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シエンタの6人乗りは狭い?広さの理由と後悔しない選び方

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トヨタのコンパクトミニバンとして高い人気を誇るシエンタ。特にファミリー層から熱い支持を受けていますが、中古車市場で見かける「6人乗り」モデルについて、「本当に狭いのか?」という疑問や不安を抱えている方も少なくないでしょう。

この記事では、そもそもシエンタに6人乗れますか?という基本的な疑問から、購入を検討する上で最も気になる3列目の広さ、6人フル乗車時の荷物の積載量、そして空間を有効活用するためのシートアレンジの自由度まで、あらゆる角度から徹底的に深掘りして解説します。

また、旧型の6人乗りと現行の7人乗りの違いを比較し、永遠のライバル車であるホンダ・フリードとシエンタとフリードどっちがでかいのか、というサイズに関する比較情報も網羅しました。

もちろん、トヨタシエンタの欠点は何かも包み隠さずお伝えし、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないための重要なチェックポイントを整理します。

新車の価格だけでなく、賢い中古車の選び方、さらには現行モデルで悩む「シエンタは5人乗りと7人乗りどっちが良い?」という究極の選択についても、この記事があなたの最適な一台を見つけるための確かな道しるべとなるはずです。

記事のポイント

  • シエンタ6人乗りが「狭い」と言われる具体的な理由とその背景
  • 限られた空間を最大限に活用する荷室の広さやシートアレンジの工夫
  • 5人乗りや7人乗り、そして競合車フリードとの客観的で詳細な比較
  • 予算やライフスタイルに合わせた新車・中古車選びで後悔しないための全知識

シエンタの6人乗りが狭い理由と空間の実態

  • そもそもシエンタに6人乗れますか?
  • 大人は厳しい?3列目の広さを解説
  • フル乗車だと荷物はどれくらい積める?
  • シートアレンジ次第で快適性は向上する
  • 旧型6人乗りと新型7人乗りの違いとは?

そもそもシエンタに6人乗れますか?

結論から申し上げますと、シエンタに6人で乗ることは可能です。ただし、この答えには非常に重要な条件が付きます。

それは、6人乗り仕様が設定されていたのが、2015年から2022年まで販売されていた2代目(形式名:170系)モデルに限定されるという点です。

2022年8月に待望のフルモデルチェンジを果たした現行の3代目シエンタでは、市場のニーズや設計思想の見直しが行われ、乗車定員のラインナップが5人乗りと7人乗りの2種類に再編されました。

これに伴い、2代目まで存在した6人乗りモデルは惜しまれつつも廃止されたのです。このため、現在、トヨタのディーラーで新車として6人乗りのシエンタを注文することはできません。

6人乗りモデルを手に入れるためには、必然的に中古車市場でご自身の希望に合った一台を探し出す必要があります。

6人乗りモデルの最大の魅力:2列目シート

2代目にのみ設定された6人乗りモデルの最大の特徴であり、今なお中古車市場で指名買いするファンがいる理由が、2列目シートの構造にあります。左右の座席が独立した「キャプテンシート」のような設計(ただしアームレストは片側のみ)になっており、中央が通路(ウォークスルースペース)になっています。これにより、2列目シートを倒すことなくスムーズに3列目へアクセスできるという、大きなメリットがありました。この利便性と2列目の快適性を求めるユーザーにとって、中古の2代目シエンタは非常に魅力的な選択肢となっています。

このように、シエンタで6人での乗車を検討する場合、まずはご自身が探すべきは「中古の2代目モデル」であるという事実を正確に理解しておくことが、車探しの第一歩となります。

大人は厳しい?3列目の広さを解説

シエンタの6人乗りモデルに関して、ユーザーレビューや口コミで最も多く「狭い」という評価が下されるのが、3列目シートの居住性です。

この点については、残念ながら「大人が長時間、快適に移動するための空間ではない」というのが客観的な事実であり、結論となります。

その最大の理由は、シエンタが日本の道路事情に最適化された5ナンバーサイズのコンパクトなボディ(全長約4.3m)の中に、3列ものシートを効率的に配置しているためです。

