「シエンタにゴルフバッグ4つを積んで4人でゴルフに行けるか?」これは、トヨタのコンパクトミニバン、シエンタの購入を検討している多くの方が抱く、非常に具体的な疑問です。
結論から言えば、「条件付きで可能だが、推奨はしない」というのが実情です。コンパクトなボディサイズながら、5人乗りゴルフバッグの積載はもちろん、工夫次第で4個積載の可能性も秘めています。
この記事では、新型シエンタの荷室を寸法データと共に徹底分析し、ゴルフバッグ縦積みの可否や、旧型シエンタでゴルフバッグ4つが積めたのかについても深く掘り下げていきます。
また、そもそもトヨタシエンタの欠点は何?といった実用面での疑問や、ゴルフバックを4個積めるトヨタ車は?という他の車種との比較も詳細に解説します。
さらに、ゴルフ場のマナーとして知っておきたい、なぜゴルフ場でサブバッグが禁止されるのか?といった豆知識まで、シエンタとゴルフに関する情報を網羅的にお届けします。
記事のポイント
- 新型シエンタの正確な荷室サイズと積載能力
- ゴルフバッグ4個を積むための具体的な手順とコツ
- ライバル車(フリード)との積載量の違い
- ゴルフバッグが積める他のトヨタ車種の選択肢
シエンタにゴルフバッグ4つ積載は可能?
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- 新型シエンタの荷室サイズと特徴
- 検証:ゴルフバッグの積み方ステップ
- 5人乗りゴルフバッグ積載時の注意点
- 旧型シエンタもゴルフバッグ4つ積める?
- ゴルフバッグ縦積みの可否
新型シエンタの荷室サイズと特徴
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2022年にフルモデルチェンジを果たした3代目新型シエンタは、日本の都市部や狭い路地でも運転しやすい5ナンバーサイズ(全長4,260mm×全幅1,695mm)を堅持しました。このサイズ感は、多くのユーザーにとって大きな魅力です。
積載性において特筆すべきは、その低床設計です。荷室フロア高が505mm(7人乗り仕様・2WD)と非常に低く抑えられており、これは競合他車と比較してもトップクラスの低さです。
このおかげで、重量のある9.5型ツアーバッグやスーツケースを持ち上げる負担が大幅に軽減されます。開口部も広く、スクエアな形状のため、荷物の出し入れが非常にスムーズに行えます。
荷室容量は、乗車人数やシートアレンジによって劇的に変化します。
シートアレンジ | 荷室容量(VDA法) | 特徴・積載イメージ |
3列目シート使用時(7人乗り) | 177リットル | 荷室長は345mm程度。ゴルフバッグの積載は困難です。 |
3列目シート収納時(7人乗り) | 445リットル | 広くフラットな空間が出現。ゴルフバッグ積載の基本形態です。 |
2列目シート収納時 | 1030リットル | 広大なスペース。ゴルフにはオーバースペックですが、自転車も積めます。 |
ゴルフバッグを積む場合、7人乗り仕様では3列目シートを2列目シート下に格納する「ダイブイン機構」を使うことが絶対条件です。この状態にすることで、フラットで奥行きのある荷室空間が生まれます。
5人乗り(2列シート)仕様は、元々この状態に近いため、購入時からゴルフ利用が確定している場合は有力な選択肢となります。
5人乗り仕様は、3列目シートがない分、荷室の床下収納(デッキアンダートレイ)が非常に広く深いのが特徴で、洗車道具やシューズケースなどをすっきり隠して収納できるメリットがあります。(出典:トヨタ自動車株式会社 シエンタ主要諸元表)
検証:ゴルフバッグの積み方ステップ
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では、最も気になる「3列目シートを収納した状態で、ゴルフバッグ4個を積載できるのか」という点について、複数のメディアやディーラーによる検証結果を基に解説します。結論として、「バッグの形状と積み方の工夫次第で、4個積載は物理的に可能」です。
多くの検証で、一般的な9.5型のツアーバッグが使用されています。その際の具体的な積み方(テトリスのような手順)は以下の通りです。
- 1個目:荷室の最も奥(セカンドシート背面側)に、奥行きを活かして斜めに搭載します。
- 2個目:1個目のバッグの上に、ヘッド側を逆にするなどして、少し重ねるようにして搭載します。この際、荷室高の限界に近くなるため、やや力が必要になる場合があります。
