持つ5人乗り」と「最大乗車人数の7人乗り」の二極化が進んだことが考えられます。また、新型では7人乗りベンチシートの快適性や3列目シートの格納方法(ダイブイン機構)が大幅に改善され、旧型6人乗りの利便性をカバーできると判断された可能性もあります。

そのため、独立した2座シートによるパーソナルな快適性や、シート間を移動できるウォークスルー機能を新型シエンタに求めることはできません。

購入を検討する際は、ご自身の家族構成や車の使い方を具体的にイメージし、現行のベンチシート仕様がニーズに合致するかを慎重に判断する必要があります。

旧型6人乗りキャプテンシートの特徴

旧型シエンタ6人乗りキャプテンシートの2列目。中央の通路で母親が子供たちを見守っており、ウォークスルーの利便性を強調。

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新型では設定がなくなりましたが、先代の2代目シエンタ(2015年~2022年モデル)には6人乗り仕様が存在し、その2列目にはキャプテンシート(風の独立シート)が採用されていました。

この旧型6人乗りモデルのシート構成は「2名(フロント)+2名(セカンド)+2名(サード)」です。7人乗りが2列目に3人座るベンチシートであるのに対し、6人乗りは2人掛けの独立シートとなっていました。

旧型6人乗り(キャプテンシート)のメリット

最大のメリットは、2列目シートの快適性です。左右のシートが独立しているため、乗員それぞれがパーソナルな空間を確保できます。隣席との距離が適度に保たれるため、特に長距離ドライブで疲れにくいという利点がありました。

例えば、チャイルドシートを片側に設置しても、もう片側のシートには大人がゆったりと座ることができます。ベンチシートのように中央席の足元や肩周りの窮屈さを気にする必要がありません。

ただし、インプットされた情報の中には「キャプテンシート風のベンチシート」という表現も見られます。

これは、一部の大型ミニバン(アルファードなど)に見られるような、大型アームレストやオットマンなどを備えた豪華なキャプテンシートとは異なり、構造が比較的シンプルであったことを指している可能性があります。

とはいえ、左右が独立し、中央に通路が確保されているという「キャプテンシート」の基本的な機能面では、独立2座席のメリットを十分に備えていました。

旧型6人乗りはウォークスルーが可能

旧型シエンタ6人乗りキャプテンシートのウォークスルー機能。母親と子供たちが2列目と3列目の間でスムーズに移動している様子。

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旧型6人乗り仕様が持つ最大の強み、そして7人乗りモデルとの決定的な違いが、2列目シートの中央が通路(スペース)になっていることによる「ウォークスルー」機能です。

この中央通路があることで、車内での移動が格段にスムーズになります。具体的には、以下のような利便性がありました。

ウォークスルーの具体的なメリット

  • 車外に出ずに前後移動が可能運転席(1列目)から後席(2列目・3列目)へ、車外に出ることなく移動できます。雨の日や寒い日に、後席のお子様のケアをする際に非常に便利です。
  • 3列目への容易なアクセス3列目に乗り降りする際、7人乗りモデルのように2列目シートを前方に倒す(タンブルさせる)操作が不要です。2列目の中央通路を通ってスマートに3列目へアクセスできました。
  • 空間の柔軟な活用2列目と3列目の間にまたがるように荷物を置いたり、足元のスペースを広く使ったりと、空間の使い方の自由度が高まります。

7人乗りモデルは2列目が一体型のベンチシートのため、このウォークスルーは物理的に不可能です。3列目への乗り降りは、必ず2列目シートの肩口にあるレバーを引き、シート全体を前方に回転させる「タンブル操作」が必要になります。

車内の移動しやすさや3列目へのアクセスの容易さを最重視する場合、この旧型6人乗り仕様は、新型シエンタを含めても非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

キャプテンシートは中古車で探す?