この巧みなパッケージングはシエンタの美点ですが、物理的な制約から、どうしても空間のしわ寄せは最後尾の3列目に来てしまいます。

実際に成人男性が3列目に座ると、以下のような状況に陥ることが少なくありません。

3列目シートのリアルな居住性

  • 足元空間(ニースペース):身長170cm程度の方が座ると、膝が2列目シートの背もたれに接触、あるいはかなり近い距離になります。足を組んだり、姿勢を変えたりする自由度はほとんどありません。
  • 頭上空間(ヘッドクリアランス):座面から天井までの高さに余裕がなく、特に少し背の高い方だと頭が天井に触れてしまう可能性があります。これにより、常に圧迫感を感じることになります。
  • 乗車姿勢:床面から座面までの高さが低いため、大人が座ると膝が腰より高い位置に来る、いわゆる「体育座り」のような窮屈な姿勢になりがちです。

あくまで「補助席」としての割り切りが重要

トヨタの公式な位置づけではありませんが、シエンタの3列目シートは実質的に「エマージェンシーシート(緊急用・補助用の座席)」と捉えるのが、購入後のギャップをなくす上で最も賢明な考え方です。

例えば、最寄り駅までの数分間の送迎や、友人家族を近所のレストランまで乗せる、といった短時間・短距離の利用シーンでこそ真価を発揮します。もちろん、体が小さい小学生くらいのお子様であれば、長距離でも問題なく座れる広さは確保されています。

このように、大人が利用することも可能ですが、あくまで一時的な利用に限られるという点を十分に理解し、ご自身の使い方と照らし合わせて検討することが極めて重要です。

フル乗車だと荷物はどれくらい積める?

3列目シートを使用した状態のシエンタのリア荷室。リアゲートが開いており、荷物を置くスペースがほとんどない状態を示している。

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シエンタの6人乗りモデルで6人全員が乗車した場合、荷室(ラゲッジスペース)は実質的にほぼ無いに等しい状態になります。これも、ユーザーが「使い勝手が狭い(限定される)」と感じる大きな理由の一つです。

3列目シートを展開すると、シートの背もたれからリアゲートまでの奥行きはごくわずかしか残りません。そのため、日常の買い物で使うスーパーの買い物カゴを横にして置くことすら難しく、高さのある物や厚みのあるバッグなどを積むのは非常に困難です。

多人数での旅行やアウトドアには根本的に不向き

例えば、家族や友人と6人で空港へ向かう場合、全員分のスーツケースや旅行バッグを積むことは物理的に不可能です。同様に、家族でキャンプに行く際のテントやクーラーボックス、あるいは小さなお子様連れでのお出かけに必須のベビーカーといった大きな荷物を積むこともできません。もし6人乗車状態で多くの荷物を運びたいのであれば、屋根の上に荷物を積むためのルーフキャリアを別途装着するなど、特別な工夫が必要不可-欠となります。

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この潔い設計思想こそがシエンタの真骨頂とも言えます。「普段は3列目を格納して広大な荷室を持つ5人乗りとして使い、いざという時だけスマートに6人乗りに変身させる」という使い方が、この車のポテンシャルを最も引き出せるスタイルなのです。

このように、シエンタを選ぶ上では、「最大乗車人数」と「十分な荷室容量」はトレードオフの関係にあり、両立はできないという点を、購入前に明確に理解しておく必要があります。

この割り切りができるかどうかが、シエンタを満足して乗り続けられるかどうかの大きな分かれ道となります。

シートアレンジ次第で快適性は向上する

シエンタの3列目シートを格納(ダイブイン格納)し、広大でフラットになった荷室にキャンプ用品などの大きな荷物を積んでいる様子。

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ここまでシエンタの空間的な制約について触れてきましたが、この車の真の魅力は、それを補って余りある多彩で clever(賢い)なシートアレンジによって、空間を自由自在に変化させられる点にあります。

前述した3列目の狭さや荷室容量の問題も、このシートアレンジ機能を最大限に活用することで、見事に解決することが可能です。

その代表的な機能が、3列目シートを2列目シートの下に完全に格納する「ダイブイン格納」です。この操作は非常に考えられており、女性や力の弱い方でも数ステップの簡単な操作で完了できます。

格納された3列目シートは車内から完全に見えなくなり、そこには広大で床面がフラットな荷室空間が出現します。

このダイブイン格納機能を中心に、シエンタはユーザーの様々なライフシーンに完璧に対応します。

シーン別・シートアレンジ活用術

  • 日常の買い物モード(~4人乗車):3列目を格納し、広大な荷室を持つステーションワゴンとして使用。週末のスーパーでのまとめ買いや、子供の自転車、ガーデニング用品なども余裕で積載可能です。
  • 友人家族との送迎モード(5~6人乗車):必要な時にサッと3列目シートを展開。急な多人数乗車にもスマートに対応できます。
  • 長尺物積載モード(5人乗車+長尺物):3列目シートは50:50の分割可倒式のため、片側だけを格納することも可能です。これにより、5人で乗車しながら、サーフボードやスノーボード、IKEAなどで購入した組み立て家具のような長い荷物を積むという離れ業も実現できます。