- 3個目:リアゲートに近い手前側の空いたスペースを使いつつ、2個目のバッグの上に重なるように斜めに搭載します。見た目の美しさよりも、スペース効率を優先します。
- 4個目:最後に残った上部の空間と高さを最大限に使い、3個目のバッグの上にやや縦向き(斜め)にして滑り込ませるように搭載します。
積載のポイントと注意点
この積み方により、4個のツアーバッグを積載しつつ、後方視界もギリギリ確保できると報告されています。シエンタの四角い箱型ボディと低床フロア設計が、5ナンバーサイズながらも驚異的な積載能力を発揮する証拠です。
ただし、これはあくまで「積める」という事実であり、「快適に積める」わけではありません。バッグの形状(特にスタンド型かカート型か)や、ドライバーの長さ(46インチ超など)によっては、4個目がどうしても入らない、あるいはリアゲートが閉まらない可能性が十分にあります。
5人乗りゴルフバッグ積載時の注意点
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シエンタには、3列シートの7人乗りモデルの他に、アウトドアや車中泊ユースを意識した2列シートの5人乗りモデル「FUNBASE(ファンベース)」(※旧型。新型はシンプルに「5人乗り」)もラインナップされています。
5人乗りモデルは、3列目シートがない分、標準状態での荷室が広大です。そのため、7人乗りモデルで3列目シートを収納した状態とほぼ同等の積載が可能です。「どうせ3列目は使わない」という方には合理的な選択です。
しかし、ここで最も注意したいのが「4人乗車+ゴルフバッグ4個」という、ゴルフで最も多いシチュエーションです。
5人乗りモデル(もしくは7人乗りで2列目シートを使用)の場合、ゴルフバッグ4個を荷室だけで完結させるのは「相当な力仕事になる」「積めなくはないが、推奨はしない」というのが、インプット情報(ディーラー検証など)から導かれる共通見解です。
旧型シエンタもゴルフバッグ4つ積める?
新型(3代目・10系)のデザインが好みではない、あるいは中古車でコストを抑えたいという理由で、旧型(2代目・170系)のシエンタを検討している方も多いでしょう。旧型シエンタのゴルフバッグ積載量はどうなのでしょうか。
インプット情報によれば、旧型も新型も室内サイズや荷室の基本設計はほとんど変わらないため、ゴルフバッグの積載個数も基本的には変わらないとされています。
つまり、旧型シエンタ(170系)も、新型と同様に「工夫次第でゴルフバッグ4つを積むことは不可能ではない」ということになります。
ただし、やはり新型と同様に「4人乗車+4バッグ」は非常に難易度が高く、現実的には3個が限界と考えるのが妥当です。多くのディーラー検証でも、斜めに3個積んでいる例が紹介されています。
旧型ガソリン車の裏ワザ(非公式)
旧型シエンタのガソリン車には、ハイブリッド車(補機バッテリー搭載)よりも深いデッキアンダートレイ(床下収納)が備わっていました。一部のユーザー情報では、このトレイの深さを利用し、バッグのヘッド部分をトレイに差し込むようにして一部を縦向きにすることで、4個目を積載したという例も報告されています。ただし、これは限定的な方法であり、全てのバッグで可能とは限らないため、参考程度に留めてください。
ゴルフバッグ縦積みの可否
アルファードやノア/ヴォクシーのような背の高いミニバンでは「ゴルフバッグの縦積み」も可能ですが、シエンタの場合はどうでしょうか。
結論から言うと、シエンタでゴルフバッグを縦積み(垂直に立てて積む)ことはできません。
新型シエンタの荷室高は1,105mm(約110cm)です。対して、一般的なゴルフバッグの長さ(ドライバーを入れた状態)は、46インチ〜47インチ対応で約125cm〜130cmにもなります。
荷室高が物理的に足りないため、荷室に真っ直ぐ立てて入れることは不可能です。
インプット情報でも「さすがにキャディバッグを立てて入れることはできず」と明記されており、積載は「斜め置き」か「横置き(寝かせる)」が基本となります。
前述の4個積載ステップの最後(4個目)も、厳密な縦積みではなく、あくまで「荷室高を活かしたアクロバティックな斜め積み」です。
シエンタと他車でゴルフバッグ4つの比較
- ライバル車フリードとの積載量比較
- トヨタシエンタの欠点は何?
- ゴルフバックを4個積めるトヨタ車は?
- なぜゴルフ場でサブバッグが禁止されるのか?