これまで解説した通り、新型シエンタにはキャプテンシートの設定がありません。

したがって、シエンタという車種にこだわり、かつキャプテンシート(およびウォークスルー機能)を希望する場合、選択肢は「旧型(2代目)の6人乗りモデルを中古車で探す」こと一択となります。

中古車市場では、シエンタの主力は依然として7人乗りモデルですが、6人乗りモデルも一定数が流通しています。探す際は、グレード名(例:「G Cuero」の6人乗りなど)や乗車定員「6人」で絞り込むと効率的です。

中古車選びの注意点

中古車で探す際は、年式や走行距離はもちろん、車両の状態(修復歴の有無、内装の汚れやシートの状態)をしっかり確認することが重要です。特にファミリーユースで使われてきた可能性が高いため、シートのシミやにおいなどもチェックポイントとなります。また、前述の通り6人乗り仕様の流通量(タマ数)が、7人乗り仕様に比べてやや少ない可能性も考慮し、根気強く探す必要があるかもしれません。

ちなみに、もし「コンパクトミニバンでキャプテンシート」という条件が最優先であれば、ライバル車種のホンダ・フリードも有力な選択肢です。フリードは現行モデル(2024年登場の新型含む)でも、キャプテンシートの6人乗りとベンチシートの7人乗り(または5人乗り)を選択できます。(参考:ホンダ フリード公式サイト

シエンタにこだわらないのであれば、フリードの中古車や新車もあわせて比較検討してみることをお勧めします。

シエンタのキャプテンシート改造は可能か

「現行の7人乗り(ベンチシート)を購入して、後からキャプテンシートに改造できないか?」あるいは「中古の7人乗りを6人乗りに変更できないか?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

技術的な可能性はゼロではありませんが、結論として、ベンチシートからキャプテンシートへの改造(またはその逆)は、安全性・法律・費用のすべての面から現実的ではありません。

これには、主に2つの大きな理由があります。

現実的ではない理由

  1. 構造的な問題ベンチシートとキャプテンシートでは、シートを車体に固定するフロア(床)の形状、シートレールの位置やボルト穴の構造が根本的に異なります。単純にシートを交換するだけでは物理的に設置できません。フロアパネル自体の切断や溶接といった大掛かりな「加工」が必要になります。
  2. 安全性の問題(法律違反のリスク)これが最大の障壁です。自動車のシートやシートベルトは、乗員の命を守る最も重要な保安部品です。メーカーは衝突実験を繰り返し、設計された通りの位置にシートが固定されている前提で安全性を確保しています。フロアの加工や強引なシートの取り付けを行った場合、衝突時の乗員保護性能を全く担保できなくなります。このような改造は、道路運送車両法の保安基準に適合しなくなり、車検に通らない違法改造となる可能性が極めて高いです。

改造は絶対に避けるべき

仮に改造を引き受ける業者があったとしても、費用は数十万円単位と非常に高額になることが予想されます。そして何より、安全性が全く保証されません。万が一の事故の際、シートが脱落するなどの重大な結果を招きかねません。

シートの改造は絶対に行わず、購入時点のシートタイプ(6人乗り中古車、または現行7人乗り/5人乗り)で検討することを強く推奨します。

現行シエンタとキャプテンシート仕様を比較

  • 現行7人乗り(ベンチシート)の使い勝手
  • 天井サーキュレーターで後席も快適
  • シートヒーターは標準装備?
  • シエンタのシートは倒せますか?
  • シエンタの5人乗り後部座席の倒し方は?
  • シエンタのキャプテンシート選び総括

現行7人乗り(ベンチシート)の使い勝手

新型シエンタはキャプテンシートが廃止されましたが、その代わりに7人乗りのベンチシート仕様の使い勝手や快適性が大きく向上しています。

まず、旧型から続く地上330mmの低床&フラットフロアは健在です。これは、小さなお子様やご年配の方でも、地面からステップを経由せずスムーズに乗り降りできる画期的な設計です。