2列目シートのスライド機能が快適性の鍵

旧型6人乗りモデルに採用されている2列目のキャプテンシート風シートは、それぞれが独立して前後にスライドする機能を持っています。

このスライド機能を活用することで、3列目に乗る人の足元スペースを少しでも広く確保したり、逆に2列目自体の空間を広げてリムジンのようにくつろいだりと、乗員構成に応じて最適なスペース配分を微調整できます。

この柔軟性こそが、乗員全員の快適性を高める重要な鍵となります。

結論として、シエンタは常に6人で乗ることを前提とした車ではありません。

乗車人数や荷物の量という「その時々のニーズ」に応じて、ユーザー自身が最適な空間をクリエイトできる、極めて実用的なユーティリティーカーであると捉えるのが、この車の本質を最も正確に表していると言えるでしょう。

旧型6人乗りと新型7人乗りの違いとは?

旧型シエンタ(6人乗り)の車内。2列目シートが左右で独立したキャプテンシートになっており、中央がウォークスルー用の通路になっている特徴的な構造。

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中古車市場でシエンタを探し始めると、多くの方が「旧型(2代目)の6人乗り」「新型(3代目)の7人乗り」のどちらを選ぶべきかという問題に直面します。

この2つのモデルは、単に乗車定員が1人違うというだけでなく、2列目シートの構造から車内の使い勝手、そして快適性に至るまで、根本的に異なる思想で設計されています。

それぞれの長所と短所を正しく理解し、ご自身のライフスタイルや価値観にどちらがよりフィットするのかを見極めることが、後悔のない車選びの絶対条件です。

比較項目旧型6人乗り (2代目・170系)新型7人乗り (3代目)
販売期間2015年7月 ~ 2022年8月2022年8月 ~ 現在
2列目シート構造キャプテンシート風(左右独立・中央通路あり)ベンチシート(6:4分割・一体型)
最大のメリット・2列目乗員の快適性が非常に高い

・アームレスト付きでゆったりと座れる

・中央通路を通り3列目へ移動可能(ウォークスルー)

・最大で7人まで乗車可能

・シートを全て倒した際に、よりフラットで広い空間を作りやすい

・最新の安全装備と燃費性能

主なデメリット・最大乗車人数が6人

・2列目中央席がないため横になって休憩しにくい

・設計が古く、安全装備や燃費で見劣りする

・2列目に大人3人が座るとかなり窮屈

・ウォークスルーができないため3列目へのアクセスが手間

・中古車価格がまだ高値安定

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非常に分かりやすく言うと、「2列目に座る人の快適性」や「小さな子供が車内を移動する際の利便性」を最優先するならば、旧型の6人乗りが非常に魅力的に映るでしょう。一方で、「いざという時に一人でも多く乗せられること」や「最新の安全性能と低燃費」を重視するならば、新型の7人乗りが最適な選択となります。

このように、どちらのモデルが優れているかという問いに唯一の正解はありません。普段どのような使い方をし、誰が、何人で乗ることが最も多いのかをご自身の生活に当てはめて具体的にイメージすることが、満足のいく選択への最も確実な近道です。

シエンタの6人乗りは狭い?購入前の比較ポイント

  • 購入前に知るべきトヨタシエンタの欠点は何?
  • ライバル車フリードとシエンタはどっちがでかい?
  • 5人乗りと7人乗りどっちが良いか徹底比較
  • 新車の価格とコストパフォーマンスを検証
  • 中古で探す場合のポイントと価格相場
  • まとめ:シエンタの6人乗りは狭いのか

購入前に知るべきトヨタシエンタの欠点は何?