- シエンタでゴルフバッグ4つ積載の総括
ライバル車フリードとの積載量比較
シエンタの最大のライバルといえば、ホンダの「フリード」です。同じ5ナンバーサイズのコンパクトミニバンとして常に比較される両車ですが、ゴルフバッグ積載においてはどのような違いがあるのでしょうか。
インプット情報や各種比較レビューによると、ゴルフバッグ積載の観点では、わずかな差でフリードの方がやや有利な面があるようです。
フリード(特に旧型)の利点は、シエンタよりも荷室高と荷室長がわずかに大きい点にあります。特に荷室高は、シエンタよりも余裕がある設計になっていました。(参考:本田技研工業株式会社 フリード 荷室・収納 ※2代目)
この荷室高の余裕から、一部の情報では、フリードは「一番長いドライバーをバッグから抜けば、9インチのゴルフバッグ4個を縦積みできる」とも言われています(※2024年登場の3代目新型フリードではなく、2代目での情報)。
シエンタでは縦積みが物理的に不可能なため、これは大きな違いです。
フリードの積載ポテンシャル(2代目)
フリードも公式では3個の積載を推奨している場合が多いですが、荷室の寸法的な余裕から、シエンタよりも4個積載の難易度は低いとされてきました。荷室長もあるため、斜め積みの自由度も高かったようです。ただし、2024年6月に登場した新型(3代目)フリードは、デザインやパッケージングが変更されたため、積載性については改めて実車での確認が必要です。
ゴルフバッグの積載性を最重要視する場合、シエンタとフリードの両方で、可能であればご自身のゴルフバッグを持参してディーラーで積載テストをさせてもらうのが最も確実です。
トヨタシエンタの欠点は何?
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多くのメリット(低燃費、低床、運転しやすいサイズ)があるシエンタですが、購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、実用面から見た「欠点」や「弱点」も包み隠さず理解しておく必要があります。
ゴルフ用途やファミリーユースの観点から、主に以下の3点が挙げられます。
1. 4人乗車+ゴルフバッグ4個の積載が困難
これは本記事で繰り返し触れている通り、シエンタ最大の欠点(限界点)と言えます。設計上、5ナンバーサイズという制約の中で最大限の室内空間を確保していますが、4人が快適に乗車した上で、4人分のゴルフバッグを荷室に収めるのは物理的に非常に困難です。
「ゴルフ仲間4人で乗り合わせて行く」というシーンが月に何度もある方には、シエンタは不向きかもしれません。
2. 7人乗車時の荷室が極端に狭い
シエンタは「7人乗れる」ことが大きな魅力ですが、3列目シートを使用している状態では、荷室はほとんどありません。インプット情報によれば荷室長は最大345mmしかなく、これは機内持ち込みサイズの小さなスーツケースがギリギリ置ける程度です。
もちろんゴルフバッグは1個も積むことができません。
「7人乗ったら荷物は積めない」と割り切る必要があります。これはフリードなど他のコンパクト3列シート車にも共通する課題です。
3. 高速走行時のパワー不足感(特に多人数乗車時)
これは積載性とは別の、走行性能に関する一般的な指摘です。シエンタは1.5リッターのガソリンエンジン、またはそれをベースにしたハイブリッドシステムを採用しています。
街乗りでは十分な性能ですが、大人4人+荷物満載で高速道路の合流や追い越し、急な登坂路に差し掛かると、パワー不足やエンジン音の高まりを感じる場面があるとされています。あくまで燃費と実用性を両立させた、街乗りメインの設計思想と言えます。
ゴルフバックを4個積めるトヨタ車は?
「やはりシエンタでは4個積むのが大変そうだ…」と感じた方のために、ゴルフバッグ4個を「余裕で」積載できるトヨタ車をカテゴリ別に紹介します。4人でゴルフに行く機会が多い方は、これらの車種を検討するのが最もストレスフリーです。
カテゴリ | 車種名 | 積載の特徴と余裕度 |
ミニバン | ノア / ヴォクシー | シエンタより一回り大きなミドルクラス。3列目を跳ね上げれば、4個を余裕で積載可能。横積みも縦積みもでき、5個積める場合もあります。 |
アルファード / ヴェルファイア | 圧倒的な荷室幅と高さ。4個はもちろん、縦積みなどを駆使すれば6個近く積めることも。ゴルフエクスプレスとして最適です。 | |
SUV | RAV4 / ハリアー | ミドルクラスSUVの広い荷室(特にRAV4)で、4個を問題なく横積みできます。荷室幅が広いのが強みです。 |
カローラ クロス | コンパクトSUVながらクラス最大級の荷室を持ち、4個積載可能です(※スペアタイヤ非装着車など条件あり)。シエンタからの乗り換え候補として有力です。 | |
ランドクルーザー250 | プラドの後継モデル。広大な荷室を持ち、9.5インチのゴルフバッグ4個を余裕で積載可能です。 | |
ステーションワゴン | カローラ ツーリング | 低重心で荷室が長く、ステーションワゴンの強みで4個を安定して積載できます。走行性能も重視する方におすすめです。 |
セダン | クラウン / カムリ | 大型セダンはトランクスルー(後席を倒す)を使わなくても、トランクだけで4個積載できる設計になっていることが多いです。 |

この記事の検証で、「4人+ゴルフバッグ4個」のシチュエーションが多い方には、シエンタでは積載が非常に困難(非推奨)であることがお分かりいただけたかと思います。
もしシエンタにこだわらず、「4人で快適にゴルフに行けること」を最優先するなら、ノア/ヴォクシーやRAV4、カローラクロスといった、この記事で紹介したワンサイズ上の車種を中古車で探すのが最も現実的で満足度の高い選択です。
日本最大級の中古車情報サイト「カーセンサーnet」なら、シエンタはもちろん、ノア、RAV4、カローラクロスなど、ご自身のライフスタイルに本当に合う車を、全国の豊富な在庫から横並びで比較・検討することができます。
まずは、ご自身の予算に合う「4人+4バッグ」が可能な一台がいくらで見つかるか、チェックしてみてはいかがでしょうか。
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なぜゴルフ場でサブバッグが禁止されるのか?