スカートや着物などを着用している際も、足を大きく上げずに済むため乗降が楽に行えます。

さらに、室内高も1,300mm(旧型比+20mm)確保されており、頭上スペースにゆとりが生まれました。小さなお子様なら車内で立ったまま着替えることも可能なほどの開放感があります。

3列目シートの格納方法も秀逸で、「5:5分割サードシート ダイブイン機構」を採用しています。これは、3列目シートを背もたれから倒し、そのまま2列目シートの真下(床下)にすっきりと格納できる機能です。

旧型のように3列目シートを跳ね上げてサイドに固定する必要がなく、操作が簡単かつ荷室空間を最大限に活用できます。この機構により、5名乗車時でも広大でフラットなラゲージスペースを確保できます。

ウォークスルーこそできませんが、新型7人乗りはベンチシートならではの「柔軟性(時には3人座れる)」や「空間効率の高さ」が大きな魅力となっています。

天井サーキュレーターで後席も快適

新型シエンタの天井サーキュレーターが稼働し、後席に快適な空気が循環している様子。家族が笑顔で車内で過ごしている。

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ミニバンで課題となりがちな「後席の空調問題」、つまり「前席は涼しい(または暖かい)のに、3列目まで風が届かず暑い(寒い)」という温度ムラに対応するため、新型シエンタには天井サーキュレーターが用意されています。

これは天井の中央付近に取り付けられた送風機で、前席のエアコンから送られた冷気や暖気を効率的に後席(特に3列目)へ循環させる役割を果たします。これにより、車内全体の温度ムラを解消し、どこに座っていても快適な室内環境を保つのに役立ちます。

天井サーキュレーターの詳細

この天井サーキュレーターは、ZグレードおよびGグレードにメーカーオプションとして設定されています(Xグレードには設定不可)。インプットされた情報によれば、風速や風向きの調整も可能とされています。

後席にお子様やゲストを乗せる機会が多い方、特に3列目シートの使用頻度が高い方には、ぜひ検討したいオプション装備です。

シートヒーターは標準装備?

寒い日の運転や、夏の冷房で冷えやすい腰・下肢を温めてくれるシートヒーターですが、新型シエンタでは残念ながら標準装備ではありません。

ZグレードおよびGグレードに、「メーカーパッケージオプション」の一部として設定されています。

インプットされた情報によると、多くの場合、ステアリングヒーター(ハンドルを温める機能)など、他の快適装備とセットでのオプション提供となります。

装備可能なのは「運転席・助手席」のフロント2席となり、HI-LO(強・弱)の切り替えも可能です。

エアコンよりも素早く体を温めることができるため、冬場の快適性を重視する場合は、購入するグレード(ZまたはG)でこのオプションが設定されているかを忘れずにチェックしましょう。

シエンタのシートは倒せますか?

シエンタのシートアレンジ。男性が3列目シートを格納し、広大なフラットラゲージスペースを作り出している。

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シエンタは5人乗り・7人乗りともに、多彩なシートアレンジ(シートを倒す機能)を備えています。

乗車人数や荷物の量に合わせて、室内空間を柔軟に変更できるのがシエンタの大きな強みです。乗車定員モデルによって、倒し方やアレンジのモードが異なります。

7人乗り(3列シート)の場合

  • サードシート(3列目): 5:5分割ダイブイン機構を採用。背もたれを倒し、レバー操作でロックを解除して前へ送り込むと、2列目シートの下にすっきりと格納できます。
  • セカンドシート(2列目): 5:5分割タンブル機構を採用。ワンタッチのレバー操作で背もたれを倒し、シート全体を前方に回転させるように折りたたむことができます。これにより、3列目へのアクセスや荷室の拡大(フラットラゲージモード時)を行います。