シエンタは、その絶妙なサイズ感と優れた実用性で、多くのファミリーから支持される非常にバランスの取れた車です。

しかし、どんな車にも長所と短所があるように、購入後に「思っていたのと違った…」というミスマッチを防ぐため、事前に知っておくべき欠点や注意点もいくつか存在します。3列目の狭さ以外にも、以下のような点がユーザーから指摘されることがあります。

シエンタの主な欠点・注意点

  • 走行性能の限界:1.5Lエンジンは街乗りでは軽快で十分な性能を発揮しますが、高速道路での合流や追い越し、急な上り坂といった高負荷な状況では、パワー不足を感じる場面があるかもしれません。特に多人数乗車時や荷物満載時は、その傾向が顕著になります。
  • 内装の質感:コストと実用性を重視しているため、内装にはプラスチック素材が多く使われています。触感や見た目の高級感を求めるユーザーにとっては、少し物足りなく感じる可能性があります。これは、トヨタ公式サイトで内外装の写真を確認し、実車に触れてみることをお勧めします。
  • 後部座席の空調問題:コンパクトな設計のため、運転席のエアコンの冷気や暖気が3列目まで届きにくいという声は少なくありません。特に夏場や冬場は、後席用の天井サーキュレーター(ディーラーオプション)を追加したり、市販の小型ファンを用意したりといった工夫をすることで、快適性が大きく向上します。
  • 静粛性について:現行の3代目モデルではTNGAプラットフォームの採用により静粛性が大幅に改善されましたが、中古車で検討対象となる2代目モデルでは、ロードノイズ(タイヤが路面を転がる音)やエンジン音が車内に比較的大きく侵入する傾向があります。

もちろん、これらの点はコンパクトカーというクラスや、その戦略的な価格設定を考えれば、ある程度は許容すべき部分とも言えます。最も大切なのは、ご自身が車のどこに価値を置き、何を最も重視するかを明確にすることです。

そして、これらの欠点がご自身の許容範囲内であるかどうかを冷静に判断することが重要です。可能であれば、購入を決める前に家族全員で試乗し、特に高速道路や坂道での走行性能、そして静粛性を実際に体感してみることを強くお勧めします。

ライバル車フリードとシエンタはどっちがでかい?

トヨタ・シエンタとライバル車であるホンダ・フリードが駐車場に並んで駐車されており、ボディサイズやデザインを比較している様子。

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シエンタの購入を検討する上で、避けては通れない永遠のライバルが、ホンダの「フリード」です。

どちらも「ちょうどいい」をコンセプトに、日本の道路事情に最適化された5ナンバーサイズのコンパクトミニバンであり、ボディサイズは驚くほど近いです。

結論から言うと、カタログスペック上の全体的なサイズはほぼ同じですが、室内の広さの「作り方」や「思想」に明確な違いがあります。

主要諸元(現行モデル・2WD)トヨタ シエンタホンダ フリード
全長4,260 mm4,265 mm
全幅1,695 mm1,695 mm
全高1,695 mm1,710 mm

(出典:各メーカー公式サイトの情報を基に作成)

上記の通り、全長と全幅はほぼ同じで、全高がフリードの方が15mm(1.5cm)だけ高いことがわかります。このわずかな差が、両車のキャラクターを分ける室内空間の印象に大きく影響を与えています。

空間設計思想の明確な違い

  • シエンタの思想徹底した「低床フロア」設計を特徴とします。地面から車内の床までの高さを極限まで低くすることで、小さなお子様やお年寄りでも、体を大きく持ち上げることなく楽に乗り降りできる抜群の乗降性を実現しています。このユーザーフレンドリーな設計は、シエンタがファミリー層から絶大な支持を得る理由の一つです。
  • フリードの思想:シエンタよりも室内高を高く取ることで、特に3列目シートの頭上空間(ヘッドクリアランス)に余裕を持たせる設計をしています。このため、3列目の居住性や開放感という一点だけを比較すると、一般的にフリードの方が「広い」と感じるユーザーが多い傾向にあります。

あなたの家族にとって「正解」はどっち?

「日々の乗り降りのしやすさ」や「洗練された内外装デザイン」を重視するなら、シエンタが有力な候補となるでしょう。

一方で、「3列目シートを少しでも広く使いたい」というニーズや「開放感のある室内」を求めるなら、フリードも非常に魅力的な選択肢です。

これはスペック表だけでは分からない感覚的な部分が大きいため、実際に両車をディーラーで見て、そして後部座席に座って比較することが、後悔しないための最も重要なステップです。

5人乗りと7人乗りどっちが良いか徹底比較

シエンタ5人乗りモデルの荷室。3列目シートがない代わりに設置された2段デッキボードを使い、荷物を上下に分けて効率的に収納している様子。

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現行の3代目シエンタを選ぶ上で、おそらく最も多くの購入者が頭を悩ませるのが「5人乗りと7人乗り、どちらのモデルを選ぶべきか?」という究極の選択です。

これは単に乗車定員が2人違うという単純な話ではありません。3列目シートの有無によって荷室の構造と使い勝手が大きく異なるため、購入後のカーライフ全体の満足度を左右する、非常に重要な決断となります。

