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シエンタのサーキュレーター後付けは必要?170系は?

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シエンタの後部座席、特に夏場は「暑い」と感じることがありませんか?運転席はエアコンで快適なのに、後席、特に3列目にはなかなか冷気が届かず、ご家族から不満の声が上がることもあるでしょう。

そこで多くの方が検討するのが、シエンタにサーキュレーターを後付けするという選択肢です。しかし、純正品は後から付けられるのか、それとも市販品で十分なのか、悩んでいる方も多いでしょう。

実際、サーキュレーターは本当に必要か、「サーキュレーターはいらないのでは?」という口コミも存在します。また、純正サーキュレーターの価格や、リアモニターと併用できず邪魔になるという話も気になります。

特にサーキュレーター後付け 170系(旧型)の方法を探している方や、根本的な解決策として後部座席エアコン後付けを検討する方もいるかもしれません。

この記事では、新型シエンタのサーキュレーターの効果は?といった基本的な疑問から、シエンタの後部座席サーキュレーターに関する様々な情報を網羅的に解説し、あなたの疑問を解消します。

記事のポイント

  • シエンタ純正サーキュレーターの具体的な効果と価格
  • 「いらない」と言われる理由や、口コミ・評判
  • 170系(旧型)シエンタへの後付け方法と注意点
  • 市販の後部座席サーキュレーターの選び方と代替案

シエンタのサーキュレーター後付けを考える理由

シエンタの車内で、天井に設置された純正サーキュレーターが稼働し、運転席の日本人男性、助手席の日本人女性、後部座席の日本人の子どもが快適に過ごしている様子。

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  • 新型シエンタのサーキュレーターの効果は?
  • 純正サーキュレーター必要かの判断基準
  • サーキュレーターはいらない?口コミを分析
  • 純正サーキュレーターが邪魔になるケース
  • 純正サーキュレーターの価格と市販品比較

新型シエンタのサーキュレーターの効果は?

シエンタの車内における純正天井サーキュレーター(nanoe X搭載)の空気循環効果を示す図。前席から後席へ冷気が、後席から前席へ暖気が効率的に流れる様子が青い矢印で表現されている。

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新型シエンタ(3代目・10系)に用意されている「天井サーキュレーター」は、新車購入時に選択できるメーカーオプションです。

まず理解すべき最も重要な点は、これがエアコンのように冷風や温風を独自に作り出す装置ではなく、純粋な「送風機」であるという事実です。

その主な目的は、前席のエアコン吹き出し口から出た快適な空気(冷気または暖気)を強制的に吸い込み、後部座席(2列目・3列目)へ効率よく循環させることにあります。これにより、車内全体の温度ムラを解消し、快適性を高めます。

シエンタは車体の構造上、ノアやヴォクシーといった上位ミニバンのように、後部座席専用のエアコン吹き出し口が天井や足元に設置されていません。

そのため、特に室内空間が縦に長い7人乗りモデルでは、夏場は前席だけが冷えすぎ、3列目は蒸し風呂状態という温度差が生まれがちです。

冬場はその逆で、暖かい空気は上に溜まり、後席の足元は冷たいままということが起こります。天井サーキュレーターは、この「空気の滞留」を物理的に改善するための装備なのです。

ナノイーX搭載による付加価値

新型シエンタ(10系)のZグレードやGグレードに設定されている天井サーキュレーターは、「ナノイーX」とのセットオプションとなっています。これは単なる空気循環だけでなく、室内の空気環境を能動的に整える効果も期待できるものです。

トヨタの公式情報によれば、ナノイーXは空気中のウイルスや菌の抑制、脱臭、さらには肌や髪にうるおいを与える効果などが報告されています。(出典:トヨタ自動車公式サイト「いいことできた!シエンタ! - トヨタ」

空気の循環と同時に、車内の空気をきれいに保ちたいと考える方には魅力的な機能と言えるでしょう。

純正サーキュレーター必要かの判断基準

シエンタの車内後部座席でチャイルドシートに座り笑顔の日本人の幼児。天井のサーキュレーターから快適な空気が循環し、運転席と助手席の日本人の親も笑顔でドライブを楽しんでいる。

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純正サーキュレーターがご自身のシエンタに必要かどうかは、想定される利用シーンによって明確に分かれます。約3万円というオプション費用を払う価値があるか、以下の基準で判断してみてください。