5人乗り(2列シート)の場合

  • セカンドシート(2列目): 6:4分割チルトダウン機構を採用。肩口のレバーを引き、背もたれを前方に倒すだけで、荷室とフラットな空間を作り出せます。

これらの機構により、様々なシーンに対応可能です。代表的なシートアレンジモードを以下の表にまとめます。

シエンタ シートアレンジモード比較(代表例)
モード名7人乗り5人乗り主な用途
ノーマルモード最大7名乗車最大5名乗車多人数での移動時。
フロントシートフラットモードフロントシートを倒し、2列目と繋げて休憩・仮眠するモード。
サードシートアレンジモード◯ (最大5名乗車)-3列目を格納し、5人乗り+広い荷室を確保するモード。
ハーフラゲージモード◯ (最大3名乗車)◯ (最大3名乗車)後席片側を格納し、長尺物(サーフボードなど)と人を乗せるモード。
フラットラゲージモード◯ (最大2名乗車)◯ (最大2名乗車)後席全てを格納し、荷室容量を最大化するモード。自転車積載や車中泊に。

シエンタの5人乗り後部座席の倒し方は?

シエンタ5人乗りの後部座席を倒し、キャンプ用品を積載している様子。広い荷室空間の活用例を示している。

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前述の通り、5人乗りモデル(2列シート)の後部座席(セカンドシート)は「6:4分割チルトダウン機構」を採用しています。

7人乗りモデルのセカンドシートが「タンブル(回転しながら折りたたむ)」という少し複雑な動きなのに対し、5人乗りは「チルトダウン(背もたれを倒すだけ)」と、操作が非常に簡単なのが特徴です。

5人乗り後部座席の操作手順

  1. 後部座席の肩口にあるレバーを引きます。(※ヘッドレストは装着したままでも倒せる場合がありますが、状況に応じて取り外すか下げてください)
  2. そのまま背もたれを前方に倒します。
  3. 荷室側とほぼフラットな状態になります。

これだけのシンプルな操作で、荷室とほぼ段差なくつながる広大な空間が生まれます。このフラットラゲージモード時の荷室長は最大2,045mmにも達します。

これは大人が足を伸ばして横になれるほどの長さであり、マットなどを敷けば快適な車中泊スペースとして活用できます。また、マウンテンバイクなどの大きな荷物も、前輪を外さずに積載できる(※車種による)ほどの圧倒的な積載量を誇ります。

操作が簡単で、かつ広大なフラット空間を実現できる点が、5人乗りモデルの最大のメリットと言えるでしょう。

シエンタのキャプテンシート選び総括

シエンタのキャプテンシート仕様について総括します。まず最も重要な点として、新型シエンタ(3代目・2022年〜)にはキャプテンシートの設定はありません。

新型のラインナップは5人乗り(2列)と7人乗り(3列)のみとなり、2列目シートはすべてベンチシート仕様に変更されました。

キャプテンシートが選べたのは、旧型(2代目・2015年〜)の6人乗りモデルです。このモデルは2列目が独立シートであり、最大のメリットはウォークスルー機能でした。

この機能により、車内での前後移動や3列目へのアクセスが非常に容易になります。したがって、シエンタでキャプテンシートを希望する場合、この旧型6人乗りモデルを中古車で探すのが唯一の方法となります。

注意点として、ベンチシート仕様車を購入してキャプテンシートへ改造することは、安全面や構造上の問題から絶対に避けるべきです。現行モデルも、低床フロアや便利なダイブイン機構など使い勝手は非常に良好です。

さらに、オプション(Z・Gグレード)で天井サーキュレーターやシートヒーター(標準装備ではない)といった快適装備も充実しています。

5人乗り・7人乗りともに多彩なシートアレンジが可能で、特に5人乗りの後部座席はシンプルなチルトダウン機構で簡単に倒せる点も魅力です。

もし車種にこだわらずキャプテンシートを重視する場合は、ライバル車であるフリード(現行モデル)も比較対象に含めると良いでしょう。

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