この選択における最大の判断基準は、極めてシンプルです。「年に数回、あるいはたった一度でも、5人以上で乗る可能性が現実的にあるか?」この問いに対するご自身の答えが、最適なモデルを選ぶ上での明確な指針となります。

5人乗りモデルならではの最大の武器:「2段デッキボード」

5人乗りモデルには、3列目シートがない代わりに、荷室の床を上下に仕切ることができる「2段デッキボード」という非常に便利な機能が備わっています。

例えば、上段には普段使うきれいな荷物を、下段には汚れた靴やアウトドア用品を分けて収納したり、ボードを下段にセットして背の高い観葉植物を積んだりと、荷室のアレンジ性が格段に向上します。

また、車中泊をする際にも、7人乗りモデルよりフラットで広い空間を作りやすいという大きなメリットがあり、アウトドア派のユーザーから高い評価を得ています。

あなたのライフスタイルに合うのはどっち?

迷わず「7人乗り」を選ぶべき人

  • 帰省時など、祖父母を乗せて3世代で出かける機会が年に一度でもある
  • 子どもの習い事の送迎で、友達やチームメイトを乗せる可能性がある
  • 「万が一の備え」として多人数乗車できるという安心感を重視したい
  • 将来車を売却する際のリセールバリューを少しでも高く保ちたい(一般的に中古車市場では7人乗りの方が需要が高い傾向にあります)

合理的に「5人乗り」を選ぶべき人

  • 家族構成やライフスタイルから、乗車人数は最大でも5人までと断言できる
  • キャンプ、釣り、自転車など、多くの荷物を積む趣味をアクティブに楽しんでいる
  • 夫婦二人での車中泊を本格的に楽しみたいと考えている
  • 7人乗りよりも約4万円安いという価格設定に合理的な魅力を感じる

「使うかどうかは分からないけれど、念のためにあったら便利かも」という理由で7人乗りを選ぶユーザーは非常に多いです。その「もしも」の時の保険や利便性に価値を感じるかどうかが、この重要な選択の大きな分かれ道となるでしょう。

ご自身の使い方をじっくりとシミュレーションしてみてください。

新車の価格とコストパフォーマンスを検証

シエンタは、その優れた機能性と、日々の維持費まで考慮した経済性から、総合的なコストパフォーマンスが非常に高い車種として市場で確固たる地位を築いています。

ただし、一言でシエンタと言っても、新車の価格は装備が異なるグレードや、エンジンタイプ(ガソリンかハイブリッドか)によって大きく幅があります。

ここでは、現行モデル(3代目・7人乗り・2WD)のおおよそのメーカー希望小売価格(消費税込み)をグレード別に見てみましょう。

グレードパワートレイン価格(目安)主な特徴とターゲットユーザー
Xガソリン / ハイブリッド約234万円~最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」など、基本的な安全装備は標準で備えた最も手頃なエントリーグレード。法人利用や、装備にこだわらずコストを最優先したい方向け。
Gガソリン / ハイブリッド約260万円~ワンタッチスイッチ付パワースライドドアや快適装備が充実し、価格と装備のバランスが最も良い売れ筋グレード。多くの方におすすめできる標準的なモデル。
Zガソリン / ハイブリッド約287万円~上質なファブリックシート表皮やLEDヘッドランプ、アルミホイールなどが標準装備となり、内外装の質感が大幅に向上する最上級グレード。所有する満足感を重視したい方向け。

(出典:トヨタ自動車公式サイト シエンタ グレード・価格

ガソリン車とハイブリッド車、どちらが賢い選択か?

同じグレードで比較した場合、ハイブリッド車はガソリン車よりも約40万円ほど高価に設定されています。

ハイブリッド車の最大の魅力は、国土交通省の発表する燃費ランキングでも常に上位に入るほどの優れた燃費性能ですが、この車両価格の差をガソリン代だけで回収するには、かなりの長距離を走行する必要があります。

ハイブリッドの価値は「燃費」だけではない

しかし、ハイブリッド車を選ぶ価値は燃費だけに留まりません。モーターアシストによる驚くほど滑らかな発進・加速や、エンジン音がほとんどしない走行中の圧倒的な静粛性は、ガソリン車では味わえない上質な乗り心地をもたらします。

特に、後部座席に乗る家族の快適性を最優先に考えるのであれば、この価格差以上の価値を十分に感じられる可能性があります。

日々のガソリン代だけでなく、税金の優遇措置や、静かで快適なドライブ体験といった付加価値まで含めて総合的に判断することが、ご自身にとって最適なパワートレインを選ぶための鍵となります。