最後に、ゴルフに関する重要な豆知識として「サブバッグ(セルフスタンドバッグ)」のマナーについて触れておきます。最近、アプローチ練習場やショートコースで便利な、数本だけ入れて持ち運べるサブバッグが人気です。
しかし、多くのゴルフ場、特に本コースのグリーン上への持ち込みが厳しく禁止されています。
これには、ゴルフというスポーツの根幹に関わる明確な理由があります。
サブバッグが禁止される主な理由
- グリーンの保護: これが最大の理由です。サブバッグには地面に立てるためのスタンド(金属やプラスチックの脚)が付いているものが多く、このスタンドで非常にデリケートなグリーン面を傷つけてしまう(穴を開けたり、凹ませたりする)恐れがあるためです。グリーンはゴルフ場で最も神聖かつ重要な場所であり、日本ゴルフ協会(JGA)が定めるエチケットでも「グリーンを傷つけない」ことは最優先事項とされています。
- 進行の遅延(スロープレー防止): セルフプレーでサブバッグを個別に持ち歩くと、カートとの往復やバッグの管理に余計な時間がかかり、プレー進行が遅れる原因になり得ます。ゴルフは後続組への配慮も重要なスポーツです。
- カート積載の問題: ゴルフ場のカートは、基本的にメインのキャディバッグ4個(または5個)を積むことしか想定されていません。サブバッグを無理に積もうとすると、走行中に落下したり、他の高価なバッグを傷つけたりするトラブルの原因となります。
シエンタへの積載とは直接関係ありませんが、ゴルフを楽しむ上での重要なマナーとして覚えておきましょう。
サブバッグを使用する場合は、必ずゴルフ場のローカルルールを確認し、グリーン周りには持ち込まず、カート道やラフなど決められた場所に置くようにしてください。
シエンタでゴルフバッグ4つ積載の総括
この記事で解説した「シエンタとゴルフバッグ4つ」に関する重要な情報を、最後に文章で総括します。購入を検討する際の最終チェックとしてご活用ください。
まず、シエンタにゴルフバッグ4つを積載すること自体は、積み方を工夫すれば物理的に可能です。実際に9.5型のツアーバッグ4個の積載例も報告されています。
しかし、これはあくまで荷室の限界に近い状態であり、「4人乗車と4バッグの同時両立」は非常に困難(非推奨)であることも意味します。安全と快適性を考慮した現実的な推奨ラインは、3人乗車でゴルフバッグ3個までと考えるのが妥当です。
積載の前提として、7人乗りモデルでは3列目シートの格納が必須であり、3列目シート使用時の荷室はほぼゼロでゴルフバッグは積めません。5人乗りモデルの積載量も、基本的に7人乗りの3列目収納時と同等です。
また、この積載能力は旧型シエンタ(170系)でも新型と大きく変わらないとされています。
注意点として、シエンタの荷室高(約110cm)ではゴルフバッグの縦積みはできず、積載方法はスペースを使い切る「斜め置き」や「重ね置き」が基本となります。
そのため、検証例はあるものの、お持ちのバッグの形状やサイズによっては4個積めない可能性も高いです。シエンタの主な欠点は、まさにこの「4人+4バッグの積載難易度」と「7人乗車時の荷室の狭さ」にあると言えます。
比較対象として、ライバル車のフリード(旧型)は荷室高があり、シエンタより積載上有利な面もありました。
もし4人4バッグの積載と快適な移動を最優先するなら、ノア、ヴォクシー、RAV4といったトヨタのワンサイズ上の車種を選ぶのが確実な選択肢となります。
最後に、積載とは別に、ゴルフ場でのサブバッグ使用はグリーン保護のためマナーを厳守しましょう。