結論から言えば、「後部座席(特に3列目)に人を乗せる機会が多い」のであれば、装着を検討する価値は十分にあります。

逆に、「運転席か助手席がメインで、後席はほぼ荷物置き」という使い方であれば、その恩恵を感じる機会は少なく、必要性は低いと言えます。

サーキュレーター装着を強く推奨する利用シーン

  • 3列目シートまで家族や友人を乗せて、頻繁に利用する(7人乗りモデル)
  • チャイルドシートに小さなお子様を日常的に乗せる
  • 家族全員での帰省や旅行など、長距離ドライブの機会が多い
  • 暑がり(または寒がり)な方が後席に乗ることが決まっている
  • 夏場や冬場の車内温度のムラを、少しでも早く解消したい

特に注目すべきは、チャイルドシートを使用するケースです。体温調節機能が未発達な乳幼児は、大人以上に車内の温度環境に敏感です。

JAF(日本自動車連盟)のテストによれば、真夏の炎天下でエアコンを停止すると、わずか15分で車内温度は熱中症指数(WBGT)が「危険」レベルに達することもあります。(出典:JAFユーザーテスト「真夏の車内温度」

走行中であっても、直射日光や空気の滞留により、チャイルドシート周辺は高温になりがちです。サーキュレーターによる空気循環は、お子様の快適性と安全性を守る上でも重要な役割を果たします。

サーキュレーターが不要(優先度が低い)かもしれないケース

  • ほとんど1人または2人(運転席・助手席)でしか乗らない
  • 後部座席は使用しても、近所の買い物や送迎など短距離移動がメイン
  • オプション費用(約3万円)を、カーナビや先進安全装備(トヨタセーフティセンスの機能追加など)に回したい
  • 後述する「後席モニター」の装着を絶対条件としている

サーキュレーターはいらない?口コミを分析

純正サーキュレーターを実際に装着したユーザーや、あえて装着しなかったユーザーの口コミを見ると、「必要」という意見と「いらない」という意見の両方が存在し、評価は二分しています。

「いらない」「効果が薄い」という否定的な口コミ

否定的な意見として最も多く聞かれるのが、「動作音がうるさい」という点です。特にシエンタのハイブリッドモデルは走行中が非常に静かであるため、モーター音や風切り音が相対的に目立ってしまう傾向があるようです。

風量を「強」にすると、会話や音楽の妨げになると感じる人も少なくありません。

また、これはサーキュレーターの特性上仕方のないことですが、「送風機」であるため、「エアコンの冷気が十分でないと、ただぬるい風が来るだけで涼しくない」と感じる人もいます。

エアコン自体の設定温度を低くしたり、風向きを調整したりといった運転席側の工夫とセットでなければ、効果は半減してしまいます。

中には、エアコンの性能が十分高いため、「サーキュレーターがなくても短時間で冷えるので問題ない」という声も一定数見受けられます。

「あって良かった」という肯定的な口コミ

一方、肯定的な意見としては、「後席の子供が汗だくにならなくなった」「夏場のドライブで『暑い』と言われなくなった」など、後席の同乗者からの評価が高いのが特徴です。

特に3列目シートは、構造的にエアコンの風が絶望的に届きにくいため、「7人乗りで3列目を使うなら必須の装備」と断言するユーザーも多いです。

冬場に関しても、「暖房の暖かい空気が足元まで循環するのが早い」と、暖房効率のアップを評価する声もあります。

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結局のところ、エアコン本体の機能(冷房・暖房)をサーキュレーターに期待してしまうと「いらない」という結論になりがちです。あくまで「空気の循環機能(送風)」を補助的に求めているかどうかが、満足度の分かれ目と言えるでしょう。ご自身の期待する役割を明確にすることが大切です。

純正サーキュレーターが邪魔になるケース

シエンタの車内後部座席から見た、純正天井サーキュレーター(nanoe X搭載)と、後席モニターが取り付けられていない状態。空気循環の矢印が示されている

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純正サーキュレーターを装着する上で、最大の注意点であり、後から変更できないデメリットとなるのが、他の人気オプションとの物理的な干渉問題です。