中古で探す場合のポイントと価格相場

日本人夫婦が中古車販売店でシエンタを念入りにチェックしている。内装の清潔さや電動スライドドアの動作を確認している様子。

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この記事で主に焦点を当てている6人乗りモデルは、前述の通り中古車でしか手に入れることができません。

幸いなことに、2代目シエンタは発売当初から絶大な人気を博した大ヒットモデルであるため、中古車市場での流通台数も非常に豊富で、予算やコンディションに応じて幅広い選択肢の中から理想の一台を探すことが可能です。

おおよその価格相場は、年式、走行距離、グレード、そして車両の状態で大きく変動しますが、約80万円から220万円程度の価格帯が現在のボリュームゾーンとなっています。

特に、衝突被害軽減ブレーキなどの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が標準装備となった2018年9月のマイナーチェンジ以降の後期モデルが、価格と安全性能のバランスに優れているため、市場でも特に人気を集めています。

状態の良い優良な中古車を見つけ出すために、以下の点は販売店で必ずご自身の目で確認しましょう。

後悔しない中古車選びで必ずチェックすべき4大ポイント

  1. 修復歴の有無の確認:車の骨格部分(フレームなど)を修理・交換した「修復歴あり」の車両は、たとえ安価であっても、まっすぐ走らない、雨漏りがするなど、走行安定性や安全性に深刻な問題を抱えている可能性があります。避けるのが最も無難な選択です。
  2. メンテナンスノート(整備記録簿)の確認:人間でいうところの「健康診断記録」です。過去にどのような点検やオイル交換が、いつ、どこで、どのくらいの走行距離で行われてきたかを確認できる非常に重要な書類です。記録がしっかりと残っている車両は、大切に扱われてきた可能性が高いと言えます。
  3. 内装の状態を徹底チェック:ファミリーカーとしての宿命ですが、シートのシミや汚れ、食べこぼしの跡、お菓子のカス、そしてペットやタバコの臭いなどが残っている場合があります。特に後部座席や荷室は念入りにチェックし、清潔感に納得できるかを確認しましょう。
  4. 電動スライドドアの動作確認:シエンタの便利な装備である電動スライドドアが、異音なくスムーズに開閉するかを必ず確認します。リモコンキーでの操作、運転席のスイッチ、そしてドアハンドルでの操作の全てを、実際に何度も試してみることが大切です。修理には高額な費用がかかる場合があります。

中古車は、新車と違って一台一台のコンディションが全て異なります。価格の安さという目先の情報だけで飛びつくのではなく、信頼できる販売店を選び、ご自身の目で車両の状態をじっくりと確認してから購入を決断することが、満足のいく中古車選びの絶対条件です。

まとめ:シエンタの6人乗りは狭いのか

この記事では、シエンタの6人乗りモデルが「狭い」のかという疑問に対し、多角的な視点からその実態を詳しく解説しました。

結論として、6人乗り仕様は現在中古車でしか手に入らない旧型(2代目)のみに設定されており、「狭い」という評価は主に大人の長距離利用には不向きな3列目シートの居住性に集中しています。

実際に6人全員が乗車すると荷室スペースはほぼ無くなるため、多人数での旅行には適していません。

しかし、シエンタ最大の魅力は、3列目を床下に格納する「ダイブイン格納」など、多彩なシートアレンジによって限られた空間を最大限に活用できる点にあります。

特に旧型6人乗りの2列目は快適なキャプテンシート風の設計で、新型の7人乗りが定員数を優先したベンチシートである点とは明確な違いがありました。

ライバル車であるホンダ・フリードとはボディサイズがほぼ同じですが、3列目の空間ではフリードに分がある傾向です。

そのため、現行モデルで5人乗りか7人乗りを選ぶ際は「年に一度でも5人以上乗るか」が重要な判断基準となり、荷物の積載性を重視するならアウトドアや車中泊に適した5人乗りが合理的と言えます。

シエンタは新車価格が約234万円からとコストパフォーマンスは高いものの、高速走行時のパワー不足などの欠点も存在します。中古で6人乗りを探す際は、修復歴や内装の状態を自身の目でしっかり確認することが不可欠です。

最終的にシエンタは、「普段使いのコンパクトな利便性」と「時々訪れる多人数乗車の必要性」という、多くのファミリーが抱えるニーズを見事に両立したい人に最適な一台と言えるでしょう。

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