最も重要なのは、トヨタの純正オプションカタログにも明記されている通り、天井サーキュレーター(メーカーオプション)と、ディーラーオプションの「後席モニター(フリップダウンモニター)」は、天井の同じ位置に取り付けるため、物理的に干渉し同時装着ができないという点です。

【最重要】後席モニターとの二者択一

天井のほぼ中央というベストポジションを、サーキュレーターと後席モニターが奪い合う形になります。新車契約時にどちらか一方しか選べません。

後部座席にお子様を乗せ、長距離ドライブの際にDVDや動画視聴をさせたいと考えているご家庭にとっては、これは非常に大きな選択ミスにつながる可能性があります。「空調の快適性」を取るか、「後席のエンターテイメント性」を取るか、購入前に家族で利用シーンをシミュレーションし、しっかりと話し合う必要があります。

サーキュレーターはメーカーオプションのため、納車後に「やっぱり付けたい」と思っても、後付けは原則できません(あるいは非常に高額になります)。この選択はやり直しがきかないため、十分にご注意ください。

また、機能面でのデメリットとは別に、物理的に天井から機器がぶら下がる形になるため、車内の開放感を重視する人にとっては「視覚的に邪魔」「天井が低く感じて圧迫感がある」と感じる可能性もゼロではありません。

純正サーキュレーターの価格と市販品比較

新型シエンタ(10系)の純正天井サーキュレーターは、メーカーオプションとして設定されています。その価格は、組み合わせる他のオプション(ナノイーXの有無など)によっても異なりますが、概ね27,500円〜30,000円(税込)程度が目安となります。

一方で、カー用品店やオンラインショップで市販されている車載用のサーキュレーター(扇風機)は、安いものであれば2,000円程度から、多機能なものでも8,000円程度で購入可能です。この約3〜10倍の価格差は、選択を迷う大きなポイントとなります。

純正品と市販品の比較表
比較項目トヨタ純正 天井サーキュレーター市販品サーキュレーター(扇風機)
価格約3万円(新車時オプション価格)約2,000円〜8,000円程度
取り付け天井に内蔵(メーカー装着)ヘッドレスト、ダッシュボード、アシストグリップ等に後付け
見た目スッキリしている(専用設計)後付け感が強い。配線が露出する。
電源車両から直接(配線隠蔽)シガーソケットまたはUSBポート
機能空気循環(一部ナノイーX付)送風(首振り、風量調節、LEDライト付など多機能なものも)
保証車両本体に準ずる(通常3年または6万km)製品保証(数ヶ月〜1年程度)
注意点後席モニターと併用不可。

新車契約時のみ選択可。

設置場所の確保が必要。

配線の煩わしさ。

走行中の振動で異音や落下の可能性。

コストパフォーマンスだけを考えれば、圧倒的に市販品に軍配が上がります。いつでも購入・設置が可能です。

しかし、純正品には「車内のデザインを損なわない」「配線が一切不要でスッキリする」「車両保証が適用される」という、市販品にはない大きなメリットがあります。このデザイン性と信頼性に約3万円の価値を見出せるかが鍵となります。

シエンタのサーキュレーター後付け実践ガイド

  • サーキュレーター後付け 170系の方法
  • 市販の後部座席サーキュレーターの選び方
  • 後部座席エアコン後付けという選択肢
  • シエンタの5人乗りの欠点は何と後席の暑さ
  • シエンタのサーキュレーター後付け総括

サーキュレーター後付け 170系の方法

新型(10系)ではなく、旧型(170系)シエンタのオーナーからも、「後席が暑い」という悩みは多く聞かれ、サーキュレーターの後付けに関する相談は多く寄せられます。

ここでの結論は非常に明確です。170系シエンタに「純正サーキュレーター」を後付けするのは、費用的・技術的に現実的ではありません。

170系にもオプションとして天井サーキュレーター(「リヤアシストグリップ(サーキュレーター付)」などの名称)の設定がありましたが、これらはすべて新車時専用のメーカーオプションです。

納車後に装着しようとすると、以下のような大掛かりな作業が必要となります。

  1. 天井の内張り(ルーフライニング)を全て剥がす。
  2. サーキュレーター用の穴が開いた内張りに交換する(部品代が数万円)。
  3. 天井の鉄板(ルーフパネル)に、サーキュレーターを固定するための加工が必要な場合がある。
  4. 電源をヒューズボックスやナビ裏などから引き回し、天井裏を通す。

高額な工賃と部品代

中古部品(解体車)からパーツを調達できたとしても、専門業者に作業を依頼すれば、その工賃だけで数万円はかかります。新品部品の取り寄せと作業をディーラーやカスタムショップに依頼した場合、総額で10万円を優に超える高額な費用がかかる可能性が非常に高いです。ここまでコストをかけるのであれば、後述する高品質な市販品で対策するのが最も賢明な選択です。

したがって、170系シエンタ(および純正サーキュレーター非装着の10系)の暑さ対策は、市販の後部座席サーキュレーター(扇風機)を活用するのが、コストパフォーマンスに優れた唯一無二の現実的な解決策となります。

市販の後部座席サーキュレーターの選び方

シエンタの車内、助手席のヘッドレストにクリップで取り付けられた市販の後部座席用サーキュレーター。稼働して後部座席に風を送っている様子。

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純正品の後付けが現実的でない以上、市販品(車載用扇風機)の活用がベストな選択肢となります。数千円で購入でき、取り付けも自分で簡単に行えるものがほとんどです。

しかし、安価なものから高価なものまで種類が非常に多いため、市販の後部座席サーキュレーターを選ぶ際は、以下のポイントに注目して失敗のない製品を選びましょう。

1. 設置タイプで選ぶ(安定性と安全性の確認)

  • ヘッドレスト取り付けタイプ: 最も一般的で、運転席や助手席のヘッドレストのポールに固定するタイプです。後席全体に効率よく風を送ることができ、配線もシートの背面に隠しやすいのが最大のメリットです。固定が甘いと走行中の振動で異音が出たり、角度が変わったりするため、しっかりと固定できる製品を選びましょう。
  • クリップタイプ: アシストグリップ(後席の取っ手)やシートバックポケットなどに挟んで固定します。取り付け・取り外しが非常に手軽ですが、固定力が弱いと走行中の振動で外れて落下する危険性があります。強力なクリップと、滑り止め加工が施された製品が推奨されます。

2. 電源タイプで選ぶ(コードの長さと配線)

現在はUSB電源タイプが主流です。シエンタに標準装備されているUSBポートや、シガーソケットに別途USB変換アダプタを挿して給電します。

注意点は「USBコードの長さ」です。設置したい場所から電源ポートまで届くか、購入前に必ず確認しましょう。長さが足りない場合、延長コードが必要になりますが、その分配線が煩雑になり、足元で引っ掛けるリスクも増えるため注意が必要です。

3. 機能性で選ぶ(静音性・風量・首振り)

  • 静音性: 口コミで「うるさい」「モーター音が気になる」と評される製品は避けましょう。特に静かなハイブリッド車内では、ファンの音がストレスになることがあります。赤ちゃんやペットを乗せる場合は、静音設計(例:DCモーター採用など)を謳った製品がおすすめです。
  • 風量調節: 「弱・中・強」の3段階調節はもちろん、できれば無段階調節(ダイヤル式など)ができると、シーンに合わせて最適な風を送れます。
  • 首振り機能: 広範囲に風を送りたい場合は、自動首振り機能(左右スイング)があると快適性が格段に上がります。
  • 付加機能: オフタイマー機能、LEDライト(夜間の室内灯代わり)、アロマ機能など、付加価値のある製品も存在します。

市販品選びのまとめ

「ヘッドレスト固定式」「USB電源(コード長1.5m以上)」「静音設計」「風量3段階以上調節可」を最低ラインとし、予算に応じて「首振り機能」を追加するのが、失敗の少ない選び方と言えます。

後部座席エアコン後付けという選択肢

車の荷室で、専門の日本人整備士が後部座席用エアコン(リアクーラー)の取り付け作業を行っている様子。内装が剥がされ、配線や冷媒ユニットが露出している。

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サーキュレーター(送風機)では根本的な解決にならない、夏の暑さが尋常ではなく、どうしても「冷風」そのものが後席で欲しい、という場合の最終手段として、「後部座席エアコン(リアクーラー)の後付け」という選択肢もゼロではありません。

これは、市販の汎用リアクーラーユニット(冷媒を循環させるエバポレーターやファンを含む本格的なエアコン装置)を、ラゲッジスペースや天井に設置する、非常に大掛かりなカスタムです。

ただし、これはもはやDIYの範囲を完全に超えています。キャンピングカービルダーや、電装系のヘビーカスタムを専門とするショップに依頼する必要があり、費用も数十万円(20万〜40万円以上)と非常に高額になります。

このカスタムには、高額な費用以外にも以下のようなデメリットが伴います。

費用対効果とデメリットの考慮

  • リアクーラーユニット設置によるラゲッジスペースの犠牲
  • 車両重量の増加による燃費の悪化
  • 冷媒配管の引き回しなど、車両への大掛かりな加工が必要
  • 売却時の査定にプラスに働くとは限らない(むしろマイナスになる可能性も)

そこまで費用とリスクをかけるのであれば、シエンタを売却し、ノア、ヴォクシー、セレナ、ステップワゴンといった、標準でリアエアコン(リアクーラー)が装備されているミドルクラス以上のミニバンへ乗り換える方が、総合的なコストパフォーマンスや快適性は高いと言えるでしょう。

シエンタのエアコンは後部座席に効く?対策と居住性
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シエンタの5人乗りの欠点は何と後席の暑さ

「シエンタの5人乗りの欠点は何?」という検索キーワードを見かけることがありますが、これは5人乗りモデル特有の欠点というよりも、5人乗りも7人乗りも共通して抱える構造上の課題、すなわち「後席の空調問題」を指しているケースがほとんどです。

(もちろん、5人乗りの欠点としては「いざという時に7人乗れない」という乗車定数の問題が最大ですが、これはトレードオフで広大なラゲッジスペースを得られるメリットでもあります。)

空調に関して言えば、前述の通り「後部座席(2列目・3列目)にエアコンの吹き出し口が標準装備されていない」という点が、シエンタという車種全体のウィークポイントです。

これはシエンタのようなコンパクトミニバンでは、コストダウン、車体サイズの制約、そして重量増(=燃費悪化)を避けるために、省略されがちな装備なのです。

5人乗りモデルであっても、2列目シートの足元や頭上に直接冷風・温風を送る専用の吹き出し口はありません。

そのため、7人乗りほどではないにせよ、広い室内空間の中で前席のエアコンだけで空調を賄う必要があり、どうしても後席は暑く(または寒く)なりがちなのです。

この構造的な課題を解決するためのメーカーからの回答が、オプションの「天井サーキュレーター」である、と理解するのが正しい順序です。

シエンタのサーキュレーター後付け総括

シエンタのサーキュレーター後付け総括

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最後に、シエンタのサーキュレーター後付けに関する重要なポイントを、文章で総括します。

まず、シエンタは5人乗り・7人乗りを問わず、後部座席専用のエアコン吹き出し口がない構造的な課題を抱えており、後席が暑くなりやすい傾向があります。

この対策として、新型(10系)では純正「天井サーキュレーター」がメーカーオプションで用意されました。ただし、これは冷房装置ではなく、あくまで前席の空気を循環させる「送風機」であり、車内の温度ムラ解消が目的です。

価格は約3万円程度で、ナノイーX搭載モデルも設定されています。

純正品を検討する上で最大の注意点は、後席モニター(フリップダウン)と物理的に干渉し、同時装着ができないことです。このため、モニターを優先して「サーキュレーターはいらない」と判断するユーザーも少なくありません。

実際の口コミでも、「動作音がうるさい」という否定的な意見と、「空気循環に効果あり」という肯定的な意見に分かれています。3列目シートやチャイルドシートの利用頻度が高いご家庭では、導入を検討する価値があるでしょう。

一方、旧型(170系)シエンタに純正品を後付けするのは、費用が10万円を超える可能性があり非現実的です。そのため、シエンタのサーキュレーター後付けの主流は、市販の車載扇風機(サーキュレーター)の活用となります。

これらは数千円で購入でき、ヘッドレスト取り付けタイプが人気ですが、配線の処理や「後付け感」が出るデザイン面でのデメリットも存在します。

根本的な解決策である「後部座席エアコンの後付け」は数十万円の費用がかかるため推奨しにくいのが実情です。なお、「新型シエンタは何をパクった」という話題は空調とは無関係なデザインの話です。

結論として、まずは安価な市販品を試し、それでも後席の快適性に不満が残る場合は、将来的に純正サーキュレーター装着車への乗り換えも長期的な選択肢として考慮するのが賢明です